山野草探しの山歩きで出会った花たち 第2報です。
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ミヤマカタバミ(深山片喰)。カタバミ科カタバミ属の多年草。東北地方以南の山地の林床に生えます。3-4月頃に白い5弁の花を咲かせます。花の直径は3-4cmで、白い花弁に淡紫色の筋があります。オシベは10個あり、そのうち5個は短いです。メシベの柱頭は5裂しますが、写真ではまだ3裂状態です。明け方に一雨あったのか、花弁は露に濡れていました。
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柄の長い3つの小葉をもち、小葉の先端は切形(ハート型)になり、中央の脈はへこんでいます。
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こちらは別の場所で見たミヤマカタバミ。オシベや メシベの5裂した形状がよく分かります。
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殆どの花は下を向いていて、顔を上げている花を探すのは大変でした。
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ヤマネコノメソウ(山猫の目草)。ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草。全国の山地の湿ったところに生えます。花期は3-4月で、花の直径は4-5mm、4枚の萼列片は淡緑色で平開していて、黄色い葯が見えています。
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ヤマネコノメソウの茎の葉は互生ですが、ネコノメソウの茎の葉は対生なので、見分けは簡単です。
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ショウジョウバカマ(猩々袴)。メランチウム科ショウジョウバカマ属の多年草。全国の湿った場所に生えます。垂直分布が広く、人里から高山帯まで見られます。まだ早いものでも蕾が膨らみかけた程度でしたが‥
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意地になって探していたら開花していた一番花も見付けました。花の色は生育場所によって異なります。花期は、低山では3-4月、高山では6-7月と幅広いです。
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別の場所では、淡紅色の花も一輪咲いていました。
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ヤマルリソウ(山瑠璃草)。ムラサキ科ルリソウ属の多年草。東北地方南部以西の山地の湿り気のある所や半日陰の所に生えます。花期は3-5月で、名前通り、瑠璃色の5弁花を咲かせます。咲き始めの時は淡いピンク色です。
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山道の側面の切り崩しや水の滴る岩場などで、崩れた土砂や大量の落ち葉などに埋もれるようにひっそりと咲いています。まずは土砂や落ち葉を払いのけて、綺麗にしてやってから撮影です。
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かつては山道に沿って延々と可愛い花を咲かせていましたが、台風などによる倒木・落枝葉の増加、土砂崩れなどで自生地が埋まってしまい、今はポツリポツリと見かけるレベルになってしまいました。全国的に、地方は過疎化・高齢化で里山の手入れさえ出来ない状況ですから、山の自然林は荒れる一方です。