夏の園芸種~木本や草本の花たちです。
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トキワネム(常盤合歓)。マメ科ベニゴウカン属の常緑樹。ブラジル原産の常緑樹で、高さは1-2mほどの低木です。葉はシダのような羽状複葉で、葉腋にピンク色のネムノキのような花をいっぱい咲かせます。まるで花の中から葉っぱが顔を出している、と云った感じです。トキワネムは園芸上の名前で、正しくは カリアンドラ・セロイ と云います。
Calliandra selloi02
緑色の葉とピンクの花がとても美しく、思わず見惚れてしまうほどです。パウダーパフのような花ですので、英名も Powder-puff bush と呼ばれます。
わが町にも2軒ほどで植えられていましたので、写真に撮ってみました。
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ヒメツバキ(姫椿)。ツバキ科ヒメツバキ属の常緑樹。日本では沖縄や小笠原諸島などの南方に自生し、枝の先端に5-10個ほどの白い花を咲かせます。自生地では4-5月頃に咲くそうですが、これは奈良県下をウォーク中に出会ったもので、7月中旬に咲いていました。
sarusuberi
サルスベリ(百日紅)。ミソハギ科サルスベリ属の落葉樹。約100日間、花を咲かせるように見えるのが名前の由来です。「猿滑り」とも書き、これは幹がつるつるなので、猿(サル)も登れないところからの命名です。花期は7-9月、枝の先端に円錐花序を付けます。個々の花は、6つのシワシワの花びらと、中央に多数の黄色いオシベ(うち外側の6本は特に長い)と1つのメシベからなっています。
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ノウゼンカズラ(
凌霄花)。ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属のツル性落葉樹。中国原産で、平安時代の本草書「本草和名(ほんぞうわみょう)」に「乃宇世宇(のうせう)」の名が見られるほど、古くに渡来したといわれています。ノウセウが訛ってノウゼンとなり、ツル性の樹木なのでカズラと付加されました。
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暑い盛りに、濃いオレンジ色の花がひときわ目を引きます。
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アメリカノウゼンカズラ(亜米利加)。ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属のツル性落葉樹。北米原産で花色は濃赤色です。ノウゼンカズラと比べると、花は全体的に小型で、花序もノウゼンカズラのように長くはならず、一ヶ所に集まって咲きます。
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オニユリ(
鬼百合)。ユリ科ユリ属の多年草。当地の某川堤防には一面にオニユリが自生していたのですが、河川改修工事で旧堤防は完全に破壊されてしまい、大きな群落地がなくなってしまいました。写真は拙庭のオニユリです。
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コオニユリ(小鬼百合)。ユリ科ユリ属の多年草。こちらは当地の某所に咲いている野生種の写真です。オニユリ
は葉の腋に珠芽(むかご)が付きますが、コオニユリには付きません。従って、オニユリはムカゴから3年くらいで花を咲かせますが、コオニユリは実生から6-8年経たないと花は咲きません。
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キキョウ(桔梗)。キキョウ科キキョウ属の多年草。拙庭のキキョウは7月初旬から咲き始め、ほぼ1ヶ月後の今も次から次へと咲き続けています。これは、もともと野生種だったもので背丈も1m強あります。昔、野道で踏まれて倒れていた幼苗を、可哀想で持ち帰って植え直したものです。今や毎年沢山の花を咲かせて楽しませてくれています。キキョウは国(環境省)のRDBでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に、また全国42都道府県でもRDBに指定されている希少種です。
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キキョウの花はご存知の通り、雄性先熟 です。(左)開花当初のシベの姿。柱頭に添うように花粉を出しているオシベです。(右)開花数日後のシベの姿。花粉を出し切ったオシベは花びらの内側に倒れこみ、真ん中のメシベが熟して、柱頭が5つに裂け、受粉態勢となります。自家受粉を裂ける自然の仕組みがよく分かります。
himawari
夏の花と云えば、やはり ヒマワリ(
向日葵)と‥
asagao
アサガオ(朝顔)は、昔からの定番ですね。「寒さには弱いが暑さには強い」と自負していた小生ですが、近年、体質が一変したようで、この暑さには閉口しています。夏の花たちには申し訳ないですが、早く暑さ(夏)から逃れたいものです。