この時期、当地で見られる野草の花や果実を、取り上げてみました。
ノダケ(野竹)。セリ科シシウド属の多年草。一昨年に見た後、昨年は出会えず心配していたのですが、リンドウ探しで山歩きをしていたら偶然見つけました。周辺にも数株見られましたので安心です。ノダケはセリ科の花では、まさに「異色の花」です。白い花ばかりで同定が難しいセリ科の花の中では、珍しく紫色の花をつけますので、私にもすぐ分かる嬉しい花です。
リュウノウギク(竜脳菊)。キク科キク属の多年草。相変わらずノギクの同定に手こずっている私ですが、例外的に見分けられる数少ないノギクが、このリュウノウギクと次のシマカンギクです。当地で見られる野菊の中では、両者とも他のノギクより開花が遅く、これから晩秋にかけて花の時期を迎えます。
茎は細くて頼りないですが、本家の菊と同じキク属で、葉も菊同様に三つに浅く裂け、花も整った花でキクらしい姿をしています。ヨメナ、ノコンギク等々、ノギクの殆どはキク属ではありません。
シマカンギク(島寒菊)。キク科キク属の多年草。これも本家の菊と同属です。当地で見られる野菊の中では唯一、花色も黄色で、最も正統派の菊と云えます。京都府では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
遠くから見ると一瞬、キクのように見えることもある ヤクシソウ(薬師草)。キク科オニタビラコ属の二年草。山野の日当たりの良い場所に生育します。晩秋の頃、枝先に黄色の小さな花を多数付けます。花は舌状花だけです。名前の由来は諸説ありますが、葉の形が薬師如来の光背に似ているから、と云う説が私には一番素直にわかるような気がします。
★秋遅くまで咲いている野生のアサガオたち
マルバアサガオ(丸葉朝顔)。ヒルガオ科サツマイモ属の一年草。北米原産、江戸時代に日本に渡来。
マメアサガオ(豆朝顔)。ヒルガオ科サツマイモ属の一年草。北米原産で、花は白色、葯は赤色です。
ホシアサガオ(星朝顔)。ヒルガオ科サツマイモ属の一年草。北米原産、花色は淡紅紫色、葯は白色。
マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)。ヒルガオ科サツマイモ属の一年草。中米原産で、花色は朱赤色、葯は白色です。こうして並べてみますと、朝顔は暑い夏のイメージが強いのですが、野生のものは結構寒さにも強くて、秋遅くまで見られます。
コメント
コメント一覧 (4)
庭のは草丈も低く花も小さいのが時々咲きます。
キク科については不勉強でした。もっとも植物全般に
科や属についてはほとんど無関心でいました。
リュウノウギク・シマカンギクともに当地ではお目にかかれない菊です。まるで園芸種のように充実した姿ですね。
野生の朝顔の仲間については全く知識がありませんでした。
コメント有難うございます。
アサガオは意外に寒さにも強いのですね。野草は草刈りに遭うことが多いので、季節によっては見られたり、見られなかったりしますが、今年は野生の朝顔に色々出会いました。
ノギクは半分お手上げですが、特徴のはっきりしたものは分かりやすいので取り上げました。
コメント有難うございます。
アサガオもノギクも特徴の明解なものは、なんとか分かりますので取り上げていますが、分からないものも多数あります。
スミレ、ノギク、その他もろもろ、分からないものが多すぎますね。