金剛山へ半年振りに行きました。金剛山は関西では伊吹山などと並んで有数の山野草観察地です。今はどんな花が見られるのかと、私も時々ネットで検索しています。今回のリーダーのMさんも1ヶ月前に企画した時に、5月の連休明けにはクリンソウも見られそうだと予測しての山行企画でした。実際、今回の山行中には沢山の山野草に出会いました。「一日一草木」で紹介するには時間がかかり過ぎますので、この「山行記録」の中で一括してご紹介したいと思います。
金剛山には数多くの登山ルートがありますが、今回は「カトラ谷」コースを登ります。カトラ谷は渓谷沿いに登るルートで崩落危険の警告も出されています。決して一般的な登山ルートではありませんが、危険な場所ではロープが設置されていたり、崩れ落ちた道幅の狭い山肌には木橋が補強されたり、高い岩肌には梯子が架けられていて、しっかり注意して登ればそれほど恐れることもありません。あえてこのルートを歩く最大の目的は有数の山野草が観察出来るからです。私もまだこのカトラ谷からは登ったことがないのですが、名前だけはよく知っていて、以前より登ってみたいと思っていたコースでした。Mさんはこのコースに熟知されているベテランなので、安心して連れて行ってもらえそうです。
★金剛山登山 (カトラ谷ルート) 5/8
当初は近所の4人で行くことになっていたのですが、山仲間たちが増え都合8人となり、当日は早朝に某所で合流して、車2台で向かいました。
国道24号線を南下し、奈良県・御所市まで来ると、正面左手に金剛山、右手に葛城山の2つのゆったりとした大らかな山容が見られます。この2つの山の間にある水越峠を越えて大阪府側に回り込み、午前9時少し前に千早赤坂村・金剛山登山口に到着です。某駐車場に車を停め、出発準備です。ここの洗面所はとても清潔で、なんと クマガイソウ(熊谷草) がシャクヤクと共に飾られていました。金剛山にクマガイソウはあったのかな?と、駐車場のご主人に尋ねてみたら、ご自分で植えられていたものを切花に使われた、とのことでした。粋な計らいに触れて、早くも心は山へと弾みだします。
しばらく舗装道を進んでいきますと「タカハタ道」との分岐点である車止めゲートです。ゲートを越え、更に林道を歩きますと、正面と左手の二方に砂防ダムが見えてきます。そこの丸太で出来た細い橋を渡ると、いよいよカトラ谷への登り口です。
渓谷に沿って、ガレ場の浮き石に気を付けながら登っていきます。ミソサザイの美しい鳴き声が山中に響き渡ります。水場で小休止、ニリンソウがポツポツと姿を見せ始めていてメンバーも元気付いて周囲を探索しはじめますが、Mさんはまだ気にもかけていません。
岩を何度も登り、傾斜も次第にきつくなってなってきた頃、狭い山道の両側にニリンソウの大群落が現れてきます。しばらくは道筋のニリンソウをご覧下さい。
行けども登れども、この左右両サイドに群生する緑の下草は全てニリンソウで、途絶えることがありません。この圧倒的存在感!もう私達の疲れはとっくに吹っ飛んでいて、足取りも軽く上へ上へと登っていきます。
ようやく坂も緩み平坦そうな場所に出てきました。カトラ谷のお花畑と呼ばれている所です。一面見渡せる限りニリンソウのお花畑です。
ここでリーダーから「30分間休憩しますので存分に見物してください」との話がありました。Mさんはこの場所を良くご存知で、最初からここで休憩と決めていたようです。全員ザックを降ろし、ニリンソウ観賞です。
山道に はみ出してきたニリンソウたちを踏まぬように気をつけながら写真を撮ります。
咲きはじめ当初は、ガク片の裏面が赤い色のものもあり、これまた可愛いものです。この赤色も時間が経つと次第に真っ白くなっていくようです。
そろそろ休憩の30分が終了です。再びザックを背に山頂への最後の急坂に挑みます。
11時45分 金剛山・国見城址に到着です。天気は最高でしたが、大阪湾方面は霞んでいました。ここで昼食です。この標識では山頂となっていますが、実際には、この地点の標高は 1079m です。
国見城址から直ぐ近くに金剛山・転法輪寺があります。ここの社務所で金剛山登山スタンプを押してもらえば、1000回以上の登山者は一定の区切り毎に境内の掲示板に張り出してもらえるそうです。掲示板での最多登山者は1万回以上の3名でした。1万回って毎日欠かさず登っても30年かかる回数です。
更に上へと登ると葛木神社です。ここが金剛山の最高地点(山頂)に当たる所で山名は 葛木岳(1125m) と云います。
本日はカトラ谷ルートと圧倒的なニリンソウ群生だけの紹介に終わりましたが、本日出会った多くの珍しい山野草たちは、追って順次ご紹介したいと思います。<続く>
コメント
コメント一覧 (8)
これはすごい群生ですね。
これほどのものは初めて見ました。
30分の休憩では足りないくらいではなかったでしょうかね。
コメント有難うございます。
私も、これほどの群生は初めて見ました。
山の斜面いっぱいにニリンソウが広がっているのを見ながら登っていく爽快さは格別でした。
コメント有難うございます。
今まで何回も金剛山には登っているのですが、ルートがいろいろあって、経験豊かなリーダーに案内してもらうのが一番ですね。リーダーに感謝です。
ロープウェイで上がって来ると、山頂周辺には自然山野草園なる遊歩道も整備されていますので、周遊するだけでも季節の花が楽しめます。
コメント有難うございます。
ニリンソウの香り、言われてみるまで意識したことがありません。私の嗅覚が悪いのか、ニリンソウ自体の香りが弱いのか、一度確認しておく必要はありそうです。
どこの山でもそうですが、人が余り入らないルートは、それだけまだ自然が残っている別世界なのでしょうね。
コメント有難うございます。
金剛生駒山系はまだまだ自然が多く残されていて、それでいてよく整備・管理がされています。カトラ谷も台風や豪雨で何度も登山道が崩落して、特に2007年7月の台風のあとは、登山道も大幅に補修、ルートも一部変更となりました。ぜひ機会があれば登ってみてくださいね。