★木津川 山の会3月例会 「龍王山」 3/13

 山の会3月例会は、昨年11月にシルバー健康ウォークの例会で訪れた滋賀県の「東の湖南アルプス=金勝(こんぜ)アルプス」に、再び行きました。昨秋と殆ど同じコースでしたが、違いは前回は北端の鶏冠山からの北峰縦走でしたが、今回は鶏冠山をカットし龍王山への北峰縦走となったことです。以前にも記しましたが、湖南アルプスには、鶏冠山や龍王山などの「東の湖南アルプス」と、太神(たなかみ)山を中心とした「西の湖南アルプス」があります。私がまだ独身時代の頃、友人たちとテントをかついで、よく一泊登山に行ったのは西の湖南アルプスが主でした。東西ともに、たかだか 600m 前後の山々ですが、風化した花崗岩が剥き出しになった荒々しい山容や、尾根筋や山頂から琵琶湖等が一望できる展望の良さが魅力で、低山歩きとは思えない充実感が得られます。

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 JR草津駅からバスで終点・上桐生で下車し、スタートです。北谷線から渓流沿いに落ヶ滝線へ入ります(湖南アルプスではルートを線と呼びます)。渡渉を何度も繰り返しながら落ヶ滝に向かいます。

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 落差20m強の 落ヶ滝。巨大な花崗岩を滑り落ちる滝水をしばし観賞し‥

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 大小の岩がゴロゴロ点在する渓流の沢を遡上し‥

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 巨大な岩の斜面をロープを頼りに慎重に登り‥

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 花崗岩が削られた岩の道を歩きます。ここまで岩が削られるまで、気の遠くなるような年月を要したことでしょうね。この標識のある三叉路から北峰縦走線に入り、天狗岩方面に向かいます。

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 気持ちのいい尾根筋歩きとなり、11時30分、展望の良いビューポイント(K8ポイント近く)の岩の上で昼食をとりました。琵琶湖の向こうに比叡山、左手最奥には愛宕山が見えています。食事後は再び荒々しい岩の尾根筋を歩きます。

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 天狗岩直下のK10ポイントに到着、ここで重いザックを降ろし、身軽になって天狗岩に登ります。

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 岩の切れ目・隙間を選びながら、急傾斜の岩を登ります。

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 天狗岩の頂上からの眺望。左手の山は鶏冠山、正面中央に近江富士(三上山)、琵琶湖の対岸には比良山系がうっすらと見えていました。

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 白石峰へと向かう尾根筋から振り返って見た 天狗岩と鶏冠山

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 耳岩 を過ぎ‥

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 風化した花崗岩の隙間をくぐり‥

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 白石峰の分岐点から龍王山方面へ。途中の茶沸観音(磨崖仏)を過ぎ、龍王山(標高:604.7m)に到着です。頂上は樹木に覆われ、東方面だけ眺望が可能で、近江富士が見えていました。山頂には4等三角点(点名:竜王山、基準点コード:5236-30-5202)が設置されています。

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 頂上直下には龍王社が祀られています。正しくは金勝寺八大龍王社と云い、山麓の大野神社の境外社となっています。

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 白石峰まで戻り、狛坂線から下山、上桐生に向かいます。とにかく巨岩・巨石に圧倒されます。国見石からは第2名神(新名神)高速道路が眼下に見えます。この山の下に第2名神・金勝山トンネルが通っています。磨崖仏が彫られている重ね石を通り過ぎ‥

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 狛坂寺跡の磨崖仏 を見学。狛坂寺は平安時代に創建された金勝寺の一院でしたが、明治時代に廃寺となりました。磨崖仏自体は寺の創建よりも早く、奈良時代後期の作と云われ、作風は朝鮮の統一新羅(しらぎ)彫刻の影響が見られることから、作者は渡来系石工によるものと云われています。

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 逆さ観音・磨崖仏 を見学。逆さ観音と呼ばれていますが、正しくは観音ではなく如来で、阿弥陀如来三尊磨崖仏です。磨崖仏は山上にあったのですが、明治期の治山事業「オランダ堰堤」築造の際に岩が掘り出されたため、後にバランスを失い、山上からずり落ちて逆さになってしまいました。

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 オランダ人の治山技師デ・レーケの銅像がある オランダ堰提 を過ぎると、ゴールの上桐生まであと一息です。15時30分発の草津駅行きバスに間に合うよう足を速めます。全員無事ゴールとなり、バスに乗り込み帰途につきました。本日の歩程 10.3km でした。