大阪の山友達であるHさんから「久しぶりに山へ行きませんか。一時は姿を消した ムサシアブミも復活して元気な姿が見られます」と連絡があり、野生のムサシアブミをまだ見たことがなかった私は二つ返事でOKし、待ち合わせて某山地へ行きました。今回は、その山歩きで出会った春の山野草たちです。
ムサシアブミ(武蔵鐙)。サトイモ科テンナンショウ属の多年草。関東以西の山地に生えます。花期は3-5月で、地面から立ち上がる第1の葉柄の途中から2番目の葉柄が分岐し、葉柄と葉柄の間から花柄が出てきます。
ムサシアブミ(武蔵鐙)。サトイモ科テンナンショウ属の多年草。関東以西の山地に生えます。花期は3-5月で、地面から立ち上がる第1の葉柄の途中から2番目の葉柄が分岐し、葉柄と葉柄の間から花柄が出てきます。
2個の長い葉柄の間から花柄を立ち上げ、ボクシングのグローブのような仏炎苞を付けます。舷部(仏炎苞の蓋の部分)は袋状に内側に巻き込み、口辺部(仏炎苞の上部の脇)は張り出して耳のようになっています。この形が馬具の鐙(あぶみ)に似ていることから「武蔵鐙」と呼ばれるようになりましたが、特に武蔵の国(関東)に多いと云うことではなくて、武蔵の国で作られた鐙が良質で有名であったことに因(ちな)んでいるとのことです。
3出複葉(3個の小葉からなる葉)の葉は2個で、やや光沢があり大きいです。サトイモの葉ほど大きくはありませんが、テンナンショウ属の中では際立って大きい葉です。
3出複葉(3個の小葉からなる葉)の葉は2個で、やや光沢があり大きいです。サトイモの葉ほど大きくはありませんが、テンナンショウ属の中では際立って大きい葉です。
ここでは4株のムサシアブミが見られました。3株がかたまり、1株が少し離れた所で花を咲かせていました。
ムサシアブミの近畿地方でのRDB状況は‥京都府・兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類 となっています。
ちなみに、こちらは我が家の ムサシアブミ です。これに比べますと、今回、山で見たムサシアブミは、思った以上と云うか、はるかに巨大だったことにビックリしました。
あと、テンナンショウ属では、ウラシマソウ(浦島草)や‥
ユキモチソウ(雪餅草)も見ることが出来ました。Hさんの話では、ユキモチソウの生息地が昨秋の台風による倒木で下敷きとなり、更に土砂崩れで埋まってしまったそうです。写真のユキモチソウは山の某所で管理保護されているものです。
チゴユリ(稚児百合)。イヌサフラン科チゴユリ属の多年草。全国の落葉樹林下に生えます。
花期は4-6月で、茎の先端に1cmほどの白い花を一つだけ付けます。
ナルコユリ(鳴子百合)。キジカクシ科ナルコユリ属の多年草。本州以南の山林等に生えます。まだ開花には時期尚早で、僅かに蕾が開きはじめていたのはこの1株だけでした。
山麓の人家近くで見た アミガサユリ(編笠百合)です。ユリ科バイモ属の半ツル性多年草。原産地は中国で、殆んどが観賞用として栽培されています。
アミガサユリの花弁の内側です。花被片は6枚で、外側は淡黄緑色、内側には赤紫色の網目状斑紋があります。そのため編笠百合の名前で呼ばれます。和名は バイモ(貝母)です。
フタリシズカ(二人静)。センリョウ科チャラン属の多年草。全国の山林に生えます。前回取り上げたヒトリシズカに対し、花穂が2本(時に3-4本)付くのが和名の由来です。
葉は淡い緑色ですがヒトリシズカのような光沢はなく、花もヒトリシズカのような糸状にはならず、豆粒状です(3個のオシベが丸くなって子房を抱いています)。
イチヤクソウ(一薬草)。ツツジ科イチヤクソウ属の常緑多年草。全国の低山の林中に生えます。花が見られるかなと、ひそかに期待したのですが、ようやく花茎を立ち上げたばかりで固い蕾が見られただけでした。
久しぶりのHさんとの山歩きは、念願の野生のムサシアブミが見られるなど充実した一日となりました。
本日の歩程は 11.5km 所要時間4時間50分(休憩を含む)でした。
ムサシアブミの近畿地方でのRDB状況は‥京都府・兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類 となっています。
ちなみに、こちらは我が家の ムサシアブミ です。これに比べますと、今回、山で見たムサシアブミは、思った以上と云うか、はるかに巨大だったことにビックリしました。
あと、テンナンショウ属では、ウラシマソウ(浦島草)や‥
ユキモチソウ(雪餅草)も見ることが出来ました。Hさんの話では、ユキモチソウの生息地が昨秋の台風による倒木で下敷きとなり、更に土砂崩れで埋まってしまったそうです。写真のユキモチソウは山の某所で管理保護されているものです。
チゴユリ(稚児百合)。イヌサフラン科チゴユリ属の多年草。全国の落葉樹林下に生えます。
花期は4-6月で、茎の先端に1cmほどの白い花を一つだけ付けます。
ナルコユリ(鳴子百合)。キジカクシ科ナルコユリ属の多年草。本州以南の山林等に生えます。まだ開花には時期尚早で、僅かに蕾が開きはじめていたのはこの1株だけでした。
山麓の人家近くで見た アミガサユリ(編笠百合)です。ユリ科バイモ属の半ツル性多年草。原産地は中国で、殆んどが観賞用として栽培されています。
アミガサユリの花弁の内側です。花被片は6枚で、外側は淡黄緑色、内側には赤紫色の網目状斑紋があります。そのため編笠百合の名前で呼ばれます。和名は バイモ(貝母)です。
フタリシズカ(二人静)。センリョウ科チャラン属の多年草。全国の山林に生えます。前回取り上げたヒトリシズカに対し、花穂が2本(時に3-4本)付くのが和名の由来です。
葉は淡い緑色ですがヒトリシズカのような光沢はなく、花もヒトリシズカのような糸状にはならず、豆粒状です(3個のオシベが丸くなって子房を抱いています)。
イチヤクソウ(一薬草)。ツツジ科イチヤクソウ属の常緑多年草。全国の低山の林中に生えます。花が見られるかなと、ひそかに期待したのですが、ようやく花茎を立ち上げたばかりで固い蕾が見られただけでした。
久しぶりのHさんとの山歩きは、念願の野生のムサシアブミが見られるなど充実した一日となりました。
本日の歩程は 11.5km 所要時間4時間50分(休憩を含む)でした。
コメント
コメント一覧 (6)
珍しい花を見せて頂きました。
名前は知っていても見た事がない、植物がほとんどです。
チゴユリだけはMFでも見られましたが、今年はどうなのか見に行くことすらできません(-_-;)
コメント有難うございます。
テンナンショウ属の花は、一般的ではありませんので、珍しく思われるかもしれませんね。でも不思議な魅力を持っていることもあって、一部の山野草好きな人にとっては憧れの花でもあります。私もその一人で、鉢植えで楽しんでいます。
コメント有難うございます。
テンナンショウ属の花は、殆ど薄暗い湿ったような山中に生えていますので、名前はご存知でも、実物を目にすることは少ないと思います。仲々個性的な植物なので観賞用にはもってこいですよ。チゴユリは連休前には殆ど咲いてなかったのですが、連休中に一気に開花しました。
コメント有難うございます。
野生のムサシアブミを見たいと云う永年の夢が叶いました。やはり自然のもとで見る山野草の美しさ・逞しさはいいですね。イチヤクソウはそちらでも蕾でしたか。蕾になってからでも咲くまで結構時間もかかるようです。