第一印象というものは、時として困ったもので、この山で出会ったピンクのこの花もそうでした。イカリソウのようだが…違うのかな、と迷ってしまいました。私が初めてこの花を見たのは、ある山地の個人所有の自然野草園を訪れた時でした。山の地形そのままに、渓流も流れるその地で見た初見のイカリソウは見事な白花だったのです(ちなみに2回目3回目も白花続きでした)。以来、その時の色が第一印象として記憶に定着してしまって、ピンクの花に出会っても、すぐに結びつかなくなっていました。

 トキワイカリソウ(常盤錨草)。名前の由来は字の如く、船の錨に似ていることによります。現在の船の錨は2本ないし3本の鉤が殆どですが、昔の船はこの花のように4本鉤だったそうです。

042201_ikari

 トキワの名前は冬にも葉を落とさない(常緑)と云う意味です。花の下の葉っぱは、この時期まだ冬の赤い色をしていました。

042202_ikari

 トキワイカリソウの花色には、イカリソウ同様に紅紫色と白色の2種がありますが、この山で見た花はみんな紅紫色でした。

042203_ikari

 一つ見つかると、周辺をよくよく見渡せば、あちらでもこちらでも咲き誇っていました。