7-8月に出会った山野草たちです。
natu_zuisen01
ナツズイセン(夏水仙)。ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。中国原産。古い時代に日本に渡来した帰化植物です。本州以南の人里近い、日当たりの良く風通しの良い野原などに生えます。花期は8月で、60cmほどの花茎を伸ばし、ピンク色の花を数輪まとまって咲かせます。
natu_zuisen02
早春に葉を出し、夏になると枯れ、その後に花茎が伸びて花を咲かせます(キツネノカミソリと同じですね)。
natu_zuisen03
花は長さ7㎝前後の筒状で、先端が6裂してラッパ状に開きます。淡いピンク色が上品に感じられます。ヒガンバナ科の共通の特徴で、花が咲く時は葉はなくて、葉が出る時は花は見られません。そのため、ナツズイセンは、英名では、マジック・リリー(magic lily=魔法の百合)とか、リザレクション・リリー(resurrection lily=復活の百合)と呼ばれます。
himawari01
himawari02
ヒマワリ(向日葵)
。キク科ヒマワリ属の一年草。北米原産。日本へは、ヨーロッパから中国へ伝わった後、1660年代後半に伝来したそうです。園芸種ですが、夏にはかかせない花ですね。
areti_matuyoigusa01
アレチマツヨイグサ(荒地待宵草)。アカバナ科マツヨイグサ属の越年草。北米原産。全国の路傍や河原・空き地などに生息します。メマツヨイグサによく似ていて、見分けが難しいですが、花弁と花弁の間に隙間があり、花弁の形がハート形をしているのがアレチマツヨイグサです。
ominaesi01
オミナエシ(女郎花)。オミナエシ科オミナエシ属の多年草。全国の日当たりの良い山野の草地や林縁に生えます。花期は7-9月で、茎の上部で分枝して、花茎の先端に黄色い小花を散房状に多数咲かせます。
ominaesi02
オミナエシは、万葉の昔より日本人に愛されてきた花で、秋の七草の一つです。
otoko_esi01
オトコエシ(男郎花)。オミナエシ科オミナエシ属の多年草。全国の日当たりのよい山野の草地などに生えます。花期は8-10月で、白い小花を散房状に多数つけます。オシベは4本、メシベは1本です。
tuyukusa01
ツユクサ(露草)。ツユクサ科ツユクサ属の一年草。全国の道端や草むらに生えます。花色は濃い青色で、6月頃から咲きますが、9月頃が一番多く見られるようです。
turu_nigakusa01
ツルニガクサ(蔓苦草)。シソ科ニガクサ属の多年草。全国の山地の木陰に生えます。今まで、ニガクサは1種類だけと思っていたのですが、今年出会った花は、少し違うような印象を受けたので、改めて調べてみたら、よく似た「ツルニガクサ」があると知ってビックリしました。過去に撮った写真を見直してみたら、両者ともに出会っていながら、すべて「ニガクサ」としていました。
turu_nigakusa02
ツルニガクサは、図鑑等では「ツルが伸びるニガクサということで命名された」と記されていたのですが、いくら探してもツルが見当たりません?? 何故?と更に調べてみると、地下に細長い走出枝(匍匐茎)があるのでツルと名付けられたとのことで、見えるわけがないのです。地下に出走枝があるだけで、いわゆるツル(性)植物ではないのです。ちなみに、ニガクサにも走出枝(=ツル)があり、更にニガクサの葉は噛んでも苦くはありません。牧野博士も苦くない旨を記していますが、この名の矛盾に関しては何も述べていません。という訳で「両者とも全く名は体を表しておらず」こんないい加減な名前の付け方をされてはシロウトに見分けられるはずがありません。
turu_nigakusa03
それでは、ニガクサとツルニガクサはどこで見分けられるのでしょうか。NETで更に調べてみますと、1つは「ニガクサは萼片に短毛があり、ツルニガクサは(写真のように)萼片や花軸に顕著な腺毛があるのが違い」とありました。
turu_nigakusa04
更には、ツルニガクサの葉は「不規則な鋸歯が多々見られる」ともあり、写真の葉も不規則な鋸歯が見られたので、今回撮ったものはニガクサとはせず、ツルニガクサとさせていただきました。
baasobu01
baasobu02
バアソブ(婆雀斑、婆ソブ)。キキョウ科ツルニンジン属のツル性多年草。全国の山地の林縁や原野に生えます。花期は8-9月で、花は径2-2.5cmの鐘形で、花冠の内側の上部は紫色で、下部には濃い紫色の斑点があります。
baasobu03
baasobu04
バアソブは、環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類 (VU)で、全国28都県でRDBに登録されており、近畿地方では‥三重県:絶滅危惧Ⅰ類 となっています。
★おまけ:庭の花
hoozuki01
ホオズキ(鬼灯、酸漿)の花。ナス科ホオズキ属の一年草または多年草。花期は7月頃で、淡い黄色味を帯びた白っぽい花を咲かせます。
myouga01
ミョウガ(茗荷)の花。ショウガ科ショウガ属の多年草。日本を含む東アジアが原産と云われ、全国各地に自生しています。食用として栽培されているのは日本だけだと云われています。通常、ミョウガと呼ばれているのは花蕾(からい)と呼ばれるタケノコ状の蕾で、7-8月頃に株のつけ根の地面から花蕾が出てきます。ほおっておくと花が咲きますが、食用にするには開花する前に収穫します。