月替わりで、一年の後半戦に突入。気分も一新して、近くの里山歩きに出かけました。山道のはるか先を歩く4人組のおばちゃんたちの足が止まりました。追い抜く気にもなれず、こちらも足を止めて何か写真に撮るものはないかと時間稼ぎをしますが、おばちゃんたちは全く動く気配がありません。そのうち何か私を手招きしているようなので、仕方なく、足を進めることにしました。そして、追いついた、そこで目にしたのは‥

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 キヌガサタケ(衣笠茸)。スッポンタケ科スッポンタケ属のキノコの一種。梅雨時に竹林周辺で出現します。先月に3回も探しに行ったのですが、空振りばかりで、もう諦めていたのですが、今頃になって出会えるとは思ってもみませんでした。あれだけ見付けられなかったのを、おばちゃんたちに先を越されて教えてもらうとは‥嬉しいような、悲しいような心情でした。

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 知らないと思われるのも癪なので、「キヌガサタケですね」と先に声をかけると、「そう、キヌガサタケです。昨日はあの辺りにも生えていたのだけれど、今日はここでも生えていました」。エ、エ~ッ!昨日も生えていたの? 二日も連続して見られるとは、なんという悪運の強い、アッ、いえいえ、ラッキーなお方達なんでしょう。おばちゃんたちは仲良しグループだそうで、毎日同じコースを歩いているとのことでした。1週間か10日に一度しか里山に入らない私に比べて、毎日歩いて定点観測をしているおばちゃんたちとの差は歴然でした。脱帽です!おばちゃん、教えてくれて有難う‥。朝に生えて来て、昼過ぎには、ぐったりと萎れて姿を消してしまう、仲々目にすることの少ないキヌガサタケ、京都府では準絶滅危惧種としてRDB登録されている貴重なキノコです。

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 ソクズ(蒴藋、曽久豆)。レンプクソウ科ニワトコ属の多年草。花期は7-8月、茎の先に白い小さな花をびっしりとつけます。花冠は深く5裂して、お皿のように開出します。花には蜜がなく、花序のところどころにある壺のようになった黄色の腺体に蜜をためます。アリや昆虫が蜜壺に頭を突っ込んでいます。

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 ソクズは背丈が1.5-2.0mにもなる大型の草で、やや湿り気のある場所に生息します。

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 ヤブコウジ(藪柑子)。サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑低木。古くから日本人に愛されてきた植物で、「万葉集」では、山橘(ヤマタチバナ)の名で詠まれ親しまれています。

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 セリ(芹)。セリ科セリ属の多年草。水辺や湿地や休耕田など水分の多い場所に生育します。

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 アキノタムラソウ(秋の田村草)。シソ科アキギリ属の多年草。花期は7-11月と長期にわたります。やや青紫色がかった唇形花を数段輪生します。花の外側には白い毛が多く見られます。

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 ヤブミョウガ(薮茗荷)。ツユクサ科ヤブミョウガ属の多年草。林内の湿気の多い所に自生します。

Ryoubu
 リョウブ(令法)。リョウブ科リョウブ属の落葉樹。樹皮はサルスベリに似て、初夏に総状花序の花を咲かせます。

Nankinhaze
 ナンキンハゼ(南京櫨)。トウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉樹。名前は、ハゼの木の代わりに、この木の果実から蝋(ロウ)をとったことにちなみます。

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 ウワミズザクラ(上溝桜)の果実。バラ科ウワミズザクラ属の落葉樹。花の姿からは桜とは思えないのですが、小さな果実はサクランボに似ていて、桜の一種であることがわかります。