4月中旬にマキノ高原を散策した時に、オオイワカガミやトキワイカリソウの一番花と出会っていましたので、5月の花のシーズンには、マキノ高原から赤坂山・三国山への登山計画を立てました。滋賀県と福井県の県境に位置する赤坂山は関西百名山の一つで、「花の山」として有名な所です。5月も後半となって、妹夫婦や家内らと一緒に、一泊がけで自然散策に出掛けました。朝から皆は高原遊びだそうです。私は、17時までには戻るからと言い残して、一人で登山に出発です。

★マキノ高原から赤坂山・三国山を経て黒河峠へ 5/22

 今回は登頂記のみを、次回以降に今回の山行で「出会った多くの植物たち」を紹介したいと思います。

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 超・快晴となりました、気温も30度を超えそうです。午前10時、マキノ高原南西にある赤坂山登山口からアプローチ開始です。

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 登山口からはしばらくは遊歩道として木の階段が設けられていますが、これが結構急な登りで20-30分続きます。結果的には、ここを一気に登ったのが、あとあとまで本日は応えてしまいました。

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 樹木の隙間から振返った眺望。高島市のメタセコイア並木やマキノ高原口、琵琶湖畔の海津大崎が見えますが、琵琶湖は霞んでいて、空なのか湖なのか、はっきりしません。

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 ようやく木の階段から開放されて、山道となりました。

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 午前11時丁度、ブナ(武奈)の木平・休憩所に到着。1時間もかかってしまいました。

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 ブナの木平からこの粟柄(あわがら)越えの尾根筋に出るまで、通常の倍の1時間もかかってしまいました。途中でオオイワカガミの大群落に遭遇し、写真撮りに時間を費やしたのも事実ですが、暑さと疲労で殆ど足が上がらなくなっていました。尾根筋の山道にあったお地蔵さん。この地蔵の向こう側へ行ってみました。

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 尾根筋の開けたところに送電線の大きな鉄塔が建っていました。福井県の美浜原発から赤坂山を越えて滋賀県側へ送電している高圧線です。美浜原発は休止中で電気は流れていたのでしょうか?

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 鉄塔下からみた滋賀県側。送電線は2つ並行して設置されていました。ここでも琵琶湖は霞んでいてよく見えません。

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 12時半、粟柄越(あわがらごえ)に到着。モデル時間より1時間延着です。粟柄越は昔は若狭と近江を結ぶ交通の要所だったそうで、若狭側の粟柄に関所が設けられていたようです。こんな山道が交通の要所だったとは今では信じられません。現在はこの地点は登山者達のマキノ高原、寒風山・大谷山、赤坂山・三国山への3点分岐点となっています。

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 粟柄越から送電線の向こうに、赤坂山の山頂が見えます。あと一息です。

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 山頂への登り口に、大きな石に開けられた穴に、三面一体石仏が収められていました。昔の粟柄越街道のお守りだったのでしょうか。

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 午後1時、赤坂山・山頂に到達。標高824m、4等三角点が置かれています(*プレート表示の3等三角点は間違い)。先ほどまで山頂にいた10人程のパーティは私と入れ替わりに下山してしまい、360度の大パノラマ風景を一人占めしました。県境なので福井県美浜町と滋賀県高島市の2つの標識が立っていました。向こうの山の先に若狭湾が見えたはずなのですが、霞んでいて日本海は見えませんでした。心地よい風を全身に受けて昼食としましたが、バテバテの身体では食欲は起こらず、弁当はそのままに、間食用のパン1つだけで十分でした。立ちくらみするほど暑かったので水分だけはしっかり補給しました。

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 赤坂山・山頂から見た三国山。今日はいつものような元気が出ず、予定より1時間遅れです。このままマキノ高原へ戻るか、予定通り三国山・黒河(くろこ)峠を経て白谷(しらたに)集落へ下山するか、迷いましたが、イワウチワに出会えるかもしれないと思い直し、三国山へ向かうことにしました。

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 三国山へは一旦下山したのち、正面に見える禿げた山肌「明王の禿(めいおうのはげ)」に登り、更にもう一度下って、再び三国山へと登ります。赤坂山を下ろうとしたら、下から大勢の小学生達が登ってきます。100名位だったでしょうか、ほぼ全員登ってくるのをやり過ごしてから下山となりました。

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 明王の禿の手前です。花崗岩が砕けた小さな砂石に足をとられ滑りそうになります。右手の山側は絶壁となっていて鎖が張られています。岩場は危険なので左手の木の階段から上へと登ります。

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 明王の禿への登り階段から振り返って見た赤坂山です。

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 「明王の禿」の絶壁から見た滋賀県高島市側、なんとか琵琶湖がうっすらと見えました。

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 黒河(くろこ)峠へ抜ける道の途中に三国山への分岐点があります。先ほど私を追い抜いて行った山ガール4人組が分岐点で立ち止まっていました。行こうか行くまいか迷っていたようですが、誰かが「またあとでネットの写真で見たらいいのじゃない」と云う一言で、真っ直ぐ下山していきました。私は古い体質なのでしょうか、体調も良くないくせに意固地をはって、三国山に向かいました。でもこれが正解でした。たった一株だけトクワカソウ(イワウチワ)に出会えたのでした(次回以降アップ予定)。天は我を見捨てず、の心境でした。
 14時25分、標高876mの三国山・山頂 に到達写真の通り、全く見通しは聞かず、ポツンと標識と3等三角点だけが置かれていました。

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 三国山から黒河峠への山道は、眼下の絶景を見るように山肌に沿って下って行きます。小1時間ほどで黒河峠の林道に下りて来ました。でも地図によると、ここにトイレ舎があるはずですが、見当たりません。2つほどあった標識は朽ち果てたのか引き抜かれて、右に行けばよいのか左に行けばよいのか全くわかりません。マキノは方向的には南ですが、一か八か私は北に向かいました。50mほど進んだ所に「白谷」と書かれた小さな標識が足下に見えました。これまた正解でした。

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 林道を離れ、その細い道を10分ほど下りた所に地図に載っていたトイレ舎がありました。ここまでは車が上がってこられるようで、山でも登りに行ったのでしょうか、1台の乗用車が駐車していました。ここまでくれば1時間半ほどで白谷集落に着くはずです。時刻は15時30分を少しまわったところです。白谷からマキノ高原までは15分位と地図には記されていましたので、17時15分頃にはなんとか帰着出来そうです。林道を下山中、上に向かう1台の車とすれ違いました。今時分から山にあがる人もいるのかなぁと思いながら、重たい足を引きずり歩き続けます。一面のピンクに染まったタニウツギが頑張れと声援を送ってくれているようです。1時間ほど歩いた時、後から1台の車が追い付いてきました。私の横で停車し「どこまで行くの?」「白谷方面です」「じゃ乗せてあげるよ」と言って下さったのです。バテバテの私にはまるで天の助けのように思えました。天は我を見捨てず‥本日2回目の言葉を胸のうちで唱えていました。最終的にはマキノ高原まで送ってもらいました。話をしていたら本日、山ですれ違った小学校の先生(後方支援担当者)でした。トイレ舎の駐車場に置いてあった車を引き取りに2人で戻ってきて、一人を下ろして、帰る途中に私を拾ってくれたようです。マキノ高原口で車から降ろしてもらい、重々お礼を述べて、17時丁度、無事帰着となりました。久しぶりの苦しい山歩きでしたが、その分いろいろな植物にもめぐり合えた充実の山行でもありました。植物については明日以降、アップ予定です。

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 コース概略:マキノ高原・赤坂山登山口(スタート)→調子ケ滝分岐点→ブナの木平・休憩所→砂防堰堤→石畳の道→地蔵(送電線・鉄塔下)→粟柄峠→三面一体石仏→赤坂山・山頂→明王の禿→三国山分岐点→三国山・山頂(折返し)→三国山分岐点→黒河峠登山口→黒河峠トイレ舎→白谷への林道途中(ゴール)。本日の歩程 12.0km でした。体調不良で、アップダウンが応えたバテバテの山行でした。