赤坂山から寒風へと登山に出かけた際に出会った山野草たち、その2です。
キンラン(金蘭)。ラン科キンラン属の多年草。全国の山や丘陵の林の中に生える地上性のランです。花期は4-6月で、高さ30-70cmの茎の先端に、直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色(金色)の花を総状に付けます(名前の由来です)。花は全開せず、半開き状態のままです。花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起があります。
キンラン(金蘭)。ラン科キンラン属の多年草。全国の山や丘陵の林の中に生える地上性のランです。花期は4-6月で、高さ30-70cmの茎の先端に、直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色(金色)の花を総状に付けます(名前の由来です)。花は全開せず、半開き状態のままです。花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起があります。
キンランの人工栽培は極めて難しいことが知られています。その理由は、キンランが養分を依存している菌は、落ち葉や倒木などの腐生菌ではなくて、樹木の根に外菌根を形成するイボタケ科、ベニタケ科(担子菌門)などの菌種であるためです。このような性質から、キンラン属は菌類との共生関係が乱された場合、ただちに枯死することは無いが長期的に生育することは困難になる。そのため、自生地からキンランのみを掘って移植しても5年程度で枯死してしまう(以上 Wikipedia より)。
キンランやギンランと出会っても絶対に採掘しないよう厳守したいものです。
キンランに訪花していた虫。初めて見ましたが、名前は分かりません。
かつては、どこででも普通に見られた日本のランでしたが、1990年代頃から(盗掘等により)急激に減少し、1997年に国(環境省)のレッドリストで、絶滅危惧Ⅱ類 (VU)に指定 されました。全国45都府県でRDBに登録されており、近畿地方のRDB状況は‥京都府・大阪府・奈良県・和歌山県:絶滅危惧Ⅱ類、兵庫県・滋賀県:準絶滅危惧種 となっています。
エンレイソウ(延齢草)。ユリ科エンレイソウ属の多年草。全国の低地や山林のやや湿った場所に生えます。太く短い根茎から、高さ20-50cmの茎が一本伸び、その先端に3枚の葉を輪生します。その3枚の葉の中心から短い花柄が伸び、小さな花を付けます。花は花弁を持たず3枚の緑色または濃紫色の萼片を持ち、横向きに咲きます。近畿地方のRDB状況‥和歌山県:絶滅危惧Ⅰ類、奈良県:準絶滅危惧種。
ニシキゴロモ(錦衣)。シソ科キランソウ属の多年草。全国の主として日本海側に生息します。葉の表面にはまばらに毛があり、ふつう葉脈に沿って赤紫色になり、裏面は紫色を帯びています。和名の錦衣は、葉が美しいことから名付けられました。別名は キンモンソウ(金紋草)と呼ばれます。
花期は4-6月。花は小型の唇形で、上部の葉腋に2-6個ずつつき、淡紅白色、地域によっては紫色があり、紫色の脈があります。ちなみに、本種の変種が ツクバキンモンソウ(筑波金紋草)で、主として太平洋側に分布し、花は白っぽい淡紅色、2枚の上唇が殆ど発達せずドーム状に近いです。ツクバキンモンソウについては → こちら。
トキワイカリソウ(常葉碇草)。メギ科イカリソウ属の多年草。主として本州の丘陵や山裾の雑木林など山野に生息します。よく似たイカリソウは太平洋側に分布し葉は光沢がなく冬には落葉しますが、トキワイカリソウは日本海沿岸に(特に北陸から山陰地方に多く)分布し、葉には光沢があり冬でも落葉せずに残ってるのが特徴で、トキワ(常葉)の由来でもあります。
オオイワカガミ(大岩鏡)。イワウメ科イワカガミ属の多年草で日本固有種です。イワカガミの変種で、主に本州中部の日本海側に分布します。葉が大型で直径8-12cmになり、多数のとがった鋸歯があります。また、葉は皮質で光沢があり、緑または茶色がかっています。鏡のような艶(つや)があるのが名前の由来です。
イワカガミ(岩鏡)の名前が示すように、岩が露出した尾根などに自生し、群生していることが多いので、よく目に付きます。花期は4-5月で、この時期の赤坂山一帯(中腹から頂上まで)は、一面のオオイワカガミのお花畑でした。
花弁は5つに分かれ、その先端はさらに細かく裂けています。花茎は10-15cmほどで、5-10輪の花を横向きに付けます。
花は白やピンクや濃い赤など、個体によって色合いが異なり、この時期の登山を大いに楽しませてくれました。
キンランやギンランと出会っても絶対に採掘しないよう厳守したいものです。
キンランに訪花していた虫。初めて見ましたが、名前は分かりません。
かつては、どこででも普通に見られた日本のランでしたが、1990年代頃から(盗掘等により)急激に減少し、1997年に国(環境省)のレッドリストで、絶滅危惧Ⅱ類 (VU)に指定 されました。全国45都府県でRDBに登録されており、近畿地方のRDB状況は‥京都府・大阪府・奈良県・和歌山県:絶滅危惧Ⅱ類、兵庫県・滋賀県:準絶滅危惧種 となっています。
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参考までに、こちらが ギンラン(銀蘭)です。数年前に某山で撮った写真です。キンランは3年ぶりに出会うことが出来ましたが、ギンランは2年前に出会ったあと、まだ今年は未見です。なんとかギンランにも今年は出会いたいものです。エンレイソウ(延齢草)。ユリ科エンレイソウ属の多年草。全国の低地や山林のやや湿った場所に生えます。太く短い根茎から、高さ20-50cmの茎が一本伸び、その先端に3枚の葉を輪生します。その3枚の葉の中心から短い花柄が伸び、小さな花を付けます。花は花弁を持たず3枚の緑色または濃紫色の萼片を持ち、横向きに咲きます。近畿地方のRDB状況‥和歌山県:絶滅危惧Ⅰ類、奈良県:準絶滅危惧種。
ニシキゴロモ(錦衣)。シソ科キランソウ属の多年草。全国の主として日本海側に生息します。葉の表面にはまばらに毛があり、ふつう葉脈に沿って赤紫色になり、裏面は紫色を帯びています。和名の錦衣は、葉が美しいことから名付けられました。別名は キンモンソウ(金紋草)と呼ばれます。
花期は4-6月。花は小型の唇形で、上部の葉腋に2-6個ずつつき、淡紅白色、地域によっては紫色があり、紫色の脈があります。ちなみに、本種の変種が ツクバキンモンソウ(筑波金紋草)で、主として太平洋側に分布し、花は白っぽい淡紅色、2枚の上唇が殆ど発達せずドーム状に近いです。ツクバキンモンソウについては → こちら。
トキワイカリソウ(常葉碇草)。メギ科イカリソウ属の多年草。主として本州の丘陵や山裾の雑木林など山野に生息します。よく似たイカリソウは太平洋側に分布し葉は光沢がなく冬には落葉しますが、トキワイカリソウは日本海沿岸に(特に北陸から山陰地方に多く)分布し、葉には光沢があり冬でも落葉せずに残ってるのが特徴で、トキワ(常葉)の由来でもあります。
オオイワカガミ(大岩鏡)。イワウメ科イワカガミ属の多年草で日本固有種です。イワカガミの変種で、主に本州中部の日本海側に分布します。葉が大型で直径8-12cmになり、多数のとがった鋸歯があります。また、葉は皮質で光沢があり、緑または茶色がかっています。鏡のような艶(つや)があるのが名前の由来です。
イワカガミ(岩鏡)の名前が示すように、岩が露出した尾根などに自生し、群生していることが多いので、よく目に付きます。花期は4-5月で、この時期の赤坂山一帯(中腹から頂上まで)は、一面のオオイワカガミのお花畑でした。
花弁は5つに分かれ、その先端はさらに細かく裂けています。花茎は10-15cmほどで、5-10輪の花を横向きに付けます。
花は白やピンクや濃い赤など、個体によって色合いが異なり、この時期の登山を大いに楽しませてくれました。
コメント
コメント一覧 (10)
昨年見られる場所の情報が入りましたが、時期が遅れで見られなく
残念でした。今年からリーダーが区の役員になってしまったため
連れて行ってもらえそうにないです。
コメント有難うございます。
3年ぶりに出会ったキンランでした。生駒・金剛山系でも見られるのですが、上手く花期に訪れることが出来ずにいました。菌類と共生している植物は、盗掘でもされない限り、同じ場所で見られることが多いので、出会った生息場所を忘れないことが大事です。リーダーの離任は残念ですね。
コメント有難うございます。
山野草は山歩きの楽しみですね。以前は2時間で登れた山も、今では3時間と、1.5倍かかるようになり、体力的にも段々と辛くなってきましたので、いつまで楽しめるのか??です。キンランは3年ぶりの出会いでしたので嬉しかったです。
スマホのラインのプロフィールの写真にイワカガミを入れています。
ショウジョウバカマと共に大好きな花です。
コメント有難うございます。
イワカガミは独特の花姿で可愛いですね。ここではピンクや濃赤、殆ど白色に近いものなど色々な花色が見られました。プロフィール写真にイワカガミとは、お洒落ですね。赤坂山登山ではイワウチワやヨウラクツツジなども見られるのですが、今回はちょっと違うコースを歩いたため、見ることができず残念でした。
コメント有難うございます。
この地ではキンランだけ見られました。生駒山系などでは仰るようにキンラン・ギンランが比較的近い範囲で見られるのですが近年は随分少なくなったような気がします。自然環境下なのでロープを張ったりして保護されているのですが 減少しているようです。赤坂山系ではこの時期はオオイワカガミ一色と言っていいくらいの大群生が見られます。
コメント有難うございます。
今まで各地でイワカガミ類を見てきましたが、正直オオイワカガミとの明確な線引きが出来ません。赤坂山の自然ガイドブックには、オオイワカガミとはっきりと載っていますので、これはオオイワカガミに間違いないようです。今年は各地ともに例年よりも花が早かったようで、間に合わず見られないものも多かったです。そちらも来年はグッド・タイミングでありますように。