この時期に見られる山野草の花や実です。
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イワタバコ(岩煙草)。イワタバコ科イワタバコ属の多年草。東北地方南部以南の山地の北側に面した場所や、直射日光が当たらない湿った岩壁などに生えます。花期は7-8月で、紅紫色もしくは白色の星形の花を、通常4-5個ほど下向きに咲かせます。この株は10個以上の花を付けていました。
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北向きの日が当たらない、山の渓流の岩場などがイワタバコの生息地です。
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渓流のしぶきが時々かかるような湿った岩場で群生するイワタバコです。
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タバコのような大きな葉が名前の由来です。
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昼なお暗き山の渓流脇で、滴り落ちる水滴を浴びながら、その美しさを誰にアピールすることもなく、謙虚に咲くイワタバコ。天から与えられた生命の営みを絶やさぬよう、これからも そっと見守っていってやりたいです。
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これを見たあと 金剛山でイワタバコと再会する予定でしたが入山禁止で叶わず。この渓流の写真で我慢です。
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イワタバコは、全国8県でRDBに登録されていますが、近畿地方では今のところ無指定です。いつまでも、この状態であり続けて欲しいものです。
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ソウシシヨウニンジン(相思子葉人参)の果実。ウコギ科トチバニンジン属の多年草。日本原産で全国の山地に生えます。トチバニンジン(栃葉人参)の変種とされていますが、変種とせず同一種とする説もあります。トチバニンジンの実は赤一色ですが、果実の先端が黒くなるものを ソウシシヨウニンジンと呼びます。この2種は、どちらも葉がトチに似て、黄緑色の小花を多数付けますので、2種を区別するのが難しく、実が熟して初めて区別することが可能です。
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葉は茎先に3-5枚が輪生し、ふつう5枚の小葉からなる掌状複葉です。長い花序柄の先に球形の散形花序を出します。花期は6-8月で、花は径3mmほどの小さな淡い黄緑色の5弁花です。果実は径6mmほどの球形の核果です。
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チゴザサ(稚児笹)。イネ科チゴザサ属の多年草。全国の湿原や水辺などに群生していることが多いです。先般、ブロ友さんの記事で見せてもらって、忘れていたのを思い出し、2013年以来7年ぶりに写真に撮ってみました。
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花期は6-8月で、茎の先端に長さ3-6㎝の円錐花序に、小穂を多数つけます。小穂は長さ約2㎜の楕円状球形、紫褐色を帯び 2小花からなっています。この状態で開花しているのは2個の両性花のうちの、後の1花で 最初の小花はほとんど葉鞘に包まれた閉鎖花だそうです。小さくて とても可愛い花です。
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オニユリ(鬼百合)。ユリ科ユリ属の多年草。全国の平地から低山にかけての野原などに生えます。種子は作らず、ムカゴで繁殖します
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オニユリの花の中心部を拡大して見ますと、ヤマユリ同様に斑点模様部分が盛り上がり、突起の間からは蜜が分泌されています。でも 結実することをやめたオニユリが、なぜ相変わらず無用の花粉や蜜を作り、虫を呼び続けているのか?‥花を咲かせること自体が不要のハズなのに‥不思議と云えば不思議です
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おまけは、少し時期が早くて花が咲いていなかったので「予告編」扱いです。ナンバンギセル(南蛮煙管)の蕾 です。ハマウツボ科ナンバンギセル属の一年草。全国の山野に生え、ススキやミョウガに寄生する寄生植物です。蕾の萼は淡褐色で淡紅紫色の筋が入り、先がとがっています。