GWの某日、人混みと渋滞のない場所へ車を走らせ、のんびりと散策してきました。そこで出会った花たちです。
haru_rindou01
ハルリンドウ(春竜胆)。リンドウ科リンドウ属の二年草。北海道を除く全国の日当たりの良い、やや湿った草原や湿地に生えます。花冠は5裂しますが、裂片の間に副花冠(副辺)があるので、10裂しているように見えます。
haru_rindou02
今日は晴天だったので、草原のあちこちでハルリンドウが咲いていました。朝、日光を受けると開花し、夕方には閉じます。
haru_rindou03
ハルリンドウは大きめの根生葉を持つことが、よく似たフデリンドウとの識別方法であると図鑑等には記されていますが、根生葉自体を見つけることが仲々難しいです。もっと簡単な見分け方は、ハルリンドウは根元から数本の花茎を伸ばし、茎の先端に1つだけ花を咲かせます。フデリンドウは1本の花茎に沢山の花を咲かせます。
haru_rindou06
ハルリンドウの近畿地方のRDB状況‥大阪府:既に絶滅、京都府:絶滅危惧Ⅰ類。
haru_rindou04m
ハルリンドウは、両性花で「雄性先熟」です。手前の花はオシベが花冠の内側に倒れてメシベが中央に出ている「雌性期の花」で、左隣の花は中央にオシベがかたまっている(メシベは見えない)「雄性期の花」です。
haru_rindou05
今年も沢山の可愛いハルリンドウと出会うことが出来ました。
haru_rindou07
肥大化した ハルリンドウの奇形花 を見つけました。花の大きさは普通の花の3-4個分以上はありました。
haru_rindou08
側面から見ると、花茎も通常の4倍以上の太さです。よく分かりませんが、遺伝子系統の異常でしょうね。
tukubane_utugi
ツクバネウツギ(衝羽根空木)。スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉樹。北海道を除く全国の山地に自生します。花の基部に付く5枚の萼片が「追い羽根」に似ているのが名前の由来です。
uri_kaede
ウリカエデ(瓜楓)の果実。果実は翼果で片翼の長さは2-3cmほど、両翼は水平に開き、赤みを帯びています。よく似たウリハダカエデの果実は両翼が鋭角に開きます。
hebi_noborazu01
ヘビノボラズ(蛇上らず)。メギ科メギ属の落葉低木。本州の中部地方から近畿地方にかけてと、九州の一部(宮崎県)の湿地近くに自生します。花期は5-6月、短枝の先から総状花序の黄色い花を垂れ下げます。
hebi_noborazu02
枝に鋭いトゲがあることが名前の由来ですが、名前のイメージとは異なり、大変可愛い花(黄色)と実(赤色)を付けます。近畿地区のRDB状況‥奈良県:絶滅危惧Ⅰ類、京都府:絶滅危惧Ⅱ類。
narame_ringofusi
久しぶりに出会った虫こぶ、ナラメリンゴフシ(楢芽林檎五倍子)です。5-6月頃に山を歩きますと、コナラの枝先にリンゴの実のようなものが付いているのを見かけます。ナラメリンゴタマバチと云う小さな蜂の虫嬰(ちゅうえい=虫こぶ)です。