シルバーウィークなど多くの皆様が休暇を楽しまれる時は、サンデー毎日の身である小生は、皆様のお邪魔にならぬように、出来るだけ自宅や近くの里山で時間を過ごすことにしています。そんな中、一昨年スタートした日本酒サミット2015が、9/22に行われることを知って、人出の多い中、親友と行くことになりました。当日は、サミット集合時間(14時30分)に、現地で親友と待ち合わすことにして、私は朝から京都へ出て、久しぶりに東山界隈を歩くことにしました。

★日本酒サミット2015 9/22

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 JR京都駅に朝10時半に到着。予想通り、駅前のタクシー乗り場は長蛇の列が出来ていました。これでは、東山界隈の三十三間堂や清水寺や八坂神社などの観光地は、大混雑間違いなしです。出来るだけマイナーな所を選んで歩くことにしました。

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 京都国立博物館を横目に見ながら、豊国(とよくに)神社に入り、唐門(国宝)を見ます。豊臣秀吉の遺体は、遺命により東山大仏(方広寺)の東方の阿弥陀ヶ峰山頂に埋葬されました。その山麓に廟所が建立されたのが、この豊国神社のはじまりです。

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 豊国神社と隣り合わせにある方広寺の鐘楼。秀吉亡き後、秀頼は方広寺の大仏建立に取り掛かるも火災で全焼してしまいます。仕切り直しとなり、再び大仏もほぼ完成し、慶長19年(1614)鐘楼も完成。徳川家康の承認を得て、開眼供養の日を待つばかりとなりました。ところが家康は開眼供養の延期を命じます。梵鐘の銘文のうち「国」「君臣豊楽」の句が、家康の家と康を分断し、豊臣を君主としており、家康及び徳川家を冒瀆するものとみなされ、これが大坂の陣での豊臣家滅亡へと繋がっていきます。

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 豊国神社の西方すぐ近くにある 耳塚。秀吉の命令で朝鮮に出兵した武将たちは、日本古来の戦功のしるしである首級の代わりに、朝鮮兵の鼻や耳をそぎ、塩漬けにして日本に持ち帰ります。それらは、秀吉の命によって、この地に埋められ供養の儀が持たれました。

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 空也上人開基の 六波羅蜜寺 に立ち寄りました。平忠盛・清盛・重盛と云った平家隆盛の時期には、当時広大だったこの境内に平家の邸宅が建ち並んでいました。

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 この世とあの世の境界である「六道の辻」に建つ 六道珍皇寺。昔の京都の町は、鴨川の東はこの六道の辻までで、ここから先、東山山麓一帯は鳥辺野(とりべの)と呼ばれる墓地でした。従ってこの地で野辺の送りがされてきました。境内には小野篁(おののたかむら)が冥土通いしたと云われる井戸があります。普段は格子戸とガラス戸で閉められている閻魔堂(篁堂)が珍しく開けられていて、閻魔大王と小野篁の木像を、初めて間近に見ることが出来ました。

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 清水寺に至る五条坂の大混雑を早々と通り抜け、建仁寺に向かいました。今日は建仁寺の塔頭のひとつ 禅居庵 に立ち寄りました。

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 禅居庵は「摩利支天尊堂」と云う別名の方が知られています。摩利支天は、もとはヒンズー教の陽炎の化身(神)で、のちに仏教の守護神として採用されました。7頭のイノシシの上に座っていることから、境内には幾つもの 猪の狛犬 が建てられています。イノシシの狛犬は、京都では他には護王神社が有名です。

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 建仁寺を通り抜け、衹園・花見小路を上がり(北上し)ます。四条から三条に出て鴨川を渡り、河原町で昼食を食べた後、本能寺境内にある、大好きな織田信長公廟に立ち寄りました(信長公については、何度も取り上げていますので省略です)。

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 御池大橋を渡り、再び鴨川の東側に出て、仁王門通りを東方向に岡崎公園に向かいます。妙頂寺 は観光寺院ではありませんが、山門を入ると大きな 仁王門 が建っています。これがここの地名・仁王門通の由来となっています。

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 更に仁王門通りを東に向かいますと、寂光寺 です。ここも知る人が殆どいない寺院ですが、囲碁の好きな人には欠かせない場所です。安土桃山時代に日淵が開山、その弟子が日海と云い、境内の本因坊に住んでおり囲碁の達人でしたので、本因坊算砂(さんさ) と呼ばれました。織田信長より「そちはまことの名人なり」と称揚され、これが現在も各方面で常用される「名人」という言葉の起りとされています。後に算砂は江戸幕府に招かれ、家元本因坊家の始祖となるとともに、碁打ち・将棋指しの最高位に任ぜられて家元制度の基礎となりました。江戸で亡くなくなったあと、この京都・寂光寺境内に葬られました。

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 14時過ぎに岡崎公園に到着。待ち合わせ時間まで30分ありましたので、平安神宮 で一服です。

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 親友から連絡あり。14時30分過ぎ、会場の「みやこめっせ」で待ち合わせて入場しました。

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 一日限りの限定予約イベントで、私たちは二部制の午後の部(15:00-17:30)に参加です。参加者2300名、50ブースに全国の清酒が勢揃い。受付で貰うお猪口で時間内なら飲み放題、老舗の料理店も20ブースに出店、こちらは都度現金払いです。

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 隣り合った縁で、みんな和気藹々、酒談議に2時間半はアッという間に過ぎ去りました。2013年にスタートした第1回日本酒サミットは → こちら

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 会場を退出すると、もう薄闇が‥。日毎に日が短くなっていくのを感じます。親友といい気分で地下鉄・JRと乗り継ぎ帰途につきました。本日の歩程 JR京都駅から岡崎公園まで 10.0km でした。