8月に出会った山野草たちです。
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サギソウ(鷺草)。ラン科サギソウ属の多年草。本州以南の低地の湿原や湿地に生えます。花期は7-9月で、花の直径は3cmほど、唇弁は大きく、深く3列し、中裂片は披針形、両側の側裂片は斜扇形で側方に開出て、その縁は細かく裂けています。この唇弁の開いた様子が、白鷺が翼を広げた様子に似ているのが和名の由来です。
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開花直前の蕾。前方の蕾の下方には長い距が垂れ下がり、後方の横向きの蕾には、上方に屈曲した距が見えます。
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距の中には蜜があり、花粉を運んでくれる昆虫を引き寄せます。
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英名の Eargret Flower (イーグレット・フラワー) も「白鷺」の意です。花は開花して4-5日で枯れてしまいます。
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湿原のあちこちで飛翔姿を見せるサギソウたち。
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サギソウは、環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)で、全国43都道府県でRDBに登録 されており、近畿地方では‥京都府・奈良県・和歌山県:絶滅危惧Ⅰ類、大阪府・兵庫県・三重県:絶滅危惧Ⅱ類、滋賀県:準絶滅危惧種 となっています。
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シロバナサクラタデ(白花桜蓼)
。タデ科イヌタデ属の多年草。サクラタデの白花変種。本州以南の湿地や水辺、休耕田などに生えます。花期は8-10月で、サクラタデよりも全般に花が小さく、色も真っ白です。
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サクラタデのように雌雄異株ではなく、花にはメシベがオシベよりも短い「短花柱花」と、メシベがオシベよりも長い「長花柱花」の2タイプがあるそうです。関西では比較的見かけることが少ない花です。
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ハマユウ(浜木綿)。ヒガンバナ科ハマオモト属の多年草。肉厚で長い葉がオモト(万年青)に似ることから、ハマオモト(浜万年青)とも呼ばれます。主に温暖な海浜で見られます。道ばたや公園、庭に植えられることもあり、これは道端に植えられていたものです。神事に使われる木綿(ユウ)という布に花が似ていることから名前が付けられました。
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セリ(芹)。セリ科セリ属の多年草。全国の湿地やあぜ道、水田や休耕田などに生えます。和名は、まるで競い合うように(競り=セリ)、群生していることに由来します。
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ハス(蓮)の花。ハス科ハス属の多年草。原産地はインド周辺。全国の池や沼に自生しています。花期は夏(7-8月)で、葉柄よりも長い花茎を水上に出して、白またはピンク色の1輪の花を咲かせます。花は早朝に咲き、昼には閉じてしまいます。花の開閉を3-4日繰り返したあと、花は散ります。
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ハスの実。花後は花床の穴の中で実を結びます。ハスの実と呼ばれる果実(種子)はそのまま生食できます。地下茎も食べられ、レンコン(蓮根)として有名ですね。
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ナンバンギセル(南蛮煙管)。ハマウツボ科ナンバンギセル属の一年草。寄生植物で、全国の山野のススキ、ミョウガ、サトウキビなどの根に寄生します。花期は7-8月、茎のように見える高さ15-20cmの直立した花柄の先に、淡紫色の花を横向きにつけます。
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萼は淡褐色で、淡紅紫色のスジが入り、先がとがり、下側はほとんど基部まで裂けています。
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ナンバンギセルは、全国11府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府:要注目種 となっています。
お知らせ:9月からは従来通り、水曜日と土曜日の週2回投稿とさせていただきます。