金剛山で出会った花の記録が先になってしまいましたが、遅ればせながら登山の記録です。金剛山は登山ルートだけでも30ほどあって、難易度も低いものから高いものまで、レベルに応じて実に様々な登山が楽しめます。但し、ここ10年ほどの間に、台風や豪雨のためにメインルート以外のコースは、大荒れになっていて、ガレ場や沢歩きには、ある程度の体力と注意が必要となっています。今回は、往路は寺谷、復路は細尾谷と、登り下りともに沢沿いルートをとったため、予想以上の倒木や土砂崩れ、沢水の増水などで苦戦を強いられ、時間を要する登山となってしまいました。
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登山口に到着するまで途中での寄り道が多くて、ようやく11時20分に林道・伏見峠線入口から登山スタートです。
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渓流に沿って、しばらくは林道・伏見峠線を歩きます。
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林道を15分ほど歩くと最初の水場があり、その先から「寺谷」ルートに入りますが、標識などはありません。細い坂道を登っていきますと、やがて渓流沿いとなり、渓流に沿って上がっていきます。
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所々に木の階段やロープがあり、滝のそばには簡易木道などが架けられています。クサアジサイ、モミジガサ、イワタバコ、トチバニンジンなどが次々に姿を見せてくれます。
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約1時間ほど渓流の左側を歩いたり右側に移動したりしながら登って行くと、やや広い道になってきます。
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スタートから2時間、13時20分に寺谷ルート最後の水場に到着。山頂で昼食と思っていたのですが、思った以上に時間を費やし、休息を兼ねてここで昼食としました。
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昼食を終え、水場から左の急斜面に取り付きます。すぐに上方に尾根筋が見えてきました。寺谷ルート最後の急登です。
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尾根筋の「文殊尾根ルート」に合流して山頂へ向います。葛城家歴代御廟所の手前まで来ますと、「大変お疲れ様」の標識が迎えてくれます。
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金剛山頂上にある金剛山転法輪寺は、修験道の始祖・役小角が開いたお寺と云われていますが、明治の廃仏稀釈で一旦廃寺となり、その後昭和になって再興されました。山岳修験道の聖地で、葛城修験道の根本道場です。
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13時55分、山頂広場(国見城跡)に到達。14時丁度の「金剛山ライブカメラ」に収まり、記念写真としました(帰宅後、金剛山ライブカメラから画像をダウンロード)。山頂の気温は25.0℃でした。このあと山頂の休息ベンチで涼みながら、約1時間ほど次の夏山登山の打合せをしました。
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15時過ぎ、下山開始。下りは「細尾谷」ルートをとりました。
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ガレ場に流れる水流の上を、滑らぬように歩きます。
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細尾谷ルートは別名「シルバーコース」とも呼ばれています。金剛山の登山ルートの中でも比較的
緩やかな傾斜のため、多分シルバー世代でも安全に歩けると云う意味だったようですが、それは10年以上昔の話で、今や倒木とゴロゴロとした岩の間を水流が流れる危険ルートに変わっています。
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右へ行ったり左へ行ったりの渡渉を繰り返します。この辺りは狭くて、流れの真ん中を歩きます。
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沢を下ってきた後方を振り返ります。この谷間のどこをどう歩いてきたのでしょう。
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大きな岩石を回り込むように急斜度を下りますと、ようやく林道・伏見峠線が見えてきました。16時30分、林道と細尾谷ルートの分岐点に到着。林道を20分ほど下って、16時50分、スタート地点へと戻って来ました。本日の歩程は 9.3km、頂上での1時間の休憩を含めて所要 5時間30分 でした。
★トチバニンジン2種
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金剛山で出会った植物の追加(書き忘れ)です。トチバニンジン(栃葉人参)の実。ウコギ科トチバニンジン属の多年草。日本原産で全国の山地の林内に自生します。花期は6-8月ですが、殆ど花は終わっていました。若い果実は先端に2個の花柱が残っています。
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近郊の山では時たま出会うことがありますが、金剛山では往路・復路共によく出会いました。
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ソウシシヨウトチバニンジン(相思子様栃葉人参)の実。ウコギ科トチバニンジン属の多年草。単にソウシシヨウニンジン(相思子葉人参)とも呼ばれます。トチバニンジンとの違いは、標高1000m前後を境にして、それより低い所にはトチバニンジンが、それより高い所にはソウシシヨウトチバニンジンが自生します。またトチバニンジンの実は赤一色ですが、ソウシシヨウトチバニンジンの実は 赤色に黒い斑点 が入るのが特徴です。