地元をウォーク中に出会った夏の山野草たち、その①です。
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カワラナデシコ(
河原撫子)。ナデシコ科ナデシコ属の多年草。秋の七草の一種で、北海道を除く全国の草原などの、明るく開けた環境を好みます。日本女性の清楚な美しさを、花に例(たと)えて、ヤマトナデシコ(大和撫子)の別名があります。ところで、女子サッカー 2017 Tournament of Nations でのナデシコ・ジャパンの低落振り(0勝2敗1分け)は残念ですね。澤さんや川澄さんたちが活躍していた頃のハングリー精神いっぱいのナデシコ・ジャパンが懐かしいです。
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当地近辺では、もともと自生地が少ないところへ、年々株数も減ってきているようで先行き心配な品種の一つです。
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チダケサシ(
乳茸刺、乳蕈刺)。ユキノシタ科チダケサシ属の多年草で日本固有種です。北海道を除く、全国の湿った草原などに生息します。茎が細くて硬いので、比較的標高の高い草原にも生えます。名前は、長野県の山地に住む人たちが乳茸(チチタケ、チダケ=食用キノコの一種)を採ると、この草の茎に刺して持ち帰ったことに由来します【長野県野草図鑑】。
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花期は7-8月で、円錐花序に淡いピンク色ないしは白色の小さな花を咲かせます。同属のアカショウマやトリアシショウマは白い花を咲かせます。この花も当地では殆ど見られなくなってきました。
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ハキダメギク(
掃溜菊)。キク科コゴメギク属の一年草。熱帯アメリカ原産の明治期に渡来した帰化種です。直径5mmほどの頭花には、多数の黄色い筒状花の周囲に5枚ほどの白い舌状花があります。
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ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)。キク科ベニバナボロギク属の一年草。アフリカ原産で第二次世界大戦後に渡来した帰化種です。先のハキダメ菊と云い、このボロ菊と云い、鑑賞用や食用にならない野草は名前の付け方までボロクソです。
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ノギラン
(芒蘭)。キンコウカ科ノギラン属の多年草。花期は6-8月。根出葉の間から高さ20-50cmになる花茎を伸ばし、総状花序を付けます。やや多数のがつく
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ネバリノギラン(粘
芒蘭と似ていて、花が咲かないと区別は難しいです。ノギランの花は全開しますが、ネバリノギランの花は壷形で殆ど開きません。ネバリノギランの花は → こちら
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ヤブラン(藪蘭)。キジカクシ科ヤブラン属の多年草。花は淡紫色で、花びらは6枚(
外花被片3枚と内花被片3枚)です。
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ノカンゾウ(
野萓草)。ユリ科ワスレグサ属の多年草。ユリ科植物の基本通り(3の倍数)、花びらは6枚ですが、正しくは萼片(外花被片)3枚と花弁(内花被片)3枚です。京都府RDBで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている希少種です。当地でも絶滅寸前ですが、この花は私が知る限り、当地でただ一ヶ所の自生地の花です。今年も見ることが出来て安心しました。
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今回一番の目玉は、この オオヒキヨモギ(
大引蓬)です。ハマウツボ科ヒキヨモギ属の多年草で、半寄生植物です。RDB環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類(VU) に指定されている超希少種です。近隣の地区では見たことがあったのですが、当地での自生は未確認でした。初めて当地で出会うことが出来ました。
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通常は茎は斜上するのですが、ここは斜面のため、斜め下方に茎を伸ばしていました。1mほどの長い茎の
上部の葉腋に1個づつ花をつけますが、少しづつ順番に咲かせますので殆ど目立ちません。
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近畿地方のRDB状況‥奈良県:絶滅危惧Ⅱ類、京都府・大阪府・和歌山県・滋賀県・三重県:絶滅危惧種。