★木津川 山の会1月例会「滝坂の道~若草山」 1/7
例年、1月は地元の「三上山」登山が恒例だったのですが、今年は奈良の春日・奥山を巡り、若草山頂上へと歩くことになりました。
集合は 興福寺・五重塔前 に朝9時30分です。興福寺は今年の10月には中金堂が落慶予定です。さて、私はJR奈良駅からウォークをスタートし、ここに参集しました。本日は天候も晴で、風もなく快適な山歩きとなりそうです。
例年、1月は地元の「三上山」登山が恒例だったのですが、今年は奈良の春日・奥山を巡り、若草山頂上へと歩くことになりました。
集合は 興福寺・五重塔前 に朝9時30分です。興福寺は今年の10月には中金堂が落慶予定です。さて、私はJR奈良駅からウォークをスタートし、ここに参集しました。本日は天候も晴で、風もなく快適な山歩きとなりそうです。
本日の参加者は35名ほど。出欠のあと、春日大社へと向かいます。
春日大社の境内を歩きます。初詣で混雑している本殿前を避けるようにして、二の鳥居の手前で右折し、上の禰宜(ねぎ)道 へ出て、柳生街道へと向います。
柳生街道・滝坂の道 に入ります。柳生街道は、奈良町から柳生まで通じる最短ルートで、春日山と高円山の谷あいを流れる能登川沿いの古道です。柳生街道の全行程のうち、この渓流沿いの前半部分は、道沿いに小さな滝が沢山あるため、滝坂の道と呼ばれます。
滝坂の道の 石畳 です。石畳をつくった昔の人は大変だったでしょうが、足に不安を残す私にとっても、石で滑ったり、けつまづいて、再び転ぶようなことにでもなれば大変ですので、慎重に歩きました。
滝坂道には石仏が色々見られます。寝仏、夕日観音、三体地蔵を過ぎ、朝日観音(中央) です。朝日観音は、実際は観音ではなく弥勒仏です。左右二体は地蔵仏です。東に面していて朝日に映えるのが名前の由来です。
11時 首切地蔵 に到着・小休止です。以前からあった東屋は取り壊されてベンチだけになっていました。昨年2月に来た時も東屋はありましたので、取り壊されたのは、つい最近のようです。首切地蔵は鎌倉時代の作だそうですが、首の所で真っ二つに割れていて、荒木又右衛門が試し斬りしたと伝わっています。
*追記:2017年10月の台風で、首切地蔵横の大木が倒れた影響で東屋が全壊したそうです。
高円山ドライブウェイを横切り、地獄谷へと向います。
地獄谷石窟仏。5年ぶりの訪問でした。石窟内の石仏保護のため、厳重に鉄条網が張られています。
石窟内の石仏は奈良時代後期の作だそうですが、年代や作者は定かではなく、山伏が岩窟に寝起きして彫刻したとか、大仏殿建立の折に石材採りの石工が彫刻したなどと云われています。また、石仏名も未だ定説なしですが、正面中央は 廬舎那仏(るしゃなぶつ、大仏でお馴染みの仏)、その右は観音菩薩、左は薬師如来だそうです。右側面には妙見菩薩も彫られています。今も赤色などの彩色が色濃く残っています。ここで昼食となりました。
この地獄谷はアップダウンが激しく、一旦、谷底まで下って、また登り返します。
左右が切り立った尾根筋を歩きます。
柳生街道・石切峠。ここで舗装道となり、右方向に進み春日奥山道路へと向かいます。
芳山(ほやま)交番所。奈良奥山ドライブウェイは全線を3分割して管理されており、交番所とは、警察の交番ではなく、道路係員が通行車両を検問する場所です。芳山交番所は高円山ドライブウェイと春日奥山道路(春日山A周路)との境界にあります。春日奥山道路だけは一方通行で、高円山ドライブウェイから登ってきた車はこの先には進めません。ちなみに、この春日奥山道路は通行料がとても高いことでも有名ですが、これは特別天然記念物で、かつ世界遺産である「春日山原始林」を保護するため、通過する自動車の総数を抑制するのが目的なのです。
春日奥山道路沿いに建つ 世界遺産・春日山原始林 の石碑。ここから赤い大原橋を渡り鶯の滝へ向います。
鶯の滝。鶯の滝は、世界遺産・春日山原始林の山中にある滝で、佐保川の源流となっています。江戸時代から名所として知られており、水の落ちる音がウグイスの鳴く音に似ているということからこの名がついたそうです。
鶯の滝を見た後は、再び山を登り、春日奥山道路に出て、若草山方面に進むと 花山 地蔵の背 です。この石仏たちの詳しい由来は不詳です。花山と云うのは、春日山の別名で、春日山原始林の最高峰(496m)の山です。御蓋山(みかさやま、三笠山とも記す)は春日前山、花山は春日奥山とも呼ばれ、一般的に「春日山」と云えば、この2つの山を指します。また、広義的には、御蓋山と花山の他にも芳山を含めて春日山と呼ぶこともあります。御蓋山と花山は春日大社のご神体であり禁足地となっていて入山(登山)することは出来ませんが、芳山は登山可能です(山の位置等については最後の地図をご覧ください)。
鎌研(かまとぎ)交番所。新若草山ドライブウェイと春日奥山道路との境界検問所です。この先に若草山の駐車場があり、山頂までは5分ほどです。
若草山山頂から西方の生駒山を望みます。手前は山頂で遊ぶ 雄鹿 です。角切りにも遭わず、まだ角が残っていますが、鹿の角は毎年生え変わりますので、春先には自然と角が落ちるでしょう。
若草山山頂から南方を眺望。手前の山が禁足地の 御蓋山(みかさやま)。遥か後方には金剛・葛城も良く見えていたのですが、写真では全く分かりません。
頂上からは春日山遊歩道を一気に下り、下山した遊歩道北入口で再点呼後、15時15分自由解散となりました。本日のウォークGPS軌跡:JR奈良駅→興福寺五重塔(集合)→春日大社→滝坂の道→地獄谷石窟仏→石切峠→鶯の滝→若草山→春日遊歩道→遊歩道北入口(解散)→奈良県庁→JR奈良駅まで、19.8km でした(地図をクリックしますと拡大します)。
*石切峠から峠茶屋を経て、芳山(ほやま)へ登った時の山行記は → こちら。
春日大社の境内を歩きます。初詣で混雑している本殿前を避けるようにして、二の鳥居の手前で右折し、上の禰宜(ねぎ)道 へ出て、柳生街道へと向います。
柳生街道・滝坂の道 に入ります。柳生街道は、奈良町から柳生まで通じる最短ルートで、春日山と高円山の谷あいを流れる能登川沿いの古道です。柳生街道の全行程のうち、この渓流沿いの前半部分は、道沿いに小さな滝が沢山あるため、滝坂の道と呼ばれます。
滝坂の道の 石畳 です。石畳をつくった昔の人は大変だったでしょうが、足に不安を残す私にとっても、石で滑ったり、けつまづいて、再び転ぶようなことにでもなれば大変ですので、慎重に歩きました。
滝坂道には石仏が色々見られます。寝仏、夕日観音、三体地蔵を過ぎ、朝日観音(中央) です。朝日観音は、実際は観音ではなく弥勒仏です。左右二体は地蔵仏です。東に面していて朝日に映えるのが名前の由来です。
11時 首切地蔵 に到着・小休止です。以前からあった東屋は取り壊されてベンチだけになっていました。昨年2月に来た時も東屋はありましたので、取り壊されたのは、つい最近のようです。首切地蔵は鎌倉時代の作だそうですが、首の所で真っ二つに割れていて、荒木又右衛門が試し斬りしたと伝わっています。
*追記:2017年10月の台風で、首切地蔵横の大木が倒れた影響で東屋が全壊したそうです。
高円山ドライブウェイを横切り、地獄谷へと向います。
地獄谷石窟仏。5年ぶりの訪問でした。石窟内の石仏保護のため、厳重に鉄条網が張られています。
石窟内の石仏は奈良時代後期の作だそうですが、年代や作者は定かではなく、山伏が岩窟に寝起きして彫刻したとか、大仏殿建立の折に石材採りの石工が彫刻したなどと云われています。また、石仏名も未だ定説なしですが、正面中央は 廬舎那仏(るしゃなぶつ、大仏でお馴染みの仏)、その右は観音菩薩、左は薬師如来だそうです。右側面には妙見菩薩も彫られています。今も赤色などの彩色が色濃く残っています。ここで昼食となりました。
この地獄谷はアップダウンが激しく、一旦、谷底まで下って、また登り返します。
左右が切り立った尾根筋を歩きます。
柳生街道・石切峠。ここで舗装道となり、右方向に進み春日奥山道路へと向かいます。
芳山(ほやま)交番所。奈良奥山ドライブウェイは全線を3分割して管理されており、交番所とは、警察の交番ではなく、道路係員が通行車両を検問する場所です。芳山交番所は高円山ドライブウェイと春日奥山道路(春日山A周路)との境界にあります。春日奥山道路だけは一方通行で、高円山ドライブウェイから登ってきた車はこの先には進めません。ちなみに、この春日奥山道路は通行料がとても高いことでも有名ですが、これは特別天然記念物で、かつ世界遺産である「春日山原始林」を保護するため、通過する自動車の総数を抑制するのが目的なのです。
鶯の滝。鶯の滝は、世界遺産・春日山原始林の山中にある滝で、佐保川の源流となっています。江戸時代から名所として知られており、水の落ちる音がウグイスの鳴く音に似ているということからこの名がついたそうです。
鶯の滝を見た後は、再び山を登り、春日奥山道路に出て、若草山方面に進むと 花山 地蔵の背 です。この石仏たちの詳しい由来は不詳です。花山と云うのは、春日山の別名で、春日山原始林の最高峰(496m)の山です。御蓋山(みかさやま、三笠山とも記す)は春日前山、花山は春日奥山とも呼ばれ、一般的に「春日山」と云えば、この2つの山を指します。また、広義的には、御蓋山と花山の他にも芳山を含めて春日山と呼ぶこともあります。御蓋山と花山は春日大社のご神体であり禁足地となっていて入山(登山)することは出来ませんが、芳山は登山可能です(山の位置等については最後の地図をご覧ください)。
鎌研(かまとぎ)交番所。新若草山ドライブウェイと春日奥山道路との境界検問所です。この先に若草山の駐車場があり、山頂までは5分ほどです。
若草山山頂から西方の生駒山を望みます。手前は山頂で遊ぶ 雄鹿 です。角切りにも遭わず、まだ角が残っていますが、鹿の角は毎年生え変わりますので、春先には自然と角が落ちるでしょう。
若草山山頂から南方を眺望。手前の山が禁足地の 御蓋山(みかさやま)。遥か後方には金剛・葛城も良く見えていたのですが、写真では全く分かりません。
頂上からは春日山遊歩道を一気に下り、下山した遊歩道北入口で再点呼後、15時15分自由解散となりました。本日のウォークGPS軌跡:JR奈良駅→興福寺五重塔(集合)→春日大社→滝坂の道→地獄谷石窟仏→石切峠→鶯の滝→若草山→春日遊歩道→遊歩道北入口(解散)→奈良県庁→JR奈良駅まで、19.8km でした(地図をクリックしますと拡大します)。
*石切峠から峠茶屋を経て、芳山(ほやま)へ登った時の山行記は → こちら。
コメント
コメント一覧 (8)
それにしても参加者の皆さん健脚ですね。やはり歩くのだけが目的と
いう方が多いんでしょうか。
行く先々に歴史あり・・さすが奈良ですね。
コメント有難うございます。
石畳は、平らだと滑りやすく、凸凹だとつまづきやすく、どちらも注意が必要ですね。やはり土の道が安心です。
歩くのが目的の人が大半です、小生のように植物や石仏に出会うたびに立ち止まる人はごく僅かです。
コメント有難うございます。
普通の土の道の山歩きならいいのですが、岩場や石畳などは、滑ったり、けつまづいたりするのが怖くて、慎重になってしまいます。
春日山一帯は、藤原氏の寺社(春日大社と興福寺の)領地でしたので、山にも幾つかの史跡等が残っていて自然だけでなく歴史も感じられます。
コメント有難うございます。
ご指摘のように、春日山のルーミスシジミは絶滅しました。今でもグーグルやYahooの地図の奈良春日山にはルーミスシジミ生息地と記載されています。多分、これらは国土地理院の地図を原図としていて、国土地理院の地図には今もルーミスシジミ生息地と記されているためと思われます。国の天然記念物として手厚く保護された春日山のルーミスが絶滅した要因は、当時、台風の後に原始林を守るために薬剤空中散布をしたためではないか、とも云われていますが必ずしも確定的ではありません。ただ、今でも春日山にはルーミスの生存に必要なイチイガシも沢山生えており、何よりも特別天然記念物の原始林なので生物等の捕獲も禁止されていますから、もし他の生息地の個体を持ち込めば、復活・繁殖する可能性は大だと思います。行政も少し積極的に検討・対応してくれたらと思いますね。
コメント有難うございます。
春日山一帯は高い山でもありませんので、山歩きと云うよりハイキングに近いのですが、歴史遺跡や貴重な自然環境が残されていますので、気持ちよく楽しめました。