登山時期が遅かったため、イワウチワ(トクワカソウ)を見たいと云うメンバーの期待は、かなえられなかった今回の山行ですが、そこは、「花の百名山・赤坂山(山と渓谷社・選)」 のことです。早春の山野草のあとを引き継いで咲く、いろいろな花を堪能しました。特にツツジ(躑躅)は、丁度見頃を迎えていて、各種各様 見比べながら楽しむことが出来ました。

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 サラサドウダン(更紗灯台、更紗満天星)。ツツジ科ドウダンツツジ属の落葉樹で、日本固有種です。東北から近畿にかけて分布します。深山の岩地に生えるツツジで、釣鐘型の花は総状に多数吊り下がります。花の基部は淡黄色、先端は淡紅色で縦に紅色の筋が多数入るのが特徴です。

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 近畿のRDB状況‥兵庫県・三重県:絶滅危惧Ⅱ類、京都府:準絶滅危惧種。

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 サラサドウダンは、赤坂山から黒河峠にかけて見られる、この地を代表する花として、マキノ高原のキャラクター「さらさちゃん」のモデルになっています。

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 ウスギヨウラク(薄黄瓔珞)。静岡県以西の本州と徳島県に分布する、ツツジ科ヨウラクツツジ属の落葉樹。別名はツリガネツツジ。花は、枝先に鐘状筒形の黄緑白の花を3-8個つけ、花の筒先は5裂、花弁内部に赤い斑点が多数あります。花柄や萼に腺毛が多いのが特徴です。

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 ベニドウダン(紅灯台、紅満天星)。ツツジ科ドウダンツツジ属の落葉樹。本州中部以西、四国、九州の山地の岩尾根に自生します。葉は枝先に輪生状に集まり、紅色の釣鐘状の花が下垂します。近畿では、京都府で準絶滅危惧種としてRDB登録されています。

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 レンゲツツジ(蓮華躑躅)。ツツジ科ツツジ属の落葉樹。花は朱色で北海道から九州まで、日当たりの良い高原や草原に自生します。花が大きくて見栄えがしますが、有毒植物です。赤坂山頂上周辺の草原に群生しています。

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 蕾姿が蓮華のように見えるのが名前の由来です。

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 ユキグニミツバツツジ(雪国三葉躑躅)。ツツジ科ツツジ属の落葉樹。雪の多い日本海側に自生するので、この名前があります。比較的、濃い紅紫色の花を、枝先に一つだけ付けます。花の上部の裂片には濃い紅色の斑点があります。

・ツツジ以外に出会った花たち

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 オオバキスミレ(大葉黄菫)。スミレ科スミレ属の多年草。積雪量の多い日本海側の山地に分布する日本特産種です。スミレには珍しい黄色い花と、大きな葉が特徴で、スミレに弱い私でも判別できるので、好きな花の一つです。登山本の版元・山と渓谷社が選んだ「花の百名山・登山ガイド」の「赤坂山編」で取り上げた代表的な花が、このオオバキスミレです。

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 近畿のRDB状況‥京都府:準絶滅危惧種、滋賀県:分布上重要種。

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 タニウツギ(谷空木)。スイカズラ科タニウツギ属の落葉樹で日本特産種。登山中、いたる所でピンクの美しい花を披露してくれました。日本海側気候の山地の谷沿いや斜面に多く見られます。

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 イワナシ(岩梨)の実。完熟まで今しばらく時間がかかりそう‥

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 左上:チゴユリ(稚児百合)、右上:ツクバネソウ(衝羽根草)、左下:コアジサイ(小紫陽花)、右下:コナスビ(小茄子)。コアジサイの花が見たかったのですが、時期尚早でした。

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 オオイワカガミ(大岩鏡)。イワウメ科イワカガミ属の多年草。日本全国の高山帯から亜高山帯に分布し、草地や岩場に群生します。赤坂山までの前半コースでは、もう花は散っていましたが、三国山周辺では花が残っていました。

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 オオイワカガミの群れ。他にも、アオダモ、ナナカマド、ガマズミ、ウリハダカエデ、シハイスミレ、テンナンショウ等々の花も見られました。トクワカソウ、カタクリ、トキワイカリソウは、残念ながら花は終わっていました。2年前に見た トクワカソウの写真は → こちら

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 今日は気温も上昇して、シマヘビには4回も遭遇しました。いつも向こうの方から先に道を譲ってくれる、おとなしくて、いい奴です。