健康のため(趣味のため)、ウォーキングにはよく出掛けるものの、山も里も植物は枯れ、殆ど休眠状態です。植物に詳しい人たちは、この時期はいろいろな冬芽や葉痕を探して楽しむなどの植物観察をされていますが、私のような未熟者はやはり花や実がないとダメです。それゆえ、この時期は歩くことだけを楽しんでいますが、散策中にちょっとだけ自然観察できたところを取り上げて見ました。

★当尾の山中で出会った冬の植物たち

 イベント・ウォークがない週は、近在の山間を徘徊することにしています。特にどこへ行くという明確な目的も持たず、今日はアッチの方向に行ってみようと動き出して行く、現地で見知らぬ小道や獣道(けものみち)に出会うと、ついそちらの道に入って行ってしまう、ウォークとも呼べないような歩きです。いよいよ道らしきものがなくなって止むを得ず引き返してきたり、ブッシュをかき分けながら、ようやく新しい場所へ出てきて期待に胸膨らませていたら、なんだ、ここだったのかと思う場所だったりで、まさに意味なくさまよう徘徊とも云うべき歩きを楽しんでいます。今回はホームグラウンドとも云うべき当尾の山中で出会った植物達です。 

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 先日、東京が大雪に見舞われたニュースが流れました。当地は積雪もなかったのですが、翌日(1/16)山に入ると、やはり山は寒かったようで、ウッスラと雪が残っていました。山の斜面には地表にへばりつくように植物達が寒さに耐えています。チラッと赤い実が落ち葉に隠れるように見えました。大きめの実でしたのでヤブコウジやツルアリドオシではないと思い、落ち葉を払ってみると、ツルリンドウでした(写真下)。
 更に周囲の落ち葉を取り除いて見たら、なんとツルリンドウが1つだけ蕾を付けていました(写真上)。今にも咲きそうな状態です。こんな寒い中でよくもまぁと、感激です。立派に開花してくれるよう願いながら、大きな木の葉を元通りにかけて立ち去りました。植物たちの生命力に、元気をいただきました。

 シダ類は冬場も健在のものが多いです。

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 ノキシノブ。

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 ミツデウラボシ。

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 シシガシラ。その他にもウラジロ、コシダなどなど元気いっぱいでした。

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 小さなマメヅタ(別名:マメシダ)も胞子嚢がよく目立ちます。

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 秋の名残り、コウヤボウキの種子が、今 風に吹かれて飛び立とうとしています。

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 落ち葉に着地していたコウヤボウキのパラシュート隊。

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 ナワシログミの若い果実。先についている花のガクは春に果実が大きくなっても落ちずに残っています。

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 地表では、まるで観葉植物のようなキヅタの新しい葉(写真上)が。写真下は黒ずみ出したキヅタの実。

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 フユイチゴ、キチジョウソウ、ツルアリドオシ、ジャノヒゲ、その他にもヤブラン、ヤブコウジなども落実して少なくなりつつあります。

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 樹木の果実も淋しくなってきました。ヤブムラサキ、ムラサキシキブ、サルトリイバラなどはほぼ姿を消しつつあり、アオキは色づき出し、マサキは裂開してきました。

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 ビワやサザンカは人工的に山に持ち込まれたものでしょうか。シキミは小さな蕾が付き出し、テイカカズラはもうすぐ果実が裂開してパラシュート部隊が飛び出しそうです。

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 山の麓の日当たり場所では、タンポポはロゼット状態ながら地表スレスレに開花し、オオイヌノフグリやコハコベ、ナズナなどが小さな花を咲かせていました。

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 最後は今回の山歩きで一番嬉しかった出会い。上の葉をそっと持ち上げてみると、小さな蕾(花芽)が出来ていたイワナシ。この花の可愛さ・美しさは別格です。春には必ず会いに来るよ、と誓って下山です。