この時期に見られた樹木の花や実です。
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ヤツデ(八つ手)の花。ウコギ科ヤツデ属の常緑低木で日本固有種。学名の Fatsia japonica は、日本語の「八」(古い発音で ”ふぁち”、”ふぁつ”) または「八手 ”はっしゅ”」に由来しているそうです。関東以西の丘陵地などの森林周辺に生えます。雌雄同株で、花期は11-12月。枝先に白い放射状の丸い花序が集まった複合花序を出し、白色ないし黄色の小さな花を咲かせます。
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里山でサザンカなどと一緒に咲くヤツデ。代表的な陰樹で、午前中2時間程度しか日が当たらない日陰でも生育します。葉は光沢があり、深い切れ込みのある大きな掌状葉を付けます。葉の直径は20-40cmで「天狗の団扇(うちわ)」という別名があります。
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ヤツデの雄花。花は両性化で、雄性先熟です。写真は花弁とオシベが良く発達している雄性期のヤツデです。
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ヤツデの雌花。花弁とオシベが脱落し、5本のメシベが発達した雌性期のヤツデです。一見、雄花と雌花が別々についているように見えますが、両性花です。
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ヒイラギ(柊)の花。モクセイ科モクセイ属の常緑低木。福島県以南に生息します。花期は11-12月で、葉腋に白色の小花を密生します。雌雄異株で、雄株の花は2本のオシベが発達し、長い花糸が突出していますので、写真は雄株の雄花です。雌株の花は花柱が長く発達して結実します。
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モチツツジ(黐躑躅)の返り花。山の日当たりの良い場所では、所々でモチツツジが咲いています。
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ムラサキシキブ(紫式部)の実。果実は直径3mmほどの小さな球形で、艶やかな紫色が美しいです。
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ヤブムラサキ(薮紫)の実。果実は、ムラサキシキブの実よりは、やや大きく直径約4mmの球形で、果柄や萼に毛が密生しています。
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アオキ(青木)の実。東北以南の山地の日陰などに生える常緑低木です。学名の Aucuba Japonica(アウクバ・ジャポニカ)から推察出来ますように日本固有種で、アオキの別名の「青き葉」が学名の語源となっています。雌雄異株で、雌株に出来る果実は長さ2cmほどの楕円形です。
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クスノキ(楠木)の実。花の後に出来る緑色の実は、最終的に8-9mmほどの大きさになり、11-12月頃に黒紫色に熟します。中には種が一粒入っています。
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クスノキの実は、エゴノキの実と同じように、円筒状の 花托 と云うものがあり、 その下に球状の果実があります。私はこの帽子を被ったような実(花托が付いた実)が大好きで、とてもチャーミングで可愛く見えます。
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タラヨウ(多羅葉)の実。直径8mm程の球形は、11-12月頃に実は赤熟します。今年は余り実付きが良くないので、調べてみたら「結実するのは2-3年おきであるのが一般的」と書かれたものもありました。
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トベラ(扉)の実。花の後には直径1.5cmほどの実がなり、11-12月頃に熟して、3つに開裂し中から粘り気のある赤い種子が姿を現します。糸を引いたような種子ですが小鳥には人気があります。
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シャリンバイ(車輪梅)の実。果実は、初めは緑色で後に紅紫色になり、冬には藍黒色に熟します。
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イヌビワ(犬枇杷)の実(=果嚢)。雌雄異株で、果嚢は1-2cmほど、10-12月頃に熟します。
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センダン(栴檀)の実。果実は長さ1.5-2cmほどの楕円形で、10-12月頃に黄褐色に熟します。