近くの里山等を散策した時に出会った樹木の花たちです。
ホオノキ(朴の木)。モクレン科モクレン属の落葉高木。全国の山林に生えます。樹高は30mにも達する大木で、枝先に7枚ほどの葉が輪生状に美しく平開し、葉の大きさも20-40cm、花も直径15-20cmと大型で、まさに日本の樹木の王者と云っていいでしょう。花期は5-6月頃、花弁は6-9枚で、クリーム色の大きな花を咲かせます。ホオノキは当地でも割と見られますが、高木で花は上向きに咲きますので、近くから見ることは仲々難しいです。
ホオノキ(朴の木)。モクレン科モクレン属の落葉高木。全国の山林に生えます。樹高は30mにも達する大木で、枝先に7枚ほどの葉が輪生状に美しく平開し、葉の大きさも20-40cm、花も直径15-20cmと大型で、まさに日本の樹木の王者と云っていいでしょう。花期は5-6月頃、花弁は6-9枚で、クリーム色の大きな花を咲かせます。ホオノキは当地でも割と見られますが、高木で花は上向きに咲きますので、近くから見ることは仲々難しいです。
雑木林で見ることの多いホオノキですが、この写真は スギ(杉)の樹林帯に生えていたホオノキです。高い杉に負けず しっかり樹高を伸ばし、沢山の花を咲かせていましたが、遠すぎて花は白い点にしか見えません。
丸まったお椀状の花弁が上向きに咲き、花には芳香があります。中央にそびえ立つのは赤いメシベの集合で、その基部を多数のオシベが取り囲んでいます。開花初日の花は半開きで、三日目には花びらが反ってオシベも散ってしまいます。ちなみに、ホオノキの花には蜜がないので、花粉を食べる虫しか訪花せず、自家受粉する確率が5割以上もあるそうです。
モクレン科の花々は、数ある花の中でも「最も高貴で気品がある」ように感じるのは私だけではないようです。特に登山者に人気があるのが、この オオヤマレンゲ(大山蓮華)です。モクレン科モクレン属の落葉樹。関西では奈良県・大峰山系の八経ヶ岳と明星ヶ岳周辺に自生するオオヤマレンゲが有名で、国の天然記念物にも指定されており、この花を見たさに あえて雨季の大峰登山を目指す人もおられます。花期は5-7月(梅雨期)で、花径5-7cmほどの純白の花がややうつむき加減に咲いている姿は、思わず息を呑む美しさです。後記・訂正:これは正しくは、中国・朝鮮原産のオオバオオヤマレンゲ(大葉大山蓮華)でした。謹んでお詫び申し上げます。
「森の貴婦人」とも呼ばれるオオヤマレンゲ。これは我が住宅地内で見たものです。オオヤマレンゲを愛する住人が庭に植えておられ、脚力の低下した私にとっては身近に、この花を毎年見られることは本当に有難いことです。自生種のオオヤマレンゲは、全国17県でRDBに登録されており、近畿地方では‥奈良県:絶滅危惧Ⅰ類となっています。
参考までに、こちらは10年前に撮った ウケザキオオヤマレンゲ(受咲大山蓮華)。モクレン科モクレン属の落葉樹。花径12-15cmの甘い芳香のあるクリーム色の花を咲かせます。ウケザキオオヤマレンゲの「受け咲き」とは上を向いて咲くオオヤマレンゲの意味です。ホオノキは上向きに、オオヤマレンゲは下向きに咲きます。牧野博士は、この花をホオノキとオオヤマレンゲとの交雑種と記しています。
5月初旬に里山を歩いた時に出会った オニグルミ(鬼胡桃)の雄花と雌花 です。全国の山地の川沿いなどに生えます、花期は5-6月で、雄花は前年の枝に多数が房状になって垂れ下がり、雌花は新枝の先から穂状の花序を直立させ、10個ほど花を咲かせます。
オニグルミの雌花の苞は毛を密生し、柱頭は二股になった真っ赤な花柱が出ています。
エゴノキ。エゴノキ科エゴノキ属の落葉樹。花期は5-6月で、全国の雑木林に生えます。名前は果実を口に入れると喉や舌を刺激して、えぐい(えごい)ことに由来しますが、和名の漢字はありません。
センダン(栴檀)。センダン科センダン属の落葉樹。伊豆半島以西の温暖な地に自生します。花期は5-6月で、淡紫色の5弁の花を多数、円錐状に付けます。
ナニワイバラ(難波茨)。バラ科バラ属のツル性落葉樹。原産地は中国南部や台湾で、原種のバラの一つです。 日本へは江戸時代に難波商人によって持ち込まれ、販売されたのが名前の由来です。 近畿地方から九州にかけて野生化しており、当地周辺でもよく見られ、美しい白いバラの花なので取り上げてみました。
トチノキ(栃の木)。葉はホオノキと並んで大きな葉の代表的存在です。皆さんのブログで開花を見ていたのですが、出掛けるのが遅くて、見に行った時には花は殆ど終わっていて、若い緑の果実(栃の実)が出来ていました。
トチノキがらみで、某自然公園で見た ベニバナトチノキ(紅花栃の木)です。園芸植物はよく分かりませんが、ヨーロッパ原産のセイヨウトチノキ(西洋栃の木 )と北米原産のアメリカベニバナトチノキ(亜米利加紅花栃の木)との交配種だそうです。
丸まったお椀状の花弁が上向きに咲き、花には芳香があります。中央にそびえ立つのは赤いメシベの集合で、その基部を多数のオシベが取り囲んでいます。開花初日の花は半開きで、三日目には花びらが反ってオシベも散ってしまいます。ちなみに、ホオノキの花には蜜がないので、花粉を食べる虫しか訪花せず、自家受粉する確率が5割以上もあるそうです。
モクレン科の花々は、数ある花の中でも「最も高貴で気品がある」ように感じるのは私だけではないようです。特に登山者に人気があるのが、この オオヤマレンゲ(大山蓮華)です。モクレン科モクレン属の落葉樹。関西では奈良県・大峰山系の八経ヶ岳と明星ヶ岳周辺に自生するオオヤマレンゲが有名で、国の天然記念物にも指定されており、この花を見たさに あえて雨季の大峰登山を目指す人もおられます。花期は5-7月(梅雨期)で、花径5-7cmほどの純白の花がややうつむき加減に咲いている姿は、思わず息を呑む美しさです。後記・訂正:これは正しくは、中国・朝鮮原産のオオバオオヤマレンゲ(大葉大山蓮華)でした。謹んでお詫び申し上げます。
「森の貴婦人」とも呼ばれるオオヤマレンゲ。これは我が住宅地内で見たものです。オオヤマレンゲを愛する住人が庭に植えておられ、脚力の低下した私にとっては身近に、この花を毎年見られることは本当に有難いことです。自生種のオオヤマレンゲは、全国17県でRDBに登録されており、近畿地方では‥奈良県:絶滅危惧Ⅰ類となっています。
参考までに、こちらは10年前に撮った ウケザキオオヤマレンゲ(受咲大山蓮華)。モクレン科モクレン属の落葉樹。花径12-15cmの甘い芳香のあるクリーム色の花を咲かせます。ウケザキオオヤマレンゲの「受け咲き」とは上を向いて咲くオオヤマレンゲの意味です。ホオノキは上向きに、オオヤマレンゲは下向きに咲きます。牧野博士は、この花をホオノキとオオヤマレンゲとの交雑種と記しています。
5月初旬に里山を歩いた時に出会った オニグルミ(鬼胡桃)の雄花と雌花 です。全国の山地の川沿いなどに生えます、花期は5-6月で、雄花は前年の枝に多数が房状になって垂れ下がり、雌花は新枝の先から穂状の花序を直立させ、10個ほど花を咲かせます。
オニグルミの雌花の苞は毛を密生し、柱頭は二股になった真っ赤な花柱が出ています。
エゴノキ。エゴノキ科エゴノキ属の落葉樹。花期は5-6月で、全国の雑木林に生えます。名前は果実を口に入れると喉や舌を刺激して、えぐい(えごい)ことに由来しますが、和名の漢字はありません。
センダン(栴檀)。センダン科センダン属の落葉樹。伊豆半島以西の温暖な地に自生します。花期は5-6月で、淡紫色の5弁の花を多数、円錐状に付けます。
ナニワイバラ(難波茨)。バラ科バラ属のツル性落葉樹。原産地は中国南部や台湾で、原種のバラの一つです。 日本へは江戸時代に難波商人によって持ち込まれ、販売されたのが名前の由来です。 近畿地方から九州にかけて野生化しており、当地周辺でもよく見られ、美しい白いバラの花なので取り上げてみました。
トチノキ(栃の木)。葉はホオノキと並んで大きな葉の代表的存在です。皆さんのブログで開花を見ていたのですが、出掛けるのが遅くて、見に行った時には花は殆ど終わっていて、若い緑の果実(栃の実)が出来ていました。
トチノキがらみで、某自然公園で見た ベニバナトチノキ(紅花栃の木)です。園芸植物はよく分かりませんが、ヨーロッパ原産のセイヨウトチノキ(西洋栃の木 )と北米原産のアメリカベニバナトチノキ(亜米利加紅花栃の木)との交配種だそうです。
コメント
コメント一覧 (20)
オオヤマレンゲのあるんですね。よそのお宅で見るだけなので。
バラはいろいろ見ますが、お手上げで纏めてバラになってしまいます。
こんな綺麗な花であれば、もう一度行きたいものです。
但し、ちょっと遠いです。
1枚目のホオノキ素敵ですね。
今年はホウノキの花を見損ねました(-"-)
間もなく開花するタイサンボクの花で辛抱しておきます。
トチノキの実が出来てますね、当地はどうなのか・・まだ見てません。
コメント有難うございます。
オオヤマレンゲは樹高1-3mほどの低木ですので、寺院や民家などの庭に植えられていることもあり、時々見かけます。一方、ホオノキの庭木は見たことがありません。山の谷間などにいけば、結構見ることが出来ます。ナニワイバラはバラの原種(野生種)としては意外と大きな花を咲かせますね。
コメント有難うございます。
ホオノキは山では結構見かけますね。ただ高木なのと花が上向きに咲きますので、花の中を覗くチャンスは多くないです。この花の中まで見せてくれている花を探すのが先ですね。確か赤沢休養林って木曽でしたよね。私も写真で「赤沢休養林のオオヤマレンゲ」を見みたことがあります。とても綺麗な写真だったのを覚えています。
コメント有難うございます。
八経ヶ岳に登っておられたのですね。大峰の山々は関西各地からでも各登山口まで結構時間がかかりますから、貴地からでは日程的にも大変だったと思います。小生はもう齢なので、金剛や伊吹などの1000m前後の山が限度と諦めています。ホオノキは当地でも3ヶ所で写真を撮ってきたのですが、いい写真が少なかったです。
コメント有難うございます。
タイサンボクもモクレン科で上品な花を咲かせますね。当地近くでは見られる所がないので残念です。トチノキは皆様のブログで開花を見ていたのですが、後回しになってしまって、行った時には殆ど花は散っていて、かろうじて見られた花のそばには、もう栃の実が出来ていました。
コメント有難うございます。
ホオノキは当地では4-5本、大木が生えていますので、遠出の必要もなく助かっています。下からでは仲々花の中まで覗けませんので、まず花の中まで見られる場所を探すのが先です。今回は花と同じくらいの高さの山道から望遠で花を狙ってみました。トチノキは意外と開花が早くて、ちょっと後手を踏みました。
ホオノキの清らかで大きな花が見事ですね~。
山の中で花いっぱい咲かせてる様子は近づけずとも、そんな環境で咲いてこそ朴の花という伸びやかさですね。
わたしも見たかったのですが、もう終わって変色してました。ホオは芽出しの頃も花のようにきれいですよね!
ホオの手前の白い花はなんなのでしょう?その木も花盛りのようですね。
オニグルミの雄花と雌花は全く別の顔で面白いですね。おちょぼ口に紅を差したような雌花の可愛いこと。
センダンも今あちこちで咲いていて目を奪われます。
木はありふれていても個性的な花ですよね。
コメント有難うございます。
ホオノキを3ヶ所で見かけましたが、一番写真に撮りやすい場所の花は、殆ど終わりかけていて茶色く変色しているものが多かったです。今年はコロナ問題などで外出する日と、開花のタイミングとが上手くかみ合わないことが多かったですね。ホオの手前の白いもの‥写真原板を拡大してみましたが、花らしきものは見当たらず、新葉が太陽の光で「白っぽく」反射しているようでした。センダンの淡紫色の花色は、遠目では爽やかに見えますね。
確認のお手間を取らせてごめんなさい!
白い穂状の花に見えたので何かなあとお尋ねしたのですが、葉っぱの照り返しだったのですね。
そう言えば、花かもと思って近づいたら葉っぱだったということが時々ありますね。
ご丁寧にご返信、有難うございます。
小生、カメラ知識も殆どなく、カメラ任せのオート撮影なのですが、カメラも私と似て阿保なのか、露出オーバーや露出不足の写真はしょっちゅうです。花や風景の写真を撮るときは、太陽の照っていない時の方がいいですね。
ホオノキは2年ほど前に岐阜の奥の方で見たことがあります。やはり谷合でした。
ホオノキの写真を撮ろうと車を止めたら、目の前にカモシカが出てきて、向こうもびっくりしたのか、すぐに谷の方へ降りて行きました。自然はいいですね。
オオヤマレンゲにも感動しました。秋に赤沢自然休養林に行った時、木に名札がかかり、蓮華という、その名前に惹かれ、翌年わざわざ見に行きました。美しさと気高さを併せ持つ花に感動しました。
私事ですが、5日前に、花のフォトエッセイをAmazonから出しましたが、一番に紹介したかった花です。発売直後に迂闊にも誤字を発見し、昨日修正申請を依頼したところで、数日あとには修正されたものに変わるようですが。
コメント有難うございます。
ご無沙汰しており、申し訳ありません。モクレン科の花は気品があって美しいですね。以前、貴ブログで「赤沢自然休養林」のオオヤマレンゲを見せていただいたのを思い出しました。他の方もコメントされていますように「赤沢自然休養林」のオオヤマレンゲは有名なんですね。私も脚力が衰え、もう高くて険しい山へ行くのは躊躇していて、出来るだけ安全に見られる所を選んで訪れています。赤沢自然休養林も行ってみたいです。
「花のフォトエッセイ」を出されたのですね。おめでとうございます。私たちは植物学者でもありませんので学術的なものでなく、花を愛し、花を通じて自分の気持ちを表すことが一番ですよ。essayは、まさに貴女の感性そのものなので、チャンスがあれば読ませていただきますね。
蛇足ながら、先月、BS朝日のTV番組で、私の撮った写真を取り上げてもらいました(それも8年も前にブログに掲載したものです)。
赤沢自然休養林のオオヤマレンゲですが、そうたくさんあるわけでなく、私が知る限り2本だったと思います。
散策路に1本、入り口近くにやや大きめの木が1本です。探せばまだあったかもしれませんが・・・。
車で行きましたが、アクセスが中々大変でした。
お近くで見られるところがあるようで、ラッキーですね。
BS朝日の件ですが、Bell3さんのブログの記事なら、さもありなんと思います。(^o^)
長く続けられたブログ生活の1つの区切り(集大成)ですね。まだこれからも第2弾・第3弾もあるかも‥ね。花と共にいろいろな思い出を育まれてきた感性は素晴らしいです。取り急ぎ、Amazonで「さわり部分」を読ませていただきました。これからも頑張ってください。