近畿各地の山歩きで出会った樹木たちの花、その2です。
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マルバアオダモ(丸葉青梻)。モクセイ科トネリコ属の落葉樹。全国の低い山地に生えます。花期は4-5月で、今年枝の頂や葉腋に円錐花序が数個対生し、白色の4弁花を密に咲かせます。
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雌雄異株です。花弁は細長く4つに裂けていて長さは6-7mm。 雄花には、オシベが2本あり、雌花(両性花)には、メシベが1本とオシベが2本あります。これは両性花のようです。
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カナメモチ(要黐)。バラ科カナメモチ属の常緑樹。本州中部以南の暖地に生息します。花期は5月頃、枝先に半球状の集散花序を出し、小さな白色の五弁花を多数つけます。
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ベニカナメモチ(紅要黐)。カナメモチとオオカナメモチとの雑種です。新芽が非常に鮮やかな赤になることから、鑑賞価値が高く、生け垣などにもよく利用されています。別名は レッド・ロビン
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クロガネモチ(黒鉄黐)の雄花。モチノキ科モチノキ属の常緑高木。中日本以南の低山地に生えます。雌雄異株で、開花は5-6月頃です。雄花は、放射状に伸びたオシベがよく目立ちます。
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クロガネモチの雌花。雌花は中心部に大きなメシベがあり、その周辺に退化した小さなオシベがあります。花弁の数は普通6枚ですが、5枚や7枚なども混在します。
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クスノキ(樟、楠)。クスノキ科ニッケイ属の常緑樹。樹高は20m以上、高いものは40mにもなる高木です。北海道を除く全国に生えます。5月から6月にかけて、淡黄色の小さな花を沢山咲かせます。
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エノキ(榎)。ニレ科エノキ属の落葉樹。北海道を除く全国に生えます。樹高は20m以上にもなる高木で、4月頃に、葉の展開と同時に枝いっぱいに花を咲かせますので、樹木全体が明るい感じになります。
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エノキの花部分を拡大しました。花自体が小さいので詳しくは分かりませんが、新枝の下部あるいは葉腋に雄花を、新枝の上部の葉腋に両性花を付けるそうです。
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トチノキ(栃、栃の木)。ムクロジ科トチノキ属の落葉樹。全国の山地等に分布する、樹高20-30mにもなる高木です。花期は5-6月で、枝先から長さ15-25cmほどの大きな直立した円錐花序を出します。花弁は白色ないし淡黄色で4枚、基部には赤色の大きな斑紋があります。
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イヌシデ(犬四手)。カバノキ科クマシデ属の落葉樹。本州以南の山野に自生します。「四手(紙垂)」とは、玉串や注連縄に下げる紙のことで、花穂の垂れ下がる様子をこれに見立てたものです。
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花期は4-5月頃で、新芽の展開と同時に咲きます。雌雄異花で、雄花序は黄褐色で4-5cmの穂状になります。
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ヒメコウゾ(姫楮)。クワ科コウゾ属の落葉樹。本州以南の低山の林縁に生えます。樹高は2-5mほどで、茎は直立しますが、枝はややツル性となります。
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花期は4-5月、雌雄同株で、新枝の下部の葉腋に雄花序、上部の葉腋に雌花序を付けます。雄花序は長さ約1cmの柄があり、直径約1cm程の球状です。雌花序は柄は短くて直径約5mm程の球状で、長さ5mmほどの赤紫色の糸状の花柱を多数つけます。
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ヤマボウシ(山法師、山帽子)。ミズキ科ミズキ属の落葉樹。本州以南の山地に生えます。花は淡黄色で、小さくて多数が球状に集合し、その外側に花弁のよに見える大形の白い総包片が4枚あります。
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エゴノキ。エゴノキ科エゴノキ属の落葉樹。全国の山林に生えます。エゴノキの和名漢字はなく、「斉墩果」「斉墩樹」「斉墩木」の漢字を当てられることもありますが、これはオリーブの漢名だそうで、エゴノキの漢名は「野茉莉」だそうです。非常に沢山の花を咲かせますので山では大変よく目立ちます。落花の量も半端ではなく、地表が白い花びらで隠れるほどです。
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花期は5月頃で、横枝から出た小枝の先端に房状に白い花を下向きに多数つけ、芳香があります。花冠は5片に深く裂けますが、大きくは開かず、ややつぼみ加減で咲き、オシベは10本あります。
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トベラ(扉、海桐花)。トベラ科トベラ属の常緑樹。東北地方南部以南の太平洋側に生えます。雌雄別株で、花期は4-6月、本年枝の先に集散花序を出し、直径2cmほどの花を多数つけます。花色は最初は白色で次第に黄色に変わります。この花は子房が膨らんでいないので雄花(雄株)です。
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葉の縁は全縁で、しばしば裏側へ巻き込んでいます。和名の「扉」は、節分の時に、この木の枝を扉にはさんで邪気を追い払う風習があったため、「扉の木」が次第に略されて「とべら」と呼ばれるようになったそうです。