★率川神社「ゆり祭り」 6/16
毎年恒例の率川(いさがわ)神社「ゆり祭り」の ササユリ奉納行列 が行われましたので、見物に行きました。
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ゆり祭りの本祭り(三枝祭)は明日(6/17)なのですが、今日は率川神社の本社に当たる桜井市の大神(おおみわ)神社で育てられた、神事に用いられるササユリが、率川神社に届けられる日です。ササユリ好きの私は、本祭りよりもこのササユリ行列を見物することが殆どです。朝10時頃に率川神社に立寄ったら、境内は掃き清められ神事の準備が行われて、表通りには沢山の奉納提灯がぶら下がっていました。
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奉納されるササユリは、大神神社の人たちの手で電車に乗せられ、11時過ぎにJR奈良駅に到着する予定ですので、奈良の町をしばらく散策しながら、11時ごろにJR奈良駅に行きました。駅前東口広場には関係者の人たちと共に、ササユリを乗せる御車が置かれていました。
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そろそろ到着の時間ですので、奈良駅の改札口まで見に行きます。(左上)改札口の前で待っている関係者や一般客。(右上)ササユリ奉納団の先頭の人たちが特別改札口より出て来ました。(左下)そのあとを旗を持った大神神社豊年講の人たちが続きます。(右下)本日の主役、ササユリを乗せた駕籠も姿を見せました。
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駅前広場では、ササユリ音頭を踊られる人たちが待ち受けておられます。
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ササユリを駕籠から御車に乗せかえると、御車を中心に輪になって‥
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大勢の観客の中で「ササユリ音頭」に合わせて踊られます。
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駅前広場での踊りが終わりますと、行列です。奈良駅から三条通へと移動し‥
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三条通で整列しなおして、いよいよササユリ行列のスタートです。私たちも一緒について歩きます。
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踊りながら行進する人たち。
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踊り子さんたちの間に囲まれて、ササユリ御車が引かれていきます。
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大神神社で大切に育てられて、神事に用いられる沢山のササユリを入れた花篭。
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ササユリ行列は、このあと近鉄奈良駅に立ち寄り、各商店街などを廻ったあと、率川神社に入る予定なので、私たちは三条通の途中で別れて、その間に昼食をとることにしました。
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昼食を終えて、12時半に率川神社に駆けつけたら、ササユリ行列も到着していて、これから奉納神事が始まるところでした。
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雅楽が奏でられ、神官や巫女さんたちが入場です。
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神官の祝詞が長々と奉じられます。巫女さんも礼儀正しく神事を見守っておられます。
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神官たちの祝詞奉納が終わり、巫女さんによる「浦安の舞」が奉じられました。
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そのあと、拝殿内でササユリ音頭が奉じられました。
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すべての神事が終わり、神官や巫女さんたちが退場されます。拝殿横に置かれていたお神酒です。私の本日のお目当ては、ササユリの花と、巫女さんの舞と、このお神酒でした。
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一般参拝客の人たちに巫女さんからお神酒が振る舞われます。私も行列に並んでお神酒をいただきました。ちなみに、お神酒は一気に飲まず、3回に分けて飲むのが礼儀だそうです。
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拝殿内の柱と云う柱には、奉納されたササユリが綺麗に飾られていました。
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すべての神事が終わった本殿前に、奉納されたササユリの花篭です。
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率川神社の御祭神は、媛蹈韛五十鈴姫命(ひめたたら いすずひめのみこと)です。写真は率川神社のホームページからお借りした「三輪明神縁起絵巻・神武天皇と五十鈴姫」で、カムヤマト(のちの神武天皇)にササユリを捧げるイスキヨリヒメ(五十鈴姫の別名)です(写真をクリックしますと拡大します)。九州から東征してきたカムヤマトは、大和の狭井川周辺に住む七乙女のうちの一人、イスキヨリヒメに心を寄せ、やがて妻として娶り、カムヤマトは初代・神武天皇として即位します。つまり、率川神社の御祭神は初代神武天皇の皇后様で、全国の神社の中でも珍しい皇后様を主祭神とした神社なのです。ササユリは二人の仲を取り持った愛の花だったのです。
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帰宅後に嬉しいことがありました。ササユリ音頭を踊られた人たちの中に、家内が懇意にしている人が何人かおられました。神社からそれら関係者に配られたお神酒ですが「私はお酒が飲めないので」と我が家にいただきました。ゆり祭りの御神酒には「撤酒(てつしゅ)=神前にお供えしたお酒の意」の表示がありました。つまり、神様からのお下がりのお酒です。率川神社は大神神社の摂社なので、御神酒の製造元は大神神社のある桜井市の今西酒造。ラベルはブルー地に綺麗なユリの絵で、日本画家・三輪晃久さんの作品です。お酒の原料は米と米麹だけ、アルコール度・15度の「その他の醸造酒」に分類される、白いドブロク風のお酒で、とても美味しかったです(御神酒なので一般販売はされていない、貴重なお酒でした)。