外歩きが少ないので、 6月に家で咲いていた花たちです。
アマチャ(甘茶)。アジサイ科アジサイ属の落葉低木。日本特産種で、分類学的にはヤマアジサイの一変種。本州中部以南の林内に生えますが、アマチャは古くから栽培され、自然界には もう自生種は存在しないとも云われています。樹高は約1mほどで、5-6月頃に、枝先に散房花序をつけます。中央に多数の小さな紫色の両性花があり、周りを淡紅紫色を帯びた白い3-5枚の装飾花(中性花)が取り囲んでいます。
アマチャ(甘茶)。アジサイ科アジサイ属の落葉低木。日本特産種で、分類学的にはヤマアジサイの一変種。本州中部以南の林内に生えますが、アマチャは古くから栽培され、自然界には もう自生種は存在しないとも云われています。樹高は約1mほどで、5-6月頃に、枝先に散房花序をつけます。中央に多数の小さな紫色の両性花があり、周りを淡紅紫色を帯びた白い3-5枚の装飾花(中性花)が取り囲んでいます。
こちらは、昨年の自宅で咲いていたアマチャの花。中央に多数の紅色の両性花があり、周りを淡い紅色を帯びた中性花(萼片、装飾花)が取り囲んでいて、冒頭(今年)の花色とは違っています。ヤマアジサイの仲間は個体差や環境によって花色も変わるので、見た目だけで品種を見分けるのは難しいようです。
アマチャは、特に葉に甘味が強い個体で、古くからお茶として親しまれ、薬用甘味剤としても日本薬局方に収載されています。有毒成分の存在はこれまで報告されておらず、甘茶の葉でシアン化合物が検出されたとの報告がありますが、普通に入れた甘茶では全く検出されていません。甘茶で大事なのは作り方で「葉 2-3gを 1リットル の水で煮出す」とあり、薄く入れることが大切で、濃い甘茶は避けるのが賢明であるようです。葉の量が多すぎたり、煮出しすぎたりした甘茶を飲むと、吐き気を催すことがあるそうで注意が必要です(2009年と2010年に甘茶を飲んだ園児や小学一年生たち数十人が気分が悪くなって吐き出した記録がありますが、いずれも軽症で1日以内に全員が快方となっています。原因は記されていませんが、多分、甘茶の作り方に問題があったのかも?)。
ウズアジサイ(渦紫陽花)。アジサイ科アジサイ属の落葉樹。アジサイの変種で、装飾花の縁が丸まってお椀型状になり、渦を巻いているように見えるのが名前の由来です。江戸時代に、ウイルスによって変異したものを園芸種として改良したそうです。別名はオタフクアジサイ。アジサイは土の酸性度によって花色が変化しますが、ウズアジサイのピンク色は「オカメ(お亀)アジサイ」と更に別名で呼ばれます。下の写真の下部には、萼片が丸まらず、広がった一般的なアジサイのような花が1つ見えていますが、これは「先祖がえり」と言われる本来の形質に戻る現象で、斑入りの葉や八重の花が、斑が入らなくなったり、一重になったりするのと同じ現象です。
ウズアジサイの2種類の花色(1本の木から2つの花色が出ています)。ウズアジサイは「手毬型アジサイ(=沢山の小さな花が集まって、手毬のような花を咲かせるアジサイ)」ですが、手毬型には珍しく、両性花と装飾花が混在して咲きます。装飾花の中で咲いている花は中性花で、下部の花枝の基部で隠れるように咲いている萼片のない小さな花が両性花です。
スカシユリ(透百合)2種。スカシユリは、アジアティックハイブリッドとも呼ばれ「品種が多く、花色はカラフル、香りは殆どなく、上向きに花が咲く‥」と云う程度しか知識はないのですが、毎年この時期に明るくて愛らしい花を揃って咲かせます。園芸種は好きではないのですが、ウズアジサイやスカシユリは別扱いです。
ノカンゾウ(野萱草)。ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。本州以南の野原に生息します。草丈は80-120cmくらい、6-7月頃に花茎の先に直径約7cmの橙赤色~赤褐色の花を数個つけます。花被片は6枚で長さ約10cm、花は朝に開いて夕方には萎(しぼ)む一日花で、一重咲きです。
ノカンゾウは、全国18都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・大阪府・兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類、奈良県・滋賀県・三重県:準絶滅危惧種 となっています。当地では殆ど見られなくなり、庭で育てています。
オカトラノオ(岡虎の尾)。サクラソウ科オカトラノオ属の多年草。昔 山で採ってきたのを植えて楽しんでいます。大概の花は3-4年で消滅することが多いのですが、こちらは こぼれ種を散らして定着しています。
メハジキ(目弾き)。シソ科メハジキ属の越年草。全国の野原や道端に生えます。花期は6-8月で、花は小型の唇形花で淡紅色、茎の上部の葉腋に段状に数個かたまって輪散花序となって付きます。夏の花後に出来た小さな種子は地面にこぼれ落ち、秋には小さく芽生え、そのまま越冬し、2年目の春頃から茎は成長・直立し、人間の背丈くらいかそれ以上の高さになります。茎につく葉は対生し、長さ 5-10cmで3深裂し、裂片は更に羽状に切れ込んでいます。茎頂近くの葉は切れ込みがなくなり、披針形ないし線形となっています。
メハジキは、全国10都道県でRDBに登録されており、近畿地方では‥奈良県:準絶滅危惧種 となっています。花は可愛いのですが小さくて目立たず、背丈が高くなるので、いやでも夏場の草刈りの対象となり、生き延びられず、これも当地では殆ど見られなくなり、庭で育てています。
ハゼラン(爆蘭)。ハゼラン科ハゼラン属の多年草。南米原産で明治初期に渡来しましたが、今では全国で野生化しています。初夏から秋に高さ30cmほどの茎の先に円錐花序を出し、5-6mmほどの小さな赤い5弁の花をまばらにつけます。
午後の3時ごろから開花しますので、サンジソウ(三時草)の別名があります。
おまけ
ご近所の垣根で、初めて見たこの花は‥??
調べてみるとフェイジョア(Feijoa)でした。フトモノ科Acca属の常緑低木。フェイジョアは南米原産の(キウイに似た)果実で店頭で売られているのは見たのですが、生木は初めて見ました。果樹としてだけでなく、近年は庭木や生垣として人気が高いのだそうです。花も食べられるそうです。いかにも熱帯らしい花でした。
アマチャは、特に葉に甘味が強い個体で、古くからお茶として親しまれ、薬用甘味剤としても日本薬局方に収載されています。有毒成分の存在はこれまで報告されておらず、甘茶の葉でシアン化合物が検出されたとの報告がありますが、普通に入れた甘茶では全く検出されていません。甘茶で大事なのは作り方で「葉 2-3gを 1リットル の水で煮出す」とあり、薄く入れることが大切で、濃い甘茶は避けるのが賢明であるようです。葉の量が多すぎたり、煮出しすぎたりした甘茶を飲むと、吐き気を催すことがあるそうで注意が必要です(2009年と2010年に甘茶を飲んだ園児や小学一年生たち数十人が気分が悪くなって吐き出した記録がありますが、いずれも軽症で1日以内に全員が快方となっています。原因は記されていませんが、多分、甘茶の作り方に問題があったのかも?)。
ウズアジサイ(渦紫陽花)。アジサイ科アジサイ属の落葉樹。アジサイの変種で、装飾花の縁が丸まってお椀型状になり、渦を巻いているように見えるのが名前の由来です。江戸時代に、ウイルスによって変異したものを園芸種として改良したそうです。別名はオタフクアジサイ。アジサイは土の酸性度によって花色が変化しますが、ウズアジサイのピンク色は「オカメ(お亀)アジサイ」と更に別名で呼ばれます。下の写真の下部には、萼片が丸まらず、広がった一般的なアジサイのような花が1つ見えていますが、これは「先祖がえり」と言われる本来の形質に戻る現象で、斑入りの葉や八重の花が、斑が入らなくなったり、一重になったりするのと同じ現象です。
ウズアジサイの2種類の花色(1本の木から2つの花色が出ています)。ウズアジサイは「手毬型アジサイ(=沢山の小さな花が集まって、手毬のような花を咲かせるアジサイ)」ですが、手毬型には珍しく、両性花と装飾花が混在して咲きます。装飾花の中で咲いている花は中性花で、下部の花枝の基部で隠れるように咲いている萼片のない小さな花が両性花です。
スカシユリ(透百合)2種。スカシユリは、アジアティックハイブリッドとも呼ばれ「品種が多く、花色はカラフル、香りは殆どなく、上向きに花が咲く‥」と云う程度しか知識はないのですが、毎年この時期に明るくて愛らしい花を揃って咲かせます。園芸種は好きではないのですが、ウズアジサイやスカシユリは別扱いです。
ノカンゾウ(野萱草)。ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。本州以南の野原に生息します。草丈は80-120cmくらい、6-7月頃に花茎の先に直径約7cmの橙赤色~赤褐色の花を数個つけます。花被片は6枚で長さ約10cm、花は朝に開いて夕方には萎(しぼ)む一日花で、一重咲きです。
ノカンゾウは、全国18都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・大阪府・兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類、奈良県・滋賀県・三重県:準絶滅危惧種 となっています。当地では殆ど見られなくなり、庭で育てています。
オカトラノオ(岡虎の尾)。サクラソウ科オカトラノオ属の多年草。昔 山で採ってきたのを植えて楽しんでいます。大概の花は3-4年で消滅することが多いのですが、こちらは こぼれ種を散らして定着しています。
メハジキ(目弾き)。シソ科メハジキ属の越年草。全国の野原や道端に生えます。花期は6-8月で、花は小型の唇形花で淡紅色、茎の上部の葉腋に段状に数個かたまって輪散花序となって付きます。夏の花後に出来た小さな種子は地面にこぼれ落ち、秋には小さく芽生え、そのまま越冬し、2年目の春頃から茎は成長・直立し、人間の背丈くらいかそれ以上の高さになります。茎につく葉は対生し、長さ 5-10cmで3深裂し、裂片は更に羽状に切れ込んでいます。茎頂近くの葉は切れ込みがなくなり、披針形ないし線形となっています。
メハジキは、全国10都道県でRDBに登録されており、近畿地方では‥奈良県:準絶滅危惧種 となっています。花は可愛いのですが小さくて目立たず、背丈が高くなるので、いやでも夏場の草刈りの対象となり、生き延びられず、これも当地では殆ど見られなくなり、庭で育てています。
ハゼラン(爆蘭)。ハゼラン科ハゼラン属の多年草。南米原産で明治初期に渡来しましたが、今では全国で野生化しています。初夏から秋に高さ30cmほどの茎の先に円錐花序を出し、5-6mmほどの小さな赤い5弁の花をまばらにつけます。
午後の3時ごろから開花しますので、サンジソウ(三時草)の別名があります。
おまけ
ご近所の垣根で、初めて見たこの花は‥??
調べてみるとフェイジョア(Feijoa)でした。フトモノ科Acca属の常緑低木。フェイジョアは南米原産の(キウイに似た)果実で店頭で売られているのは見たのですが、生木は初めて見ました。果樹としてだけでなく、近年は庭木や生垣として人気が高いのだそうです。花も食べられるそうです。いかにも熱帯らしい花でした。
コメント
コメント一覧 (10)
アマチャがアジサイの仲間とは・・・勉強になりました<m(__)m>
あのお釈迦さんのアマチャってこれなんですか?
あ、日本特産種と書いておられるからこれとは微妙に違うのでしょうか・・。
なんとなくアマチャヅルの方をイメージしていたので、アジサイの仲間だとは思ってもいませんでした(^^;
この季節お庭にアジサイがあると憂鬱な季節も情緒を感じられていいですね。
ノカンゾウ、種をもらって蒔いたのですが、今の蕾はどちらかなとドキドキです。ヤブカンゾウはいつの間にか庭に入り込んでいる先住民なのですが、ノカンゾウも交じっていないかと淡い期待です。
メハジキは庭に迎えれば暴れん坊なのに、野山で消えて行くのが不思議ですが、種子になる前に刈られてしまえば無理もありませんね。
コメント有難うございます。
甘茶は7年前に「奈良県薬業研究センター」を訪れた時に、帰り際に「シロウトでは甘茶には加工出来ませんが、花は美しいので鑑賞用として育ててみませんか」と苗木をいただいたものです。以後、毎年元気に花を咲かせてくれます。
コメント有難うございます。
狭い庭なので、植木鉢で育てているのが殆どです。希少種と云うか、限られた場所でしか見られない花、特にユキモチソウやムサシアブミなどのテンナンショウ類とか、当地から消え去ろうとしているノカンゾウなどの植物などを主に育てていますが、庭が狭いのでもう限度です。
コメント有難うございます。
く~ちゃんの返信にも書いたように、アマチャは奈良の薬用植物見学に行った際に苗木をいただいたものですが「アマチャを作るのは素人では無理です」と念押しされているので、花の鑑賞オンリーです。
コメント有難うございます。
このアマチャの木は7年前に「奈良県薬業研究センター」に見学に行った際に、帰り際に「苗木」を特別にプレゼントされたものです。甘茶はアマチャの葉を干して作るそうですが、工程管理が難しくて「素人では無理です」とのことでした。いただいて2-3年目頃から綺麗な花を咲かせるようになって、今も大事に育てています。ノカンゾウも薬業研究センターで同時に頂いたものです。メハジキは貴女から送ってもらったもので、毎年楽しませてもらっています。
コメント有難うございます。
アマチャは葉を乾燥させる(干す)工程が非常に難しくて、素人では無理と云うことです。でもアマチャのアジサイとしての美しさは断トツと云っていいくらい見事だと思います。滅多に手に入らないアマチャの苗木を頂いたのはラッキーでした。メハジキは当地でも1ヶ所生き残っている場所があるのですが、いつ絶滅するか分からないので、ひとえ様から種子を送ってもらったものです。