6月16-17日、奈良市内最古の神社である率川(いさがわ)神社で三枝祭(さいくさまつり)が行われました。一般には「ゆり祭り」「ささゆり祭り」として有名です。三枝(さいくさ)とはササユリの古名です。昔、媛蹈鞴五十鈴姫命(ひめたたら いすずひめのみこと)が三輪山の麓、狭井(さい)川のほとりに住んでおられ、その附近には笹百合の花が美しく咲き乱れていたと、古事記に記されているそうです。そこから笹百合は狭井の草=サイクサ・サエクサと呼ばれるようになりました。また、笹百合の多くは、茎の先が三つに分かれて三輪の花をつけるので三枝と呼ばれたとも云われています。

率川神社のご祭神が、上記の媛蹈鞴五十鈴姫命で、のちに初代天皇である神武天皇の皇后となられたお方です。率川神社が三輪山の大神(おおみわ)神社の摂社であるのは、上記のような経緯によるものです。

さて、この日は、本社である大神神社で栽培されているササユリが奉仕団の人達に守られて、列車で奈良駅に到着し、市内を行列行進した後、率川神社に奉納される日なのです。

三枝祭は2日間行われますが、初日のこのササユリ行列を見に出掛けました。当日はあいにくの雨となってしまいましたが、まずはご神花のササユリが到着する前の率川神社に立寄りました。

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神社を散策しているうちに列車到着の時間となり、急いでJR奈良駅の方へ駆けつけましたが、既に到着済みで、先頭はもう三条通りを東に向けて行進し始めていました。先導のあと、軽快な「ささゆり音頭」にのって奉仕団のササユリ踊りが続きます。踊り手さんの頭と手には造花のササユリが飾られています。その後を神前に捧げられる主役のご神花「ササユリの花篭」が花車に乗せられて曳かれて行きます。

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行列は三条通から小西通を経て近鉄奈良駅で休息。その後、東向商店街を南下し、餅飯殿(もちいど)商店街を経て西へ戻り、やすらぎの道で北上、率川神社に到着しました。

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拝殿内はササユリで飾られ、神殿前の献台にササユリの花篭が置かれて、神事がはじまりました。

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境内でササユリ踊りが披露され、拝殿内でもササユリ踊りが奉納されました。祭壇にササユリで飾られていた、罇(そん)・缶(ほとぎ)と呼ばれる酒樽の、黒酒(くろき・濁酒)・白酒(しろき・清酒)の二種類のお神酒を(どちらか一つを)、参列者全員が頂き、本日の神事は終了しました。