梅雨時は、仲々外出やウォークの計画が立て辛いのですが、ジッとしているほどに、身体は鈍(なま)る、花は終わるで、思い切って ”お遊び山行計画” を立て、山友さんを誘ってみました。

★京都・山友 「ゆっくり歩こう生駒山、じっくり見よう幻のアジサイ」 6/27

 いつ雨が降ってもおかしくない時期なので、何時にするかが問題です。幾つかの予定候補日から、Iさんの決断で 6/27 に内定。もし雨が降れば行きたくない私と、多少の雨なら行くつもりのIさん、果たしてどうなることやら、とヤキモキしているうちに当日を迎えました。な、な、なんと、最近では珍しい青空が広がる晴天ではありませんか。夕方から再び雨になると天気予報は言っていましたが、昼間さえ降らなければ万々歳です。それにしても、なんという山友たちの悪運の強さ、もとい、普段からの行いの良さ‥なんでしょう。

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 幻のアジサイ(紫陽花)=シチダンカ(七段花)。ユキノシタ科アジサイ属の落葉樹で、江戸時代末期に来日したシーボルトが著書 「フローラ・ヤポニカ(日本植物誌)」 に記した日本特産のアジサイです。しかし、その後130年間、日本では存在が確認されず疑問視され、幻のアジサイと呼ばれましたが、昭和34年(1959)に六甲山で奇跡的に偶然発見されました。シチダンカはヤマアジサイ(山紫陽花)の変種ですが、ヤマアジサイとの違いは、両性花が退化しており開花前には落ちてしまい、開花時は装飾花だけになってしまうこと、装飾花が重弁化(八重化)している ことです。装飾花の萼片が七段になって咲くというのが、名前の由来です(ちょっとオーバーな表現かも)。

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 10時丁度スタートです。出発地点の生駒山麓公園には、ヤマモモ(山桃)が鈴なりです。木にいっぱい、足元にもいっぱい、手が届かず恨めしそうに眺めている山友たち。そこへ見知らぬおばちゃんがヒョコヒョコと木によじ登り、ヤマモモの実を取って分けてくれました。美味しいね、と早くも休憩にはいる山友たち。歩きだす前から、このノンビリさ。

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 燈籠ゲートをくぐると、一瞬にして別世界(森林)の中に引き込まれます。くさか園地に行く道と、生駒縦走路の分岐点です。私達は今日は左手の生駒縦走路を歩きます。

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 生駒縦走路を歩くこと約1時間で、辻子谷(ずしたに)コース出合に到着。ここから生駒縦走路を離れ、辻子谷コースへと進路変更です。今日はHさんのリハビリ研修を兼ねています。これまで、平地歩き、里山歩きを見事にクリアされてきて、いよいよアップダウンもあるワンランクアップの山歩きに挑戦してもらいます。このポイントでは、イノシシの罠に引っかかることもなく、無事通過され合格です(危険なイノシシの罠など歩く所にはないって? ギャグです)。

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 辻子谷コースは、生駒縦走路から生駒山に登る最短コースで、短時間で山頂に登れますが、それなりに傾斜もあったりして、無理せず身体を鍛えるには丁度いいです。快調に登るHさんに対して、付き添いの方がしんどそう。

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 11時30分、生駒信貴スカイラインを横切って、いよいよ山上遊園地を目指して、最後の階段登りです。

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 11時35分、生駒山上遊園地に到着。ここでテーブルとチェアのある日陰場所を確保して、昼食タイムとしました。

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 昼食後は遊園地内を散策です。SL列車乗り場の前で足が止まる人‥、乗りたいの?

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 このSL列車の敷地内、線路の内側に、生駒山1等三角点 (点名:生駒山、標高:641.99m)が隠れています。1等三角点は全国に972点あり、最高地点は南アルプスの「赤石岳(標高3120.53m)」、最低地点は佐賀県川副町の「大詫間(標高2.28m)」で、1等だからと云っても、必ずしも標高の高い所ばかりにあるのではなく、約4割は標高500m以下の低地に設置されています。SL列車の係員さんの許可を得て、中に入れてもらい、全員、三角点にタッチです。生駒山登頂後は、額田(ぬかた)園地へアジサイ見学に行きます。下山は摂河泉コースから、あじさい新道経由で額田園地へと向かいました。

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 生駒山頂の直下にある額田園地に到着。

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 総延長1.5kmの、あじさいプロムナード。約40種、2万5千株以上のアジサイ園は、関西地区最大級の規模を誇ります。冒頭のシチダンカを一番に見た後、順々に巡り歩きました。

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 額田園地案内所で一服です。アジサイ・リスト写真などを見て名前の確認をしました。

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 園地で見たアジサイの一部。左上:エゾアジサイ(蝦夷紫陽花)、ヤマアジサイ系の変種で一重のガク咲き。北海道、東北に自生。右上:ガクアジサイ(額紫陽花)、ガクアジサイ系の一種で、両性花、装飾花ともに青色ガク咲き。左下:ベニガク(紅額)、ヤマアジサイ系の一種で、咲き始めは白色、次に淡紅色、最後に紅色へと変化します。右下:ホンアジサイ(本紫陽花)、単にアジサイとも云います。ガクアジサイ系の変種で、大型の手まり咲きです。

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 膨大なアジサイ群に見飽きたのか、別のグループと一緒に池で遊んでいた、いや、自然観察に勤(いそ)しんでいた山友たち。よそのおばちゃんがストックでオタマジャクシを突ついていました。おばちゃん、ストックの使い方、間違ってるみたいです。

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 額田園地でアジサイ観賞を楽しんだあと、生駒縦走路を北上して生駒山麓公園へ向かいました。途中の展望地から大阪方面を望みました。もやっていてハッキリしませんが、左上に阿倍野ハルカスがかすかに見えていました。15時20分、山麓公園に帰着、ゴールとしました。Hさんの回復状況は至って順調で、あとはアップダウン等での持続性くらいでしょう。お天気の方は、午後から曇って来て、帰宅した頃には本格的な雨となりました。天気予報通りで、ラッキーな山行でした。本日の歩程 10.3km、休憩を含む所要時間は 5時間20分でした。