この時期に見られた植物たちです。
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ホドイモ(塊芋)。マメ科ホドイモ属のツル性多年草。全国の山野、特に日当たりの良い林に自生します。花序は開花期間中しだいに伸びて長さ約18cmに達し、ときに枝分かれし、節はこぶ状に膨らんでいます。花色は黄緑色で、総状に花を多数つけます。
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花期は8-9月で、花は淡黄緑色の複雑な蝶形花。旗弁は広楕円形、翼弁はごく小さくて、竜骨弁は細長く内側に曲がっています。先が淡い紅色を帯び、この花のチャームポイントとなっています。先端からオシベが覗いています。正直、マメ科の花の構造って複雑なものが多くて、よく分かりません。
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ホドイモのホドとは、塊(かたまり)のことで、地下に塊状の芋を付けるのが名前の由来です。塊茎は食用とされ、滋養強壮効果が認められていて、市場では超高値で取引されているそうです。ホドイモは全国3都県でRDBに登録されていますが、近畿地方では無指定です。
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ソクズ(蒴藋)の実。ガマズミ科ニワトコ属の多年草。全国の山野や人家のそばなどに生えます。茎は直立し、高さは1-1.5mほどになる大型の草本です。写真の赤い方が実で、緑色の実のように見えるものは黄色だった蜜壷が色変わりしたものです。
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ソクズの花。最近はブログのアップ頻度が少なくなり、写真に撮っても紹介出来ず、お蔵入りするものが多いです。この花も7月に撮ったものの紹介できなかったもので、この機会に実と一緒に取り上げさせてもらいました。花は白色ですが蜜は出さず、周りの黄色いものが蜜壷で、これで虫たちを呼び寄せています
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ソクズは結実率が非常に低くて、出来た実の直径は4mmほどです。熟すと、まるでイクラのように、透き通った赤色になります。全国4県でRDB登録されていますが、近畿地方では無指定です。
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ヤブミョウガ(藪茗荷)。ツユクサ科ヤブミョウガ属の多年草。関東以西の暖地の林縁などに生えます。
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ヤブミョウガの実。花が終わると直径5mm程の淡緑色の丸い実を付け、熟すと濃い青紫色になります。
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ミョウガ(茗荷)。ショウガ科ショウガ属の多年草。熱帯アジア原産。古い時代に渡来した帰化植物で、本州以南の山地林野の樹木の下影に自生しています。夏になると、地中で花茎を伸ばし、蕾の部分は土の上に顔を出し、淡黄色の花を咲かせます。花は一日花です。
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ミョウガはショウガと同じ仲間です。世界中でこれを食べるのは日本だけで、栽培されているのも日本だけです。普段、私たちが食べるのは、この若い蕾で「花ミョウガ」と呼ばれますが、茎も食用とされ「茎ミョウガ」と呼ばれ、甘酢漬けにするとコリコリとした食感もあり美味しいです。
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ヤブガラシ(薮枯、藪枯)。ブドウ科ヤブガラシ属のツル性多年草。全国の低地から低山の道端や空き地、雑木林の林縁などに生えます。花期は7-9月で、オレンジ色の花盤が蜜源で、この蜜は、虫にとっては、とりわけ美味しいようで、直径5mmほどの小さな花なのに、色々な虫が次々に吸蜜に来ています。
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花のアップ画像。花はとても小さく(直径約5mmほど)、薄緑色の花弁4枚とオシベが4本、中央にメシベが1本あります。花弁とオシベは開花後、数時間で散ってしまうので、朝早くでしか見られません。花弁とオシベが落ちると、オレンジ色の花盤(盤状の花托)の中央にあるメシベが伸びて白くなり、ローソクが立ち上がったような感じになります。蜜がなくなると花盤はピンク色になります。私は単にオレンジからピンクに変わるだけと思っていましたが、東大の研究によると、オレンジ色からピンク→オレンジ→ピンクと3回も色が変わるそうで、昨年12月1日付の英科学誌『Scientific Reports』オンライン版で発表されました→詳しくは こちら をご覧ください。
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ヤブガラシの実。ヤブガラシは、関東以北はすべて3倍体で実を付けませんが、近畿地方など中部地方以西では実を付ける2倍体が多いです
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アキノタムラソウ(秋の田村草)。シソ科アキギリ属の多年草。本州以南の道端の草むらなどに自生します。秋の名が付いていますが、夏(7月)から11月頃まで咲く花期の長い花です。
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タムラソウと云う名前の由来ははっきりしませんが、紫色の花をたくさんつけるので、多紫草(たむらさきそう)が訛って「タムラソウ」と呼ばれたものの、キク科アザミ属に「タムラソウ」と云う別の花が先に登録されていたため、区別するため「秋のタムラソウ」になったと云う説があります。
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ヤマウド(山独活)。ウコギ科タラノキ属の多年草。全国の山野の林縁、野原、谷間など日当たりのよい場所か半日陰の傾斜地などに自生しています。正式和名は「ウド(独活)」ですが、ウドは山菜として広く栽培されていますので、野生のものは「ヤマウド」と呼ばれます
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花期は8-9月で、茎の上部に球状の散形花序を多数つけ、白色もしくは薄緑色の小さな花を咲かせます。
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シシウド(猪独活)。セリ科シシウド属の多年草。日本固有種。本州・四国の丘陵や山地のやや湿った日当たりのよい斜面などに生えます。先述のウドとは違った別の種属で、苦みが強くて食用にはならず、イノシシなら食うだろう、とこの名前が付いたそうです。
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山麓の湿った草地に生えているシシウド。草丈は人の背を越える、2mにもなる大型の草本なので、よく目立ちます。花期は8-11月で、大きな傘を広げたような白い花を咲かせます。