山友達から、毎年この時期になれば山のササユリ情報を頂きます。「先月から下見を繰り返していますが、気候のせいか例年より 悪いです。しかも半分は既に開花していて、色も薄く形の悪いものが多く、残念な状態です」とのことでした。ササユリは私の大好きな花の一つで、これだけは毎年必ず見に行きます。山友達とも一緒にお決まりの場所へ出掛けています。ただ私はササユリの見頃は毎年6月10日過ぎと決めていて、まだ先のことだとのんびりしていたので、6月初旬に届いたその一報に、あわてて皆と日程調整です。皆の都合が合致した一番早い日が 6/12 でした。もう遅いかもと心配でしたが、その日しかありません。すぐに続報が入りました。「笹百合の見頃は今週で終りそうです。(私達の山行予定日の来週まで)遅咲きが残ってくれていることを期待しましょう」とのことでした。今年は春先から暖かすぎたことと、降雨が殆どなかったことが、開花時期と花の状況に影響しているようです。

★今年もササユリ(笹百合)は待ってくれていました… 6/12

 山行予定日の天気予報を早くからチェックしていたら、台風3号の直撃を受けそうでした。えらいこっちゃ!台風が来たらそれこそササユリはお終(しま)いや。3-4日前には「雨」予報が出ました。ところが前日には台風は足踏み状態となり東へ向かうとのことで、天気予報も「曇時々晴」に変わってきました。ラッキーです。当日(6/12)は某駅で皆と合流して、山に向かいました。あとで知ったのですが台風は消滅し、気温30度を超す快晴となりました。谷川の沢登りや、雑木林の藪漕ぎをしながら、ようやく自生地周辺に到着です。途中で出会った他の植物達はカットし、ササユリのみのご紹介です。

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 「あったよ」下見情報をくれていた先頭のKさんから声がかかります。近くまで駆け寄ってじっと見入りました。悪い情報が多かったので「まだ残っていて良かった」と思わず胸を撫で下ろしました。

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 次に出会ったのはピンクでした。このピンクがなんとも言えません。

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 「よう待っててくれたなぁ」と思わずササユリにお礼を言いたくなります。それからというものは広い山の中を、時間が経つのも忘れ、約3時間程 歩き回って、50株以上の花と出会うことが出来ました。例年なら100株はくだらなかったので、時期が遅かったとは云え、やはり今年は少ないのでしょう。でも山友達のお陰で、タイミングを逃すことなく、今年もそれなりに沢山のササユリと出会うことが出来ました。待っていてくれたササユリたちの可憐な姿を見ていただきましょう。

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 ササユリは山中ではポツン・ポツンと1株づつ生えていて、かたまって生えていることは少ないのですが、珍しく近い範囲内で数株がかたまって咲いていました。

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 この咲きかけの姿が、またいいですね。

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 後姿も美人です。

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 花びらが開いて、最後を迎えようとしているササユリ。

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 最後を迎えた花に、ハナムグリが忙しそうに動き回っていました。

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 この山をよく知るKさんやHさんによると、やはりここ数年で随分花数が減ったと嘆いておられました。

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 新芽が出てから花が咲くまで7年もかかるササユリです。何とかこれ以上減ることなく、可憐な姿を毎年見せて欲しいと思わずにはいられませんでした。そして今年もササユリ情報を送って頂き、一緒に山に登ってくれた山友達に感謝です。

★京都府下のササユリ状況

 こちらのササユリも激減していますが、まだ数箇所で見られる所が残っています。半月前に大きくなりつつあった蕾を確認していたので、少し早めにウォークを兼ねて確認に訪れました。

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 1箇所目で愕然としました。ここでは春先に新芽は20株以上確認していて、半月前にはそのうち7-8株くらいに蕾を付けていたのを見届けていたのに、たった1本しか咲いていません。この1本以外はササユリの茎の姿さえ見当たりません。根こそぎ盗掘されてしまったようです。

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 2箇所目はご覧の通り、花の部分が切り取られてしまってありません。ここには昨年は3株あったのが、今春は1株しか新芽が確認出来ませんでした。誰かが添え木をしてくれていて、私もウォークで通りかかった際には添え木を手直ししたりして、大事に見守ってきました。最近訪れた時には今にも咲き出しそうな大きな蕾を付けていたのを目にしていただけに、これまたショックでした。ここはハイカーも通る道すがらで目立つ場所だっただけに心配していたのですが、案の定、最悪となりました。もうそれ以外の自生地を訪ねる気も起こらず、そのまま引き返しました。残念ですが、ササユリが見られなくなるのは、時間の問題のようです。 *昨年のササユリ山行は → こちら