今日はいろいろな花たちを集めてみました。
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ハラン(
葉蘭)。キジカクシ科ハラン属の常緑多年草。関西では古名通り、バラン(馬蘭)と呼ぶことが多いです。葉はお弁当やお寿司の仕切りに使われていたのですが、近年はプラスチック製の人造ハランに取って代わられました。ハランの花は長年、私が探し続けていた花の一つでしたが、先日、某所でハランの花を初めて見て「今頃咲く花なのか」と思った瞬間、ハッと我が家のハランを思い出しました。早速、帰宅して庭を調べてみたら、写真のような花が咲いていました。我が家のハランは、もう15年以上も前から植えていて、花が咲くことを知った5年ほど前に初夏の頃に一度探してみたのですが見当たらず、その後は全く確認することもありませんでした。開花時期も知らない知識不足の「灯台もと暗し」でした。
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植えているところは日陰で目に留まりにくい場所で、今まで気にも留めずにいました。葉の根元は長年の落ち葉で埋まったままでしたので、あわてて落ち葉を取り去ると、あちこちで花が咲いていました。手荒に落ち葉を取り除くと云う、せっかちで大雑把な性格が災いし、花を傷付けてしまいました。
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花は地上すれすれに、地面に埋まったように咲きますから、落ち葉などがあると気付きません。ナメクジやダンゴムシなどが受粉を手伝っていると思われてきた花ですが、最近の研究ではニホンオカトビムシと云う陸生のヨコエビが受粉を手伝っていることが分かったそうです。次は、ニホンオカトビムシなるエビのような虫を探してみたくなりました。
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こちらも地表すれすれに咲く カンアオイ(
寒葵)。ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草で日本固有種です。こちらでよく見るミヤコアオイ(都葵)とは花の色や形が微妙に異なります。ミヤコアオイについては → こちら
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カンアオイの葉。この葉をかき分けて根元を見ると、上記のような花が見られます。
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アミガサユリ(編笠百合)。ユリ科バイモ属の半ツル性多年草。中国原産の鑑賞用植物で、この時期各所で見られました。
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花の内側に
褐色の網目状斑紋を持つので、編笠百合と呼ばれますが、単にバイモ(貝母)とも呼ばれます。
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エンゴサク(延胡索)。ケシ科の多年草。中国原産で江戸時代に日本に薬草として伝えられました。日本にはヤマエンゴサク、シロボウエンゴサクなどの野生種がありますが、薬効が劣るので、漢方としてはエンゴサクが用いられます。
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イカリソウ(錨草、碇草)の白花。メギ科イカリソウ属の多年草。ご存知の通り、花の形状が船のイカリの形に似ていることが、名前の由来です。イカリソウの花色には、通常の淡紅色の他にも、クリーム色や白色などもあり、この白色は「シロバナイカリソウ」とも呼ばれることもありますが、あえて区分せず、単に「イカリソウ」と呼ぶことが多いです。
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花も特徴的ですが、葉っぱが又いいですね。萌黄色の葉は赤い縁をまとっていて、とても美しいです。
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ミツガシワ(三槲)。ミツガシワ科ミツガシワ属の多年草。主として北半球の寒冷地に分布し、湿地や浅い水中に生えます。地球氷河期の生き残りとして貴重な植物です。全国25都府県でRDB指定され、近畿地方のRDB状況は‥兵庫県・三重県:絶滅危惧Ⅰ類、滋賀県:絶滅危惧Ⅱ類、京都府:要注目種、となっています。
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今、我が家で咲いている タンチョウソウ(丹頂草)です。ユキノシタ科タンチョウソウ属の多年草。中国原産の山野草で、山地に分布し、渓流の岸壁などに生えます。花は葉が展開する直前もしくは同時に咲きます。
白い萼と白い花弁が重なり合って、花びらが10枚あるように見えます。
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日本ではもっぱら観賞用として植えられています。葉がヤツデのようなので イワヤツデ(岩八手)とも呼ばれます。
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山野草としては、いたって丈夫で寒さにも強く、育てやすい花です。秋に葉を落とし冬場は休眠します。