昨日はブログの自動投稿を設定していたのですが、eo-blog(会社)の方が午前中いっぱい、メンテナンス作業時間と云う事で、自動投稿されておらず、ご迷惑をおかけしました。
 さて、当地の花については、時間が許す限り、定時・定点観測をしていますが、私が植物観察をはじめてから今までの僅かな年月の内に、ハナイカダ、ツチアケビ、タヌキマメ、キキョウ等々が姿を消していきました。シュンラン、ノカンゾウ、リンドウ、ホトトギスなども、風前の灯です。今回はリンドウを探し歩きました。

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 リンドウ(竜胆)。リンドウ科リンドウ属の多年草。本州から九州にかけて、湿った野山に自生します。今でも田舎の田んぼの周りにはリンドウの花を見ることが出来ますが、これは田んぼの周辺は定期的に草刈が行われるのと関係しています。湿った場所で、よく日が当たる所は、リンドウにとっては好生息環境であるからです。当地ではそうした環境下にあったリンドウは全て姿を消してしまいました。ブッシュを掻き分け、立ち入った山中の僅かに日が差し込む場所で、ようやく見つけたリンドウです。まるで平家の落武者のように、人目を忍んで生き延びていたリンドウを見つけて、嬉しさと共に悲しさをも感じてしまいました。太陽が燦々と輝く、明るい畦で、堂々と咲きたかっただろうに‥。

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 一日歩き回って、見つけたのはここだけでした。近隣の市町村では、まだ見られる場所もありますので、リンドウの花を見るには困らないのですが、当地での生存確認が目的でしたので、今年も出会えたことを嬉しく思いました。しかし、シャツは蜘蛛の巣だらけ、ズボンは引っ付き虫(イノコヅチとヌスビトハギの果実)だらけで、あとから服やズボンから取り剥がすのに大変でした。

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 ノダケ(野竹)。セリ科シシウド属の多年草。本州から九州にかけての山野に生えます。白い花ばかりが多いセリ科にあって、暗紫色の花をつける「異端児」ですから、まさに私の好みのタイプです。以前には何箇所かで見られたのですが、当地では今はここだけになってしまいました。

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 茎は直立し、背丈は80-150cmと高くなります。名前は、直立し葉柄の基部が袋状に膨らんでいる様子が竹に似ているからという説が一般的ですが、野高(のたか)が転訛したという説もあります。

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 フユノハナワラビ(冬の花蕨)の栄養葉。ハナヤスリ科ハナワラビ属の冬緑性シダ植物。アキチョウジやアキノキリンソウなど「秋」の名前が付く草花が多い今、早くも「冬」の名が付く植物も出現してきました。

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 フユノハナワラビの 胞子葉です。ハナワラビと云う名前ですが、シダ植物ですから、花は咲きません。栄養葉の上方に胞子葉が立ち上がり、それが熟すと黄金色になる様子が、花が咲いたように見えるのです。

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 フユイチゴ(冬苺)。バラ科キイチゴ属の常緑樹。木本ですが背丈も低く、ツル植物のように地上を這い、まるで草のように見えます。夏場に咲いた花が実となり赤熟してきました。キイチゴですから味は保証付。

 キノコ類は殆ど未知の世界で、横目で見ながら通り過ぎることが多いのですが、名前を知っているもの、特徴があって名前が分かりそうなもの、だけは写真に撮っています。

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 ムラサキナギナタタケ(紫薙刀茸)。名前の通り、全体は紫色を帯びていて、棒状あるいは薙刀状の姿をしています。10本以上が束になって発生するケースが多く、小さなものは3cmほど、大きいものでは13cm前後の高さまで成長します。先端部分が分かれている場合もあります。

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 ベニナギナタタケ(紅薙刀茸)。子実体は棒状で、薙刀に似ており、紅色をしているのが名前の由来です。猛毒のカエンタケと良く似ていますが、ベニナギナタの先端は尖っていますが、カエンタケの先端はやや丸みを帯びています。

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 ベニチャワンタケモドキ(紅茶碗茸擬)。ベニチャワンタケとそっくりなベニチャワンタケモドキは、見た目では判別がかなり難しいのですが、「ベニチャワンタケは春頃、モドキは秋に多い」あるいは「ベニチャワンタケの方は外側に毛が生えていて白っぽく、モドキの方は毛がなくて内側と外側の色が殆ど変わらない」と、図鑑等にありますので、見分けられそうです。

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 マントカラカサタケ(マント唐傘茸)の幼菌。成長すると、背丈は30-50cm、カサが開くと、直径20-30cmにもなる、非常に大きくなるキノコです。カサが開くと、柄の周りに大きくツバが垂れ下がり、このツバをマントに見立てたのが和名の由来です。マントカラカサタケの成菌や詳細については → こちら

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 シロオニタケ(白鬼茸)の幼菌。角錐形の尖ったイボが全体についています。幼菌時は丸い形をしていますが、段々カサが開いていき、最終的には円盤状の平らな形のキノコになります。