散策時に出会った草本たちです。
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ハンゲショウ(半夏生、半化粧)。ドクダミ科ハンゲショウ属の多年草。本州以南の湿った場所に生えます。花期は6-8月ですが、日本独特の暦日である「雑節」の一つ「半夏生」の頃(現代の暦では7月2日くらい)に咲くから「半夏生」、あるいは、葉が一部白くなって半分化粧しているような姿から「半化粧」と呼ばれたのが和名の由来です。長さ10-15cm程の細長い花穂に付く花は、両性花で小さく花弁はありません。
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ハンゲショウが群生している湿地です。
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花期に葉が白くなる植物には、マタタビ(木天蓼)などもありますが、約1ヶ月ほどで元の緑色に戻ります。
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ムラサキカタバミ(紫片喰)。カタバミ科カタバミ属の多年草。南米原産で江戸末期に観賞用として移入されたものが、本州以南で野生化し、要注意外来生物に指定されています。花期は6-7月で、花は淡紫紅色、直径約1.5cmほど。日本では結実しないのが普通で、地下の鱗茎によって増えます。
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ムラサキニガナ(紫苦菜)。キク科ムラサキニガナ属の多年草。本州以南の山地に生えます。細長い茎は直立して、高いものは人間の背丈ほど(170cm)になりますが、花は非常に小さくて直径1cm程の赤紫色の花を多数つけます。
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ソクズ(蒴藋)。スイカズラ科ニワトコ属の多年草。本州以南の山野に生えます。草とはいえ、ソクズの背丈は高く、図鑑等では1~1.5mと記されていますが、当地では人間の背丈をはるかに超える2m以上のものも多く見られます。肥沃で水分のある場所を好むそうで、生息地も谷川沿いなどでよく見られます。
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ソクズの花期は7-8月で、花はとても個性的です。小さな5弁の白花の間に、所々に黄色いお椀状の腺体があります。花には蜜がなく、この黄色い腺体が蜜壺となっていて虫を呼びます。蝶が群がり、蟻が蜜壺に入っているのが良く見られます。
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チダケサシ(乳茸刺)。ユキノシタ科チダケサシ属の多年草。本州以南の林縁や湿った草原に生えます。花期は6-8月で、花茎の先に複総状花序をつけ、花序の枝は斜上ないし ほぼ直立します。花は淡い紅色の5弁花で、花弁は長さ3-5mmのさじ形ですが、密に花をつけますので、ちょっと見では花弁の数は分かりにくいです。
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チダケサシは以前には安定して見られましたが、7年ほど前に自生地が荒らされ、見られなくなっていました。もう当地では絶滅したと思っていたのが、昨年6年ぶりに見られ、今年も再び訪ねてみました。花期には少し早かったようですが、元気な姿に出会えて良かったです。
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7月になり、里のあちこちで キリギリスの鳴き声が聞こえ、ヤブカンゾウ(薮萱草)の花が咲き出しました。ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。本州以南の野原や田の畔などに群生します。茎頂にユリに似た八重咲きで橙赤色の花を咲かせます。
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ノカンゾウ(野萱草)。ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。本州以南の田の畔など、やや湿った場所に生えます。花は一重咲きで、花びら(花被片)は6枚、花びらの真ん中に黄白色の筋が1本入っています。当地では、もう自生種は殆ど見られません。写真のノカンゾウは拙庭で6月半ばに咲いたものです。全国15府県でRDBに登録されていて、近畿地方の状況は‥京都府・大阪府:絶滅危惧Ⅱ類、奈良県・滋賀県:準絶滅危惧種 となっています。
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梅雨期の、雨に濡れた ホタルブクロ(蛍袋)が お気に入りです。高山植物のサンカヨウ(山荷葉)は雨に濡れると、白い花が透明なガラスの花のようになり、とても美しくて大好きなのですが、このホタルブクロも、白い花が すりガラスのような半透明な花になり、ちょっと不思議な世界に誘(いざな)ってくれるのが、いいですね。

余談ながら、私は自分のブログを自分好みになるよう色々とカスタマイズしています。最近では、記事の文章をマーカーで色付け出来るようにしたり、先日はコメント投稿欄の「投稿者名と投稿文」の文字をワン・サイズ大きな文字になるように変更しました。齢のせいで、投稿文の小さな文字が読みにくくなっていましたので、自分では読みやすくなって満足しています。また投稿者様のお名前も分かり易いよう色文字に変更させていただきました。