近くを散策した時に出会った、路傍や河川敷の野草たちです。
yaseutubo01
ヤセウツボ(痩靫)。ハマウツボ科ハマウツボ属の一年草で、寄生植物の一種です。国立環境研究所の侵入生物データベースによりますと、原産地は地中海沿岸で、日本では1937年(太平洋戦争前)に千葉県で初めて確認され、現在では本州ならびに四国の全土で生息が確認されています。マメ科・セリ科・キク科などの在来種や牧草へ寄生し、生長を抑制するので、外来生物法で要注意外来生物に指定されています。
yaseutubo02
葉緑素を持たないため、全体に褐色です。背丈は15-50cmほどに成長します。4-6月頃に12mm程度の大きさの唇形花を咲かせます。花の色は黄色の他、赤褐色・黄褐色・紫色などのものもあります。
yaseutubo03
ヤセウツボの群生。ここでは白ツメクサや紫ツメクサ等のマメ科の植物に寄生していました。後方の黄色い花は‥
seiyou_hikiyomogi01
セイヨウヒキヨモギ(西洋引蓬)です。ハマウツボ科セイヨウヒキヨモギ属の一年草で、半寄生植物(=寄生植物ですが、葉緑素を持ち、自分でも光合成を行う植物)です。原産地は地中海沿岸で、1973年に千葉県で最初に確認された比較的新しい帰化植物です。今では関東以西の各地まで分布しているようです。
seiyou_hikiyomogi02
花期は5-6月で、茎の上部の葉腋に長さ2.5cmほどの黄色の唇形の花を1つずつ付けます。上唇はドーム状で、下唇は大きく張り出し3裂しています。
seiyou_hikiyomogi03
ところで、このセイヨウヒキヨモギは何に寄生しているのかは、どこを調べても書かれておらず、ようやく1つだけNETで情報を見つけました。「宿主はヨモギやコメツブツメクサではないか」と云うようなことが書かれていました。この写真でも、周囲にヨモギが生えていますので、私もそうではないかと思います。
suzusirosou01
スズシロソウ(蘿蔔草)。アブラナ科 ヤマハタザオ属の多年草。近畿地方以西の本州、四国、九州の山地の谷筋などの急傾斜地や崖などに生えます。花期は3-5月で、総状花序を出し、4弁の白い花を咲かせます。4弁の花は、十字花ではなく、H型またはX型の独特の形状です。
suzusirosou02
根元から匍匐枝を出し、平地では横へ広がり、傾斜地では下へ垂れ下がります。ダイコン(=スズシロ)の花に似ているのが名前の由来です。
karasu_bisyaku_01
カラスビシャク(烏柄杓)。サトイモ科ハンゲ属の多年草。全国に分布しています。開花期は初夏。付属体の先端が細長く伸びて、テンナンショウ属のウラシマソウを小さくしたような花姿です。
matuba_unran01
マツバウンラン(松葉海蘭)。ゴマノハグサ科マツバウンラン属の越年草。北米原産の帰化種で1941年に京都市で初めて確認され、現在では北関東以西の日当たりの良い場所に分布しています。茎先に総状花序を出し、唇形をした青紫色の小さな花をつけます。下唇の中央部は白く膨らんでいます。
kakidoosi01
カキドオシ(垣通し)。シソ科カキドオシ属のツル性多年草。全国の里や道端などに生えます。花期は4-5月で、葉腋に長さ1.5-2.5cmの淡紫色の唇形花を1-3個ずつ付けます。中央裂片は大きく前に突き出し、濃紫色の斑紋と白い毛が目立ちます。
kakidoosi02
開花すると地表に倒れてツルとなり、長い走出茎は伸びて地面を這い、垣根を通り抜けるほど伸長することから当初は「垣根通し」と呼ばれましたが、後に「垣通し」となりました。
murasaki_sagigoke01a
ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)。ハエドクソウ科サギゴケ属の多年草。本州・四国・九州の畦道など湿った日当たりの良い場所に生えます。
momoiro_sagigoke01
モモイロサギゴケ(桃色鷺苔)。ムラサキサギゴケの色違い変種です。花色以外はムラサキサギゴケと同じです。
momoiro_sagigoke02
ムラサキサギゴケと比べますと、明るい感じがして、なかなか可愛いです。
勝手ながら次回投稿日は 5/15(水)の予定です。コメント返信など遅れますがご了承ください。