さて、5/12にツチアケビの発芽を確認し、6/4には大きく成長している姿を見て、この調子では3週間後(6/25前後)には待望の開花が見られるはず、と山友さんたちと話し合っていました。ところが、連日、天気予報は「雨マークと曇マーク」ばかりで、外出さえままならぬ日が続いていて、山行の日程が決められません。

★大阪・山友 「ツチアケビを見に行く」 6/22

 ぐずぐずしていると花期が過ぎてしまいます。軒並み「曇時々雨」の日のなかから、エイヤーッで6/22に決めました。当日は「曇天、昼頃から雨」との予報でした。朝からTELで「どうする?」「とにかく行こう!雨が降ってきたら即刻下山!」と云うことで、午前9時30分、予定地に4名が集合し、山へと入りました。

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 結論から言えば、強行して正解でした。とにかく何時、雨が降るか分からないので、お目当ての場所へと急ぎました。黄金色のツチアケビが雑木林の中に見えました。ジャスト・タイミングでした。ツチアケビ(土木草):ラン科ツチアケビ属の腐生植物。日本固有種で、13都県でRDBに指定されていて、近畿では奈良県で準絶滅危惧種に登録されています。

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 ここでは、ツチアケビ2本の発芽を確認していたのですが、1本だけが成長、もう1本は成長途上で枯死していました。花は満開で、幾らかは既に落花していました。

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 ツチアケビは、どちらかと言えば、真っ赤なソーセージ状の果実の方がよく知られていますが、なんと云っても、ラン科です。黄金色に輝く野生ランの花は絶品です。梅雨時に開花しますので、見る機会が少ない花の一つです。

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 こちらでは4本が、かたまって咲いていました。昨年の黒化したツチアケビの果実も残っていました。

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 無造作に咲き誇るツチアケビ。根元周辺には咲き終わった花が沢山落ちていました。

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 葉はいっさい無く、地面から鮮やかな黄土色の花茎だけが伸び、黄金色の花を咲かせます。解説本などには長いものは背丈が1mにも達すると記されていますが、私が今まで見てきたものは 50-70cm 前後のものが殆どでした。

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 時折、ポツポツと小雨が降ってきました。今日思い切って来て良かったです。強い雨に見舞われると、恐らく落花してしまい、もう今期は見ることが出来ないでしょう。

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 今回の山行では7-8ヵ所で、ツチアケビと出会うことが出来ました。これは一番多く群生していたもので10本程あり、見ごたえがありました。

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 次第に雲模様がおかしくなり、ツチアケビ観賞は終了し、適当な場所に移動して昼食を取り、山歩きを楽しみながら早々に下山しました。下山後しばらくして、予想通り本格的な雨となり、翌朝まで降り続けました。この美しい花が、秋には全く色も姿も異質な、日本産の疑似ウィンナー・ソーセージに変身してしまうとは、自然の不可思議さを感じずにはいられません。