8月に出会った山野草たちです。
カラスウリ(烏瓜)。ウリ科カラスウリ属のツル性多年草。本州以南の林や薮に生え、草木に絡みついて成長します。花期は7-9月頃で、日没後に開花し、夜明け前には花を閉じてしまう、一夜花です。
カラスウリ(烏瓜)。ウリ科カラスウリ属のツル性多年草。本州以南の林や薮に生え、草木に絡みついて成長します。花期は7-9月頃で、日没後に開花し、夜明け前には花を閉じてしまう、一夜花です。
毎夏お馴染みの花ですが、闇夜の中で薄白くボワーッと浮かび上がる姿は、いつ見ても幻想的で「夜の世界の女王様」です。この妖艶な女王の魅力に取り憑かれると、夜の里山に足を踏み込まずにはおられません。
近くの里のカラスウリが昨年の雑草刈りの影響で殆ど見られなくなり、昼間に訪れた山のお寺周辺で、沢山の萎んだカラスウリが見られました。ここなら車道も完備されているので、夜でも安全に行けそうなので、お盆の時期の午後8時頃に訪ねてみました。
車道の外灯下に車を止め、右手にコンデジ、左手に懐中電灯を持って、カラスウリが群生していた場所に行きます。懐中電灯で上を照らすと、カラスウリのツルが垂れ下がった姿が期待通り目に止まりました。
懐中電灯の照明が、遠くから広範囲に撮る時と、近くからアップで撮る時とは、ライトの当たり具合のせいで写真が暗くなったり明るすぎて白飛びしたり、思うように撮れません。片手は懐中電灯、片手はコンデジと、両手を操作しながらシャッターを押すので手振れもしばしばです。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるを信じて、シャッターを押しますが、帰宅後確認したら、まともな写真は10枚もありませんでした。
近年は体力の衰えもあって、遠出はもちろん、近くの散策も控えがちになっています。特に今年の4-6月には大病を経験したので無理は出来ません。体力の低下は顕著ですが、お陰様で今は意識も明瞭で気力も落ちていません。このまま尻つぼみ的にならぬよう、今少し気力が充実しているうちは、安全を確認しながら、植物観察などを続けたいと思っています。久しぶりの夜のカラスウリ鑑賞、写真はいまいちでしたが、夜の女王様と出会えて元気を頂きました。
近くの里のカラスウリが昨年の雑草刈りの影響で殆ど見られなくなり、昼間に訪れた山のお寺周辺で、沢山の萎んだカラスウリが見られました。ここなら車道も完備されているので、夜でも安全に行けそうなので、お盆の時期の午後8時頃に訪ねてみました。
車道の外灯下に車を止め、右手にコンデジ、左手に懐中電灯を持って、カラスウリが群生していた場所に行きます。懐中電灯で上を照らすと、カラスウリのツルが垂れ下がった姿が期待通り目に止まりました。
懐中電灯の照明が、遠くから広範囲に撮る時と、近くからアップで撮る時とは、ライトの当たり具合のせいで写真が暗くなったり明るすぎて白飛びしたり、思うように撮れません。片手は懐中電灯、片手はコンデジと、両手を操作しながらシャッターを押すので手振れもしばしばです。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるを信じて、シャッターを押しますが、帰宅後確認したら、まともな写真は10枚もありませんでした。
近年は体力の衰えもあって、遠出はもちろん、近くの散策も控えがちになっています。特に今年の4-6月には大病を経験したので無理は出来ません。体力の低下は顕著ですが、お陰様で今は意識も明瞭で気力も落ちていません。このまま尻つぼみ的にならぬよう、今少し気力が充実しているうちは、安全を確認しながら、植物観察などを続けたいと思っています。久しぶりの夜のカラスウリ鑑賞、写真はいまいちでしたが、夜の女王様と出会えて元気を頂きました。
クサネム(草合歓)の花。マメ科クサネム属の一年草。全国の水田などに生える、いわゆる水田雑草です。花期は7-10月で、葉の脇から短い花序を出し、淡黄色の小さな蝶形花を咲かせます。葉は常に太陽の方向を向いていて(日周運動)、太陽が沈むと葉を閉じて寝てしまいます(就眠運動)。ネムノキと同じように眠ったり、葉が羽状複葉で似ているので、クサネムと名付けられました。
クサネムの果実。9-11月頃に棒状の莢(さや)が成熟します。莢には節があり、成熟するとポキポキと折れて地面に落ちます。秋のイネの収穫時に、玄米にクサネムの種が混ざると検査等級が下り、買い取り価格が下がるそうですから、農家にとっては害草以外の何者でもないようです。
★オトギリソウ科の花 その1
アゼオトギリ(畦弟切)。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。花期は8-9月で、小さな黄色い花と、葉や花の縁に見られる黒い斑点(黒点)が特徴です。
戦前は山間部の田のあぜ道や水田に隣接した湿地などで普通に見られたそうですが、戦後は、一転して東京都・神奈川県で絶滅、大阪府・京都府など多数の府県で絶滅寸前状態となっています。アゼオトギリは、環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類(EN)で、全国34都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・大阪府・奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県:絶滅危惧Ⅰ類、兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類 となっています。
サワオトギリ(沢弟切)。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。日本固有種。全国の山地の水辺や湿地に生えます。背丈は20-30cm、葉は対生し、倒卵形~長楕円形で、花は黄色で、直径1cm程、花弁は5-6枚です。
サワオトギリの葉の縁には黒点が、葉全体に明点が明瞭に見られます。サワオトギリは、全国2県でRDBに登録されており、近畿地方では‥奈良県:注目種 となっています。
ミズオトギリ(水弟切)。オトギリソウ科ミズオトギリ属の多年草。全国の沼地や湿原に生育します。花期は8-9月で、茎先および各葉腋に短い柄のある花序をつけ、花は淡紅色で直径約1cmほどの少数の花をつけます。花は午後3時頃から開花し、夕方には萎みます。
ピンク色の花をつけるオトギリソウは、日本では本種だけです。
葉は対生し、長さ3-7cm、幅1-3cmで、葉には白っぽい明点のみが沢山見られ(黒点はなし)、オトギリソウの仲間であることがよく分かります。
ミズオトギリは、全国14都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・大阪府・奈良県:準絶滅危惧種 となっています。
トサオトギリ(土佐弟切)。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。日本固有種。東海や近畿の一部と四国に自生します。花期は7-8月で、花序を伸ばし黄色い花をまばらに咲かせます。花弁の縁は波状で黒点があります。
トサオトギリは、環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠA類(CR)で、自生地だった全国5県のうち、愛知県:絶滅、兵庫県・岡山県・香川県・高知県:絶滅危惧Ⅰ類 となっています。
クサネムの果実。9-11月頃に棒状の莢(さや)が成熟します。莢には節があり、成熟するとポキポキと折れて地面に落ちます。秋のイネの収穫時に、玄米にクサネムの種が混ざると検査等級が下り、買い取り価格が下がるそうですから、農家にとっては害草以外の何者でもないようです。
★オトギリソウ科の花 その1
アゼオトギリ(畦弟切)。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。花期は8-9月で、小さな黄色い花と、葉や花の縁に見られる黒い斑点(黒点)が特徴です。
戦前は山間部の田のあぜ道や水田に隣接した湿地などで普通に見られたそうですが、戦後は、一転して東京都・神奈川県で絶滅、大阪府・京都府など多数の府県で絶滅寸前状態となっています。アゼオトギリは、環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類(EN)で、全国34都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・大阪府・奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県:絶滅危惧Ⅰ類、兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類 となっています。
サワオトギリ(沢弟切)。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。日本固有種。全国の山地の水辺や湿地に生えます。背丈は20-30cm、葉は対生し、倒卵形~長楕円形で、花は黄色で、直径1cm程、花弁は5-6枚です。
サワオトギリの葉の縁には黒点が、葉全体に明点が明瞭に見られます。サワオトギリは、全国2県でRDBに登録されており、近畿地方では‥奈良県:注目種 となっています。
ミズオトギリ(水弟切)。オトギリソウ科ミズオトギリ属の多年草。全国の沼地や湿原に生育します。花期は8-9月で、茎先および各葉腋に短い柄のある花序をつけ、花は淡紅色で直径約1cmほどの少数の花をつけます。花は午後3時頃から開花し、夕方には萎みます。
ピンク色の花をつけるオトギリソウは、日本では本種だけです。
葉は対生し、長さ3-7cm、幅1-3cmで、葉には白っぽい明点のみが沢山見られ(黒点はなし)、オトギリソウの仲間であることがよく分かります。
ミズオトギリは、全国14都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・大阪府・奈良県:準絶滅危惧種 となっています。
トサオトギリ(土佐弟切)。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。日本固有種。東海や近畿の一部と四国に自生します。花期は7-8月で、花序を伸ばし黄色い花をまばらに咲かせます。花弁の縁は波状で黒点があります。
トサオトギリは、環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠA類(CR)で、自生地だった全国5県のうち、愛知県:絶滅、兵庫県・岡山県・香川県・高知県:絶滅危惧Ⅰ類 となっています。
コメント
コメント一覧 (8)
カラスウリは近くでも見るのですが、花は夜にならないと開かないので、会いたい気持ちは大いにあるものの夜の闇は不安で会いに行けません。
ここでたっぷり優雅で清楚な花を見せて頂いて嬉しいです。出かけてレポートして頂いてありがとうございます。懐中電灯でライトアップされた花が待ってましたとばかりに輝いているように見えます。
ミズオトギリはほんとに可愛い花ですね。比較的近くで咲くことを知ってからは会いに行かずにはいられません。オトギリソウの中でこの花だけピンクというのも可愛い花姿にぴったりの気がします。
びっくりしました、当方には全く無理なことです(^o^)
コメント有難うございます。
今まで、近くの里でカラスウリを見ていたのですが、家から現地まで歩く距離も長く、田畑の周辺ではヘビが出る可能性も高く、不安がいっぱいでした。今回は車で直近まで行き、歩いて1-2分で自生地到着なので、安心感もあり、体力も必要でないのが良かったです。家で家内が植えていた「月下美人」が今年初めて夜に花が咲きましたが、個人的にはカラスウリの方が魅惑的でした。ミズオトギリも、開花時間が夕方の少しの時間帯だけなので、見られると嬉しいですね。黄花のオトギリソウばかりの中で、ピンクの花はやはり魅力的ですね。
コメント有難うございます。
上記の返信でも書きましたように、今回のカラスウリ鑑賞は、すべてに安全度が高く、降車して1-2分で自生地なので、気力も体力も殆ど不要でした。夜、片道10分ほどの夜間運転に注意するだけでした。
コメント有難うございます。
クサネムは、植物学的にはネムノキ同様に面白い習性があって、見ておきたい植物ですが、水田雑草としては農家の嫌われ者なので、早い段階で駆逐されることが多いと思われます。残念ですが、見られなくなるのは仕方ないですね。
コメント有難うございます。
仰るように、当地でもサワオトギリが一番よく見られます。その次に比較的には、野原でオトギリソウ、湿地などでコケオトギリが時々見られます。あとのオトギリソウたちは、自生地が限られていますので植物園や公園などでしか見られません。オトギリソウとコケオトギリは近いうちにアップする予定です。カラスウリも、夜の探索は危険が伴いますので、昼間の散策時に、萎んだカラスウリを見つけたら、その場所が夜でも安全かどうかをチェックしていたのが役に立ちました。