7月に出会った樹木の実たちです。
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ハリモミ(針樅)の実。マツ科トウヒ属の常緑針葉樹。日本固有種。福島県以南の冷温帯に分布します。太平洋側に多く、日本海側には殆ど分布しません。日本のトウヒ属中もっとも低高度・南方まで分布する品種です。樹形がモミの木のようになり、葉先が尖っているのでハリモミの名が付きましたが、モミ属ではなくトウヒ属です。
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ハリモミの幹は直径1m、樹高は35mにもなる高木です。樹皮は灰褐色。葉は長さ15-25mm程と日本のトウヒ属の中ではもっとも大型で堅く、触れると痛いです。花は5-6月に咲き、球果は長さ7-15cmほどの比較的大型の実を付けます。果実が茶色のものは去年のもの、今年のものはまだ緑白色です。ヒマラヤ杉が上向きに果実をつけるのに対し、こちらは下向きに垂れ下がります。ハリモミは、全国14都県でRDBに登録され、近畿地方では‥奈良県・三重県:絶滅危惧Ⅱ類 となっています。
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クマシデ(熊四手、熊垂)。カバノキ科クマシデ属の落葉樹。本州以南の日当たりのよい山地に生えます。雌雄同株、雌雄異花。果穂の形が独特で、種子を抱いた果苞(葉の変形)が、重なり合って房状になったもので、夏まで緑色をしているが、秋に熟すと茶色になります。クマシデは全国3県でRDBに登録されていますが、近畿地方では無指定です。
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カラタチ(枳殻、枸橘))の実。ミカン科カラタチ属の落葉低木。中国原産で、日本へは古くに渡来し、奈良時代末期に成立したと言われる「万葉集」にも名が見られます。
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平安時代には果実は薬用とされました。また生け垣などにも植栽されてきましたが現在では殆ど見られません。柑橘類の中でも最も耐寒性が強く、やせた土地にも耐えて生育できるので、東北地方でも植栽されました。
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タチバナ(橘)の実。ミカン科ミカン属の常緑樹。別名はヤマトタチバナ(大和橘)・ニッポンタチバナ(日本橘)日本固有種。日本に自生する唯一の野生ミカン(柑橘類)です。本州の伊豆半島以西の太平洋岸などの温暖地の海岸に近い山地にまれに自生しています。
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タチバナは、環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)、全国15県でRDBに登録されており、近畿地方では‥和歌山県・三重県:絶滅危惧Ⅰ類 となっています。
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カラコギカエデ(鹿子木楓)の実。カエデ科カエデ属の落葉樹。 全国の低山の湿地の林内に生えます。葉は不揃いに浅く3裂し、先端が尖ります。翼果は直角ないし鋭角に開きます。全国9県でRDBに登録されており、近畿地方では‥奈良県:絶滅危惧Ⅰ類、滋賀県:準絶滅危惧種 となっています。
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イヌビワ(犬枇杷)の実。クワ科イチジク属の落葉樹。関東地方以西の暖地の山地や丘陵に生えます。果嚢は直径約2cmの球形で、秋に熟すると濃い紫色になります。ビワという名前が付きますが、イチジクの仲間ですし、イヌという名前が付きますが、完熟すると食べることも出来ます。
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ゴンズイ(権瑞、権萃)の果実。ミツバウツギ科ゴンズイ属の落葉樹。関東以西の日当たりの良い雑木林の林縁などに生えます。1つの花から3つの果実が出来ます。果実は袋果で、果皮は肉質で厚く、長さ1cmほどの半月形、赤熟すると実は割れて、1つの実からは光沢のある黒い種子が1-3個顔を出します。
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エゴノキ(漢字なし)の実。エゴノキ科エゴノキ属の落葉樹。全国の雑木林に生えます。果実は長さ2cmほどの卵型で、中には大きい種子を1個含んでいます。果実は食用にならず、噛むと「えごい(えぐい)」味がすることから「エゴノキ」と名付けられましたが、果皮に有毒なエゴサポニンを多く含むので口にしてはいけません。一方、果皮ノサポニンは石鹸の代用になるためセッケンノキとして古くから実用されてきました。
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エゴノネコアシ。エゴノキにエゴノネコアシアブラムシが寄生して出来た虫こぶ(ゴール)です。今の人はバナナの房のように感じますが、昔の人は「猫の足先」に似ているとのことで、エゴノネコアシと呼ばれました。
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ツリバナ(吊り花)の実。ニシキギ科ニシキギ属の落葉樹。全国の山地に生えます。果実は蒴果で、直径1cm程の球形。9-10月頃になりますと赤熟し、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が見られます。
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イチョウ(銀杏)の実。イチョウ科イチョウ属の落葉樹。日本では街路樹や公園樹として、また寺院や神社などでは防火用として植えられています。イチョウは「天然の防火扉」と言われるほど火災に強い木で、景観の良さだけでなく、火災予防としても一役買っています。果実の中にある種子は銀杏(ぎんなん)と呼ばれ、食用できます。秋に黄熟しますと悪臭を出し、触れると体質によっては、かぶれますので注意が必要です。
定期投稿日は五十日(ごとび=5と10の付く日)ですが、時々、臨時に投稿もさせていただきます。