初夏の樹木の花や実たちです。
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ヤブムラサキ(薮紫)。シソ科ムラサキシキブ属の落葉樹。花期は6-7月頃で、葉腋
から集散花序を出して、紅紫色の花を2〜10個ほど付けます。花冠は長さ4-5mm、上部は4裂し、萼片は平開し、には白色の軟毛や星状毛が密生します。オシベは4個、メシベは1個、ともに花冠から長く突き出ています。枝や葉や花に星状毛が多く、とりわけ葉の滑らかな感触は、ビロードのようで、私の大のお気に入りの植物の一つです。
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ヤブムラサキの花は、葉の裏に隠れるように下向きに付きますので、垂れ下がった枝では、枝を持ち上げないと花が咲いているのが分かりにくいです。ムラサキシキブの花は、上向きに付くので目立ちますし、葉がザラザラですので、見分けは簡単です。
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ウメモドキ(
梅擬)。モチノキ科モチノキ属の落葉樹。雌雄異株で、これは雌花です。
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ウメモドキの雄花。花弁はふつう4-5枚ですが、写真のように6枚のものもあります。また花色も白色から紅色まであります。
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シャリンバイ(
車輪梅)。バラ科シャリンバイ属の常緑樹。葉は楕円形で厚みと光沢があり、枝先に葉が集中する傾向があり、車輪状に互生しています。4-6月に白い5弁花を付けます。乾燥や大気汚染に強いことから道路脇や中央分離帯(グリーンベルト)などに植栽されることも多いです。
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ネムノキ(
合歓木)。マメ科ネムノキ属の落葉樹。本州から九州にかけて、河原や雑木林などに生えます。マメ科に多い蝶形花ではなく、独特の花を付けます。
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クチナシ(
梔子)。アカネ科クチナシ属の常緑樹。6-7月に白い6弁花を、葉腋から1個づつ咲かせます。強い芳香があります。1970年代前半のカラオケ装置の登場と歩を合わすようにヒットした渡哲也の歌「くちなしの花」。それまで飲み屋で歌うことのなかった我々世代が、恥も忘れてスナックで歌ったのは、この歌が一番多かったと思い出される、懐かしい名前です。
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ザクロ(
石榴)。ミソハギ科ザクロ属の落葉樹。西南アジアないし南ヨーロッパあたりが原産と云われますが、日本には中国を経由して平安時代に渡来しました。
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ナツハゼ(夏櫨)。ツツジ科スノキ属の落葉樹。日本全国の山地、特に花崗岩質の山地の林縁に生息します。5-6月に新枝の先端に総状花序を出し、赤みを帯びた吊鐘型の花を咲かせます。
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ナツハゼの閉花後まもない若い果実。まだ球果と云える姿ではなく、吊鐘の形状が残っています。
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ヤマブドウ(山葡萄)の蕾。ブドウ科ブドウ属のツル性落葉樹。雌雄異株ですが、この木は毎年観察対象にしている木で果実を付けていますので雌株です。開花まであと少しです。
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クワ(桑)の実。クワ科クワ属の落葉樹。春に開花し、初夏には実が熟します。完熟しますと黒くなり、甘い美味しい実となります。一口にクワと云っても、マグワ(真桑)とヤマグワ(山桑)がありますが、これは マグワ です。ヤマグワは実が小さくて果実に長い花柱が残っていますので、実から判別可能です。
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ナツグミ(
茱萸)の実。グミ科グミ属の落葉樹。夏に実が熟すのでナツグミ、秋に実が熟すのがアキグミです。花は良く似ていて間違いやすいですが、実は熟す時期が違うので間違うことは、まずありません。
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イチョウ(
銀杏)の実。イチョウの花を撮りたかったのですが、忘れていて、もうギンナンになっていました。
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ミツバアケビ(
三葉木通)の実。アケビ科アケビ属のツル性落葉樹。秋まで残っているのを期待したいです。
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ニワトコ(
接骨木)の実。スイカズラ科ニワトコ属の落葉樹。早くも実が赤くなっていました。
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フジ(藤)の実。マメ科フジ属のツル性落葉樹。つい先日まで見ていた色々な花たちが、もう実になっています。月日の過ぎ去る早さを実感する、今日この頃です。