★木津川 山の会11月例会「笹間ヶ岳」 11/11
 琵琶湖から流れ出る瀬田川の東部に、田上(たなかみ)山地と呼ばれる一帯の山々があります。古代には豊かな緑に覆われた山々でしたが、飛鳥時代から奈良時代の仏教伝来をきっかけに、大寺院建設のための建築資材として樹木が次々に伐採され、江戸時代の頃には全く草木が失われ、山肌が露出した禿山となってしまいました。全国でも有数の禿山となった田上山地は、明治時代以降、近年まで植林などの治山事業を繰り返し行った結果、大部分は緑に覆われた山容にまで回復しましたが、各所に地肌が露わとなっている場所が残っています。長年にわたって風化浸食を受けた姿は、日本アルプスの風景を連想させる所から「湖南アルプス」と呼ばれています。今月の例回は、湖南アルプスの山の1つ、笹間ヶ岳(ささまがたけ)登山です。
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JR東海道線・石山駅からバスに乗り換え、終点「アルプス登山口」で下車。出欠点呼のあと10時スタートです。
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湖南アルプスを二分するように流れる天神川沿いの林道を進み、山に入って行きます。
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30分ほど歩きますと富川道への分岐ポイントです。林道を真っ直ぐ進みますと太神山(たなかみやま)方面ですが、私達は笹間ヶ岳へのルートとなる富川道へ入って行きます。
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しばらくは笹薮道を進みますが、やがて山道脇の植物はシダに変わり、荒々しい岩場となってきます。御仏河原 と呼ばれる場所で、水が流れる岩場で小休止としました。
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山の斜面には湖南アルプス特有の大岩が見られ、足場も大きな岩が転がっていて、滑らぬように上って行きます。
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小さな沢を遡っていきます。所々に水溜りのような小池があったり、大きな池も現われました。
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11時30分、スタートして1時間半ほどで 大谷河原 と呼ばれる、小さな川が流れる平坦な広場に到着です。ここで昼食タイムとなりました。今日は願ってもない晴天となり、山登りには暑くて、木陰を探しての昼食です。
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12時再出発。山頂までは、まだ幾つかのピークが待ち構えています。登ったり下ったり、林道を横切ったり‥
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尾根筋の岩場の急坂では、先行者が安全に下りるまで順番待ちになったりしながら‥
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幾つかのアップダウンを繰り返したあと、13時丁度、笹間ヶ岳頂上 に到達です。頂上には八畳岩と呼ばれる大岩があります。岩から少し手前の平坦地に 3等三角点(点名:権現山、標高432.94m)がありましたが、写真に撮るのを忘れてしまいました。八畳岩は高さ3m強ほどあり、鎖または梯子を利用して大岩の上に登ります。
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八畳岩の上からは琵琶湖方面がよく見えます。大岩の上にも山頂標識がいろいろ取り付けられていました。
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八畳岩から北西方面を展望。滋賀県と京都府との県境となる音羽山系、比叡山、比良山系などが望めました。
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頂上での展望を楽しんだあと、13時10分下山開始です。磐座である「八畳岩」の真下には、地元の人が「権現さん」と呼ぶ 雨乞いの神様・ 白山権現の祠 がありました。
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湖南アルプスは花崗岩の山ですから岩場や風化したザレ場が多く、滑り易く、特に下りは慎重を要します。
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急坂では、設けられたロープを頼りに下山します。
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下山途中に見た南西方面。山の合い間を縫って流れる瀬田川は、京都の宇治から宇治川と名前を変え、やがて鴨川や桂川と合流して淀川となり、大阪湾へと向かいます。
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14時10分、図越池(用水池)に下りて来ました。新茂智神社を過ぎ、ゴールの上関バス停に14時25分到着です。
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笹間ヶ岳の頂上からは随分遠くに見えた 千頭岳(せんずだけ)ですが、ゴールの上関バス停からは、すぐ目の前に見えていました。
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バス待ちしているメンバーの後方には、先ほど登ってきた笹間ヶ岳の頂きが顔を覗かせていました。
湖南アルプスは低山ながら変化に富んだ山で、歩き応えもあり、四季を通じて山歩きが楽しめますので、私も若い頃からキャンプや登山によく来ました。14時40分発のバスで石山駅に戻り、JRに乗り換えて帰途につきました。本日の歩程は 7.6km 、所要 4時間30分(休憩含む)でした。