この時期、当地で見られる野草の花や果実を、取り上げてみました。

Nodake

 ノダケ(野竹)。セリ科シシウド属の多年草。一昨年に見た後、昨年は出会えず心配していたのですが、リンドウ探しで山歩きをしていたら偶然見つけました。周辺にも数株見られましたので安心です。ノダケはセリ科の花では、まさに「異色の花」です。白い花ばかりで同定が難しいセリ科の花の中では、珍しく紫色の花をつけますので、私にもすぐ分かる嬉しい花です。

Ryuunougiki01

 リュウノウギク(竜脳菊)。キク科キク属の多年草。相変わらずノギクの同定に手こずっている私ですが、例外的に見分けられる数少ないノギクが、このリュウノウギクと次のシマカンギクです。当地で見られる野菊の中では、両者とも他のノギクより開花が遅く、これから晩秋にかけて花の時期を迎えます。

Ryuunougiku02

 茎は細くて頼りないですが、本家の菊と同じキク属で、葉も菊同様に三つに浅く裂け、花も整った花でキクらしい姿をしています。ヨメナ、ノコンギク等々、ノギクの殆どはキク属ではありません。

Simakangiku

 シマカンギク(島寒菊)。キク科キク属の多年草。これも本家の菊と同属です。当地で見られる野菊の中では唯一、花色も黄色で、最も正統派の菊と云えます。京都府では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

Yakusisou

 遠くから見ると一瞬、キクのように見えることもある ヤクシソウ(薬師草)。キク科オニタビラコ属の二年草。山野の日当たりの良い場所に生育します。晩秋の頃、枝先に黄色の小さな花を多数付けます。花は舌状花だけです。名前の由来は諸説ありますが、葉の形が薬師如来の光背に似ているから、と云う説が私には一番素直にわかるような気がします。

★秋遅くまで咲いている野生のアサガオたち

Marubaasagao

 マルバアサガオ(丸葉朝顔)。ヒルガオ科サツマイモ属の一年草。北米原産、江戸時代に日本に渡来。

Mameasagao

 マメアサガオ(豆朝顔)。ヒルガオ科サツマイモ属の一年草。北米原産で、花は白色、葯は赤色です。

Hosiasagao

 ホシアサガオ(星朝顔)。ヒルガオ科サツマイモ属の一年草。北米原産、花色は淡紅紫色、葯は白色。

Marubarukou

 マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)。ヒルガオ科サツマイモ属の一年草。中米原産で、花色は朱赤色、葯は白色です。こうして並べてみますと、朝顔は暑い夏のイメージが強いのですが、野生のものは結構寒さにも強くて、秋遅くまで見られます。