雨乞岳で出会った植物たち、その二です。
リンドウ(竜胆)。リンドウ科リンドウ属の多年草。本州から九州にかけて、湿った野山に自生します。花は晴れた時だけしか開かず、この日は薄曇り気味の日でしたが、辛うじて開花していました。
山頂周辺のクマザサ(熊笹)の下で、寒さを避けるように咲いていたリンドウの花たち。
この花には何とも言えない可憐さがあって、秋にはぜひ見ておきたい花の一つです。
ダイモンジソウ(大文字草)。ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草。雨乞岳からの下山コースとなった「コクイ谷」で出会いました。コクイ谷は、渓谷沿いに大きな岩石などが行く手をはばむ難コースです。「道迷いにより、日没を迎え下山できなくなる遭難事故が多発しています。読図力のある熟練者以外は入山を控えてください」と云う、滋賀県警の注意札が立てられています。
人知れず薄暗い渓谷でひっそりと咲くダイモンジソウ。もっとも山野草らしい孤高の姿です。
場所(位置)的にはアキノキリンソウ(秋の麒麟草)のようであり、花姿からは ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草) のようでもあり、迷いましたが、独断と偏見で後者としておきます。
ツルリンドウ(蔓竜胆)の実。リンドウ科ツルリンドウ属の多年草。ひっそりと葉陰で咲く花に比べて、真っ赤な実は堂々と存在を主張しているように見えます。
チゴユリ(稚児百合)の実。ユリ科チゴユリ属の多年草。ユキザサに似ていますが、ユキザサは赤い実、チゴユリは黒い実となります。
イワカガミ(岩鏡)の葉。イワウメ科イワカガミ属の常緑多年草。光沢のある葉が美しい。
★オオセンチコガネ
この時期、山でよく見かけるオオセンチコガネ(大雪隠黄金)。センチコガネ科の甲虫の一種。金属光沢のある鮮やかな体色をしたものが多く、生息環境によって体色も異なります。これは緑色をしているので、ミドリセンチ(緑雪隠)と呼ばれます。
元気がなく虫の息になっていた、濃紺色のルリセンチ(瑠璃雪隠)。
ノーマルタイプの金赤色のオオセンチコガネもいるのでは、と注意して歩いてみましたが、見付けたのは赤・緑・瑠璃色などのオオセンチコガネたちの無残な姿でした。 <明日に続く>
コメント
コメント一覧 (4)
貰い庭に植えました。管理の仕方が分からなくて消えてしまいました。
やはり野に置けと感じました。
これだけイワカガミがあると花の時期は綺麗でしょうね。
ツルリンドウの赤い実・今日公園を回るので確認してみます。
コメント有難うございます。
小生も昔、園芸店でダイモンジソウを買った経験があるのですが、早々と2年目には姿を消してしまいました。
土壌や気候など合わなかったのでしょうね。仰るように「やはり野に置け山野草」です。
コメント有難うございます。
イワカガミが自生している所では、殆ど周辺一帯が大群生地となっています。早春の登山では素晴らしいお花畑が見られます。
ツルリンドウは、花を探すよりも、実の方が見付けやすいですね。