お蔭様で、抜釘(ばってい)手術も無事終わりました。心配していた術後の痛みも殆ど起こらず、切開部の癒合も順調に推移して、ゴールデンウィークの狭間には退院の許可が出ましたので、連休後半は自宅でゆっくり休養できました。GW明けから、本格的にリハビリ歩行訓練を開始して、足の回復に努めます。
最新ネタがありませんので、入院前の4/24に出掛けた
生駒山系で出会った花たちを取り上げました。
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ツクバキンモンソウ(筑波金紋草)。シソ科
キランソウ属の多年草で日本固有種です。日本海側に生息する ニシキゴロモ(錦衣)の変種 で、ツクバキンモンソウは太平洋側の山地に生息します。生息地の違いの他には、ニシキゴロモの上唇が明確に2つに深裂するのに対して、ツクバキンモンソウの上唇の分裂はごく浅くて、オシベが花冠の外に飛び出しているなどの違いがあります。
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葉柄は長さ1-2cmで紫色を帯びています。葉は長楕円形ないし広卵形で、葉の表面には濃紫色の葉脈が走っています。同類のジュウニヒトエ(十二単)は、ニシキゴロモやツクバキンモンソウと花の色や形が殆ど同じですが、全体に毛が多く、花穂が長く伸びて多数の花を付けるところが違います。写真を撮ろうとしたら、黄蝶が飛んできて止まってくれました。
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ジュウニキランソウ(十二金瘡小草)
。出会った時、花穂が直立していたので、ジュウニヒトエ(十二単)では?と思ったのですが、花穂が少し小ぶりだったことなどから、ジュウニヒトエとキランソウとの雑種(自然交配種)であるジュウニキランソウではないか、としましたが、よく分かりません。
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ジュウニキランソウと思われる花のアップ。花穂がもっと長ければ問題なくジュウニヒトエなんでしょうが‥。
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シャガ(
射干、著莪)。アヤメ科アヤメ属の多年草。人里近くの森林周辺の木陰など、やや湿った所に群生します。シャガはかなり古い時期に中国より入ってきた帰化植物で、三倍体のため種子が出来ません。従って日本全国に点在する個体は全て同一遺伝子を持っており、分布は人為的に行われたと考えられ、人の手が入らない自然林には殆ど自生していません。
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リュウキンカ(立金花)。キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草。本州・九州に分布。花弁はなく、花弁のように見えるのは萼片で、通常は5枚です。茎が直立し、黄金色の花を付けることから立金花と呼ばれます。
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リュウキンカの特徴は、渓流沿いや池や湿地などの水辺に生育することです。
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よく似た花に ヨーロッパ原産のヒメリュウキンカ(姫立金花) があります。違いは、花弁が通常8枚とリュウキンカの5枚に比べると多いことです。またリュウキンカは水辺が生息地ですが、ヒメリュウキンカは庭や野原などが生息地ですので、生息場所と花弁の数が分かれば、判別は容易です。
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ニシノオオタネツケバナ(西の大種漬花)。アブラナ科タネツケバナ属の越年草。
近畿以西から九州にかけての山地や丘陵地の渓谷沿いで見られます。東日本に分布するオオケタネツケバナ(大毛種漬花)の変種だそうです。
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オオバタネツケバナとも大変よく似ていますが、オオバタネツケバナは羽状複葉の側小葉は
ほぼ全縁で鋸歯は殆ど見られませんが、ニシノオオバタネツケバナの側小葉には粗い鋸歯があるので区別は可能です。
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ミツガシワ(三槲)。ミツガシワ科ミツガシワ属の多年草で、今年は運よく2ヶ所で出会うことが出来ました。花冠は深く5つに裂け、裂片の内側には白い縮れた毛をたくさんつけていて、いかにも氷河期の遺存植物らしい花姿をしています。
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山地や低地の沼地や湿地に生息 します。
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ミツガシワの葉は3出複葉です。3
枚ある葉の形が「柏の葉」に似ている、あるいは家紋の「三柏」に似ているというのが和名の由来です。
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チゴユリ(
稚児百合)。イヌサフラン科チゴユリ属の多年草。日本全国、落葉樹林帯の木陰に生息します。
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ユリと云っても球根は付けません。花期は4-6月で、茎の先端に1cmほどの白い花を一つ咲かせます。