前回の山で見た今年のササユリの開花の早さに驚きました。これがあの場所だけの部分的な現象だったのかどうか確認するため、例年通りの開花時期に合わせて、別の場所へ2回目のササユリ山行に行ってきました。
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結論から言いますと、やはり 今年の開花は、どこでも例年になく早かったようでした。山に入っても仲々花と出会いません。やっと、花びらが萎(しお)れて垂れ下がっているササユリを1つ見つけました。周囲を丹念に調べますと、もう花は無くなって緑色の子房だけとなっているのを幾つも目にしました。花が無いと、ここにササユリが咲いていたとは思えません。ただ、人目に付かない茂みの中には、まだ花が残っているかもと、淡い期待を抱いて山中を2時間ほど探し回ったところ、幾つかのポイントで咲き残っていたササユリと出会うことが出来ました。写真のような五人娘のササユリもありました。
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花期も終盤で、萎(しお)れかけて花びらも傷んでいるものが多いです。なんとか観賞に耐える花を探します。
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1つでもキレイに咲いている花を見つけると、近くまで行って確認です。
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深い笹藪に分け入って、進んだ先で見つけた四人姉妹のササユリ。
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花が少ないので、同じササユリを正面からも、横からもと色々角度を変えて撮ってみました。
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初々しいササユリです。恐らく今朝咲いたものでしょう。
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2時間ほど探し回って出会ったのは僅か10数株だけ。その中で唯一の蕾がありました。この蕾が明日にも開いて、今年のササユリの有終の美を飾ってくれることでしょう。というわけで、今年のササユリ山行はこれで終了です。年々低下する体力に、来年は来れるかなぁと思いつつ山をおりました。
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ササユリが少なくて淋しいので、出会った山野草を2つほど付加しました。この時期には欠かせない ヤマアジサイ(山紫陽花)です。半日陰で湿り気のある谷間や沢沿いに生育しています。サワアジサイ(沢紫陽花)の別名もあり、山では群生しています。
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山で見るヤマアジサイやコアジサイはいいですね。これらに共通しているのは、中央で密集している小さな両性化の「えも言われぬ」繊細な美しさで、じっと見つめていますと小さな宝石が輝いているようです。
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ツルアリドオシ(蔓蟻通し)。アカネ科ツルアリドオシ属のツル性常緑多年草。ツルの長さは10cmから長いものは1m程になりますが、地表を這うか矩面などから垂れ下がるだけで、ツルが上へ伸び上がることはありません。
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花期は6-7月で、花は必ず2個一緒に付き、それぞれの花の基部にある子房は互いに合着しています。花冠は白色で漏斗状になって長さ10mmほど、先端は4裂し、裂片は大きく開いています。裂片の内側には毛がはえています。小さいけれど仲々ユニークで可愛い花です。