7月に出会った山野草たちです。
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タチカモメヅル(立鴎蔓)
。キョウチクトウ科タチカモメヅル属の多年草。日本固有種。近畿地方以西の、やや湿った草原、湿原、水辺の周辺などに生えます。最初は茎が自立して立ち上がるので、タチカモメヅルの名がありますが、茎の上部はやがてツル状になって他の植物などにゆるやかに巻きついていきます。花期は6-9月頃で、花の大きさは径9mmほど。花色は暗紫色で、花の先端が5つに分かれた花冠と、中心部のメシベを取り囲んだ5つの副花冠からなっています
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花は上部の葉腋に集まってつきます。蜜が美味しいのか、多くの蟻や虫が花についています。
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左の写真は、もともと直立していた茎に別のツルが巻き付いています。右の写真は何本かのツルが一緒に巻き付いています。
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直立していた茎も上部では横に倒れると、近くの草に巻き付きます。
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タチカモメヅルの葉。葉は対生で、長楕円状披針形で先端は尖り、基部は円形または心形です。
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近隣のタチカモメヅルはお互いが絡みあって、どれがどこの茎の花だか分からない状態です。
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タチカモメヅルは、全国(=西日本)15府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥大阪府:絶滅危惧Ⅱ類、京都府・奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県:準絶滅危惧種 となっています。
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タチカモメヅルの茎の先端にいた害虫を紹介:キョウチクトウアブラムシ(夾竹桃油虫)。キョウチクトウ科の植物(キョウチクトウ、ガガイモ、コバノカモメヅル等)だけに付く油虫で、樹液や植物の汁を吸うため、枝の成長や花つきを阻害します。体長は約2mm。鮮やかな黄色で、有翅型は光沢があり、角状管と尾片は黒色です。
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ヤブラン(薮蘭)。キジカクシ科ヤブラン属の多年草。本州以南の林床に生えます。花期は8-10月で、束生する根生葉の間から、高さ30-50cmほどの花穂を真っ直ぐに立て、総状花序を付けます。
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花は淡紫色で、花被片は6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)です。
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ノギラン(芒蘭)。キンコウカ科ノギラン属の多年草。全国の山地に生えます。花期は7-8月。根出葉の間から高さ20-50cmになる花茎を伸ばし、総状花序を付けます。
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ネバリノギラン(粘芒蘭)と似ていて、花が咲かないと区別は難しいです。ノギランの花は上を向いて咲き、全開しますが、ネバリノギランの花は壷形で殆ど開きません。
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ヒメヒオウギスイセン(姫檜扇水仙)。アヤメ科ヒオウギズイセン属の多年草。南アフリカ原産の2種類の花「ヒオウギズイセン」と「ヒメトウショウブ」との交配種で、フランスで創出され、明治時代に日本に渡来しました。花期は6-8月で、花の大きさは直径2-3cmと小ぶりながら、鮮やかな赤い色が特徴です。
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水辺から小川に覆いかぶさるヒメヒオウギスイセン。もともとは観賞用でしたが、生命力の強さから野生化しているものが多いです。
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キリンソウ(麒麟草、黄輪草)。ベンケイソウ科キリンソウ属の多年草。全国の海岸の岩上や山地草原、林縁などに生えます。花期は5-8月で、茎頂に3出の集散花序をだし、黄色の花を多数つけます。葉は多肉質な披針形~広倒卵形で、縁に鋸歯があり互生します。
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ヘクソカズラ(屁糞葛)。アカネ科ヘクソカズラ属のツル性多年草。日本全国に自生します。葉や茎に悪臭があることから、屁屎葛と云う不憫な名前を付けられました。一方で、花が可愛いらしいことからサオトメカズラ(早乙女蔓)とか、花の真ん中がお灸をすえた後のように丸く赤くなることからヤイトバナ(灸花)の別名もあります。
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虫の食害により、葉や茎が傷ついた時に、細胞内に蓄積したペデロシドという成分が分解してメルカプタンというガスを放出します。つまり、植物の立場からすると、自分の身を守るため、進化の過程で身につけた自己防衛メカニズムなので、大目に見てやりましょう。