池や小川、里地で出会った花たちです。
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アサザ(浅沙、阿佐佐)。ミツガシワ科アサザ属の多年草。本州や九州の水路や小河川、池に生育します。浮葉植物であることから、波浪が高い湖沼には通常、生息しません。
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花期は6-10月で、快晴時には日の出とともに開花し、午後には閉じる一日花です。花は黄色で径3-4cm、花冠上部は5深裂し、縁には毛が顕著。オシベは5個、メシベは1個です。
参考までに、三宅の原(現・奈良県磯城郡三宅町)で咲くアサザ(万葉表記では、阿邪左・阿佐佐)が万葉集にも詠まれていることから、三宅町ではアサザではなくアザサと呼び、町花に制定され、町を上げてアザサの育成に取り組んでおられます(昔何度か訪ねたことがあります)。
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アサザは 環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)、全国43都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県:絶滅危惧Ⅰ類、京都府・兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類、大阪府:情報不足 となっています。
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バイカモ(梅花藻)。キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。沈水性の水草で日本固有種です。冷水を好むため、北日本では水路や河川などに広く分布しますが、西日本では上流や湧き水のある地域に分布域が限られています。
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初夏から初秋にかけて、ウメの花のような白い5弁花を水上で開花します。葉は濃緑色で分裂し、流れに沿って1m程に伸びます。流水環境かつ15℃前後の水温を好み、底質も選ぶため、静水では育たず栽培は困難です。
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バイカモは、全国21都道府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・三重県:絶滅、兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類、滋賀県:その他重要種 となっています。
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オオカナダモ(大カナダ藻)。トチカガミ科オオカナダモ属の多年草で沈水植物。南米原産で、雌雄異株ですが、日本には雄株のみが生育しています。花期は5-10月頃で、水上に白い花を咲かせ、花は3弁の丸い花びらを持っています。悪環境でも生育可能で繁殖力が強く、外来生物法で要注意外来生物に指定されています。
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コウホネ(河骨)。スイレン科コウホネ属の水生多年草。全国の浅い池や沼に自生します。花期は夏(6-9月)で、水上に長い花柄を出し、その先端に上向きにカップ状の黄色い5弁の花を1個だけ咲かせます。花の径は4-5cmほどです。
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コウホネは、全国28都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥兵庫県:絶滅危惧Ⅰ類、大阪府:絶滅危惧Ⅱ類、滋賀県・和歌山県:準絶滅危惧種 となっています。
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カキツバタ(杜若、燕子花)。アヤメ科アヤメ属の水生多年草。全国の水辺や湿地に生えます。花期は5-6月で、花は青紫色、花被片は6枚です。垂れ下がった外花被片の真ん中に白ないし淡い黄色の筋模様が1本入っています。カキツバタは 環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)、全国34都府県でRDBに登録されています、近畿地方では‥奈良県:絶滅危惧Ⅰ類、兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類、京都府:準絶滅危惧種、滋賀県:その他重要種、大阪府:情報不足 となっています。
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オオハンゲ(大半夏)。サトイモ科ハンゲ属の多年草。本州中部以西の山地の谷川沿いや森林内のやや湿った場所に生えます。花期は6-7月で、細長く鮮緑色をしたつり糸(仏炎苞の先に付く付属体)を持つところが、同科異属(サトイモ科テンナンショウ属)の ウラシマソウ(浦島草)と似ています。花茎は高さ20-50cmと、同属のカラスビシャクよりも大きくて背も高いです。
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カラスビシャク(烏柄杓)。別名はハンゲ(半夏)
。サトイモ科ハンゲ属の多年草。全国の田畑周辺の草地や河川の堤防など日当たりの良い場所に生えます。花茎は20-30cmほど、上に伸びるつり糸(付属体)の基部は黒みを帯びています。