晩夏から初秋に見られる野草たちです。

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 ネコハギ(猫萩)。マメ科ハギ属の多年草。茎や葉には柔らかい毛が沢山見られます。全体に毛が多いことや、手触りが猫に似ていることなどから猫ハギと呼ばれます。三小葉の丸い葉がとても可愛いです

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 花は葉腋に生じ、大きさは7-8mmほど、花弁は白、旗弁の中央基部近くには1対の紅紫色の斑紋があります。茎は丈夫で毛が密生しており、地表を這い、あまり枝分かれせず、直線的に伸びて1mに達することもあります。

Mameasagao
 マメアサガオ(豆朝顔)。ヒルガオ科マメアサガオ属の一年草。北アメリカ原産で関東以西の野原や河川敷で普通に見られます。花の色は白で、上から見ると五角形の星型、大きさは直径1.5cmほどの小(ちい)ささで、豆朝顔の名前の由来となっています。

Maruba_rukousou
 マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)。ヒルガオ科サツマイモ属の北アメリカ原産の一年草。マメアサガオの赤花版と言ってもいいほどです。生息環境も同じで、土手や河川敷では、マメアサガオとマルバルコウが同居していて、紅白の花を競い合っています。

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 ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)。ナス科ナス属のツル性の多年草。花は白色、5裂して大きく後方に反り返ります。花筒の入り口には緑色の斑紋があり、オシベが花柱を取り巻いています。

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 ヒヨドリジョウゴの果実。江戸時代の「和漢三才図会」には、ヒヨドリがこの実を好んで群れ集まって大きな声を出しながら食べる様子が、酒に酔った人が騒ぐ様子と似ている、と云うのが名前の由来であると記されています。しかし、実際には鳥たちがこの実を食べている姿は見かけず、冬まで残っている果実は、まるで透き通ったルビーのように美しいです。ヒヨドリジョウゴの実は有毒です。鳥の多くは、こういった毒を食べても大丈夫とも云われていますが、本能的に鳥たちは食べないのかもしれません。

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 ヒヨドリついでに、もう一つ。ヒヨドリバナ(鵯花)。キク科ヒヨドリバナ属の多年草。この植物は、しばしばジェミニウイルスに感染し、葉に斑点が現れるものがあります。写真左が正常の葉、写真右がジェミニウイルスに感染した葉です。驚くべき事に、日本人は1200年も前に万葉集で、このウイルス感染したヒヨドリバナの和歌を詠んでいたのです。詳しくは → こちら をご覧下さい。