ウワミズザクラ(上溝桜) と聞くと、私は即座に香久山の山麓にある天香山(あめのかぐやま)神社を思い浮かべてしまいます。ここには「波波迦(ははか)の木」と云うのがあって、古事記によりますと、古代にはこの木の皮と鹿の骨を焼いて占いを行ったと記されています。この波波迦の木と云う名前を初めて聞いた時は、妙に心に残って、すぐに調べてみましたら「ウワミズザクラ」のことでした。およそ一般的な桜の花とは異なる花姿で、果実(サクランボ)も葡萄のように並んで付きますので、大変特徴のある見て覚えやすい植物の一つです。

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 先日までまだ丸い蕾状だったものが、桜が散るのと入れ替わるように、いっぺんに咲き出しました。花穂は遠目には白いブラシのようです。

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 花穂部分のズームアップです。

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 この花が咲く前の丸い蕾状のものや、閉花後の未熟な幼果を塩漬けにした「杏仁子(あんにんご)」と云う食べ物が有名ですね。