8月に見られた山野草です。
ツチアケビ(土通草)の果実。ラン科ツチアケビ属の多年草。日本固有種。全国の森林(落葉広葉樹林)内や笹薮の群落中などに生息する菌従属栄養植物です。果実は、赤いソーセージあるいは赤いバナナのように見えますが、昔の人は「土から出てきたアケビの実」とみなして、ツチアケビと名付けられました。
ツチアケビ(土通草)の果実。ラン科ツチアケビ属の多年草。日本固有種。全国の森林(落葉広葉樹林)内や笹薮の群落中などに生息する菌従属栄養植物です。果実は、赤いソーセージあるいは赤いバナナのように見えますが、昔の人は「土から出てきたアケビの実」とみなして、ツチアケビと名付けられました。
茎は高さ30-100cm程で、太くて硬いです。
果実は、肉質で長さ6-10cmほどで、熟しても裂けません。ラン科植物は埃種子と呼ばれる非常に微小な種子を大量に風に乗せる種子散布を行いますが、ツチアケビの種子は比較的大きくて、2015年の京都大学の研究によりヒヨドリなどの鳥によるツチアケビの種子散布が明らかにされました。これは世界で初めてラン科植物における動物による種子散布の報告となりました(Wikipediaより)。
ツチアケビは、全国19都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・奈良県:準絶滅危惧種となっています。
ノカンゾウ(野萱草)。ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。本州以南の野原に生息します。草丈は80-120cmくらい、6-8月頃に花茎の先に直径約7cmの橙赤色~赤褐色の花を数個つけます。花被片は6枚で長さ約10cm、花は朝に開いて夕方には萎(しぼ)む一日花で、一重咲きです。
ノカンゾウは、全国18都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・大阪府・兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類、奈良県・滋賀県・三重県:準絶滅危惧種 となっています。
キンミズヒキ(金水引)。バラ科キンミズヒキ属の多年草。全国の低山の道ばたや原野に生えます。茎は直立し毛が多く、高さは50-100cmほど、よく分枝します。
花期は7-10月で、分枝した茎先に総状花序を作り、黄色く小さな5弁花が付きます。
アキカラマツ(秋唐松)。キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草。全国の日当たりの良い草原や山麓などに生えます。初夏から秋にかけて、カラマツの葉を思わせる黄緑色の小さな花を枝先に群がるように咲かせます。
花序は円錐花序で、茎の頂端に付き、多数の淡黄白色の小花をつけます。花弁は無く、花弁のように見える萼片が3-4枚あり、開花すると萼片は落ちてしまい、多数の長くて糸状のオシベが目立つようになります。
ウバユリ(姥百合)。ユリ科ウバユリ属の多年草。関東以西の山地の森林などに生えます。花期は7-8月で、茎の上部に長さ12-17cmの細長い花びらが、やや不規則に横向きに付きます。花色は緑白色。花びらは付け根まで深く6つに裂けますが、大きくは開かず、先端がやや反ったラッパ型になります。
ウバユリの新芽。3-4月頃に芽生えた新芽は、葉が大きくて(長さ15-25cmで)網状の脈があり、卵状心形です。
ウバユリの蕾。7月頃には大きな葉の中央から花茎を伸ばし、茎は直立し、背丈は1m前後となります。
ウバユリの花のアップ。花びらの内側の奥の方に赤褐色の斑点があります。中部地方以北では、花数の多い大型の変種・オオウバユリが生息します。
タカサゴユリ(高砂百合)。ユリ科ユリ属の多年草。台湾固有種。日本へは1924年に園芸用に移入され、各地で野生化し、東北地方南部以南の野原や山麓、道路脇や高速道路の法面(のりめん)などに広く分布しています。花期は7-9月、花長は15-20cm、直径は5cm強と大きめ、花は白色で花被片は6枚、日本のテッポウユリよりも大型です。花の外側に赤色~紫色の筋が入っているのが普通です。
花は横向きで少し下に傾くことが多いです。葉が細いので「ホソバテッポウユリ」とも呼ばれます。在来種のテッポウユリは4-6月が花期ですが、タカサゴユリの花期は7-9月なので、時期的に間違えることはありません。
タカサゴユリは自家受粉し(つまり一本だけでも結実するこが出来)花後の果実の中には大量の種子を宿し、この大量の種子を風に乗せて飛ばして広範囲に広がるために、繁殖力は非常に強力です。植えた覚えもないのに、夏にテッポウユリのような花が勝手に咲いていたら、タカサゴユリと思ってもいいでしょう。
シンテッポウユリ(新鉄砲百合)。日本のテッポウユリと台湾のタカサゴユリとを人為的に交配して1951年に日本で作出された園芸種ですが、繁殖力が強く、これも野生化しています。開花は8-9月で、タカサゴユリのように花被片の外側に赤い筋が入らず、純白な花なので清純さも手伝って、こちらの方は勝手に生えて来ても、抜かれずにおかれている率が高いようです。ちなみに夏に見られる真っ白なユリはシンテッポウユリと云えます。
シンテッポウユリは純白色の花ですが、ただ、交雑を繰り返すとタカサゴユリとの見分けがつかなくなるようです。シンテッポウユリは、外来種のタカサゴユリと在来種のテッポウユリとの雑種であることから、外来種として扱われており、地域によっては在来種のユリとの交雑が危惧されることから、環境省の「生態系被害防止外来種リスト」においては「その他の総合対策外来種」とされています。
果実は、肉質で長さ6-10cmほどで、熟しても裂けません。ラン科植物は埃種子と呼ばれる非常に微小な種子を大量に風に乗せる種子散布を行いますが、ツチアケビの種子は比較的大きくて、2015年の京都大学の研究によりヒヨドリなどの鳥によるツチアケビの種子散布が明らかにされました。これは世界で初めてラン科植物における動物による種子散布の報告となりました(Wikipediaより)。
ツチアケビは、全国19都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・奈良県:準絶滅危惧種となっています。
ノカンゾウ(野萱草)。ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。本州以南の野原に生息します。草丈は80-120cmくらい、6-8月頃に花茎の先に直径約7cmの橙赤色~赤褐色の花を数個つけます。花被片は6枚で長さ約10cm、花は朝に開いて夕方には萎(しぼ)む一日花で、一重咲きです。
ノカンゾウは、全国18都府県でRDBに登録されており、近畿地方では‥京都府・大阪府・兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類、奈良県・滋賀県・三重県:準絶滅危惧種 となっています。
キンミズヒキ(金水引)。バラ科キンミズヒキ属の多年草。全国の低山の道ばたや原野に生えます。茎は直立し毛が多く、高さは50-100cmほど、よく分枝します。
花期は7-10月で、分枝した茎先に総状花序を作り、黄色く小さな5弁花が付きます。
アキカラマツ(秋唐松)。キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草。全国の日当たりの良い草原や山麓などに生えます。初夏から秋にかけて、カラマツの葉を思わせる黄緑色の小さな花を枝先に群がるように咲かせます。
花序は円錐花序で、茎の頂端に付き、多数の淡黄白色の小花をつけます。花弁は無く、花弁のように見える萼片が3-4枚あり、開花すると萼片は落ちてしまい、多数の長くて糸状のオシベが目立つようになります。
ウバユリ(姥百合)。ユリ科ウバユリ属の多年草。関東以西の山地の森林などに生えます。花期は7-8月で、茎の上部に長さ12-17cmの細長い花びらが、やや不規則に横向きに付きます。花色は緑白色。花びらは付け根まで深く6つに裂けますが、大きくは開かず、先端がやや反ったラッパ型になります。
ウバユリの新芽。3-4月頃に芽生えた新芽は、葉が大きくて(長さ15-25cmで)網状の脈があり、卵状心形です。
ウバユリの蕾。7月頃には大きな葉の中央から花茎を伸ばし、茎は直立し、背丈は1m前後となります。
ウバユリの花のアップ。花びらの内側の奥の方に赤褐色の斑点があります。中部地方以北では、花数の多い大型の変種・オオウバユリが生息します。
タカサゴユリ(高砂百合)。ユリ科ユリ属の多年草。台湾固有種。日本へは1924年に園芸用に移入され、各地で野生化し、東北地方南部以南の野原や山麓、道路脇や高速道路の法面(のりめん)などに広く分布しています。花期は7-9月、花長は15-20cm、直径は5cm強と大きめ、花は白色で花被片は6枚、日本のテッポウユリよりも大型です。花の外側に赤色~紫色の筋が入っているのが普通です。
花は横向きで少し下に傾くことが多いです。葉が細いので「ホソバテッポウユリ」とも呼ばれます。在来種のテッポウユリは4-6月が花期ですが、タカサゴユリの花期は7-9月なので、時期的に間違えることはありません。
タカサゴユリは自家受粉し(つまり一本だけでも結実するこが出来)花後の果実の中には大量の種子を宿し、この大量の種子を風に乗せて飛ばして広範囲に広がるために、繁殖力は非常に強力です。植えた覚えもないのに、夏にテッポウユリのような花が勝手に咲いていたら、タカサゴユリと思ってもいいでしょう。
シンテッポウユリ(新鉄砲百合)。日本のテッポウユリと台湾のタカサゴユリとを人為的に交配して1951年に日本で作出された園芸種ですが、繁殖力が強く、これも野生化しています。開花は8-9月で、タカサゴユリのように花被片の外側に赤い筋が入らず、純白な花なので清純さも手伝って、こちらの方は勝手に生えて来ても、抜かれずにおかれている率が高いようです。ちなみに夏に見られる真っ白なユリはシンテッポウユリと云えます。
シンテッポウユリは純白色の花ですが、ただ、交雑を繰り返すとタカサゴユリとの見分けがつかなくなるようです。シンテッポウユリは、外来種のタカサゴユリと在来種のテッポウユリとの雑種であることから、外来種として扱われており、地域によっては在来種のユリとの交雑が危惧されることから、環境省の「生態系被害防止外来種リスト」においては「その他の総合対策外来種」とされています。
コメント
コメント一覧 (6)
ツチアケビがもうこんなに赤くなっているのですね。花とは似つかぬ自己主張の強い姿が印象的ですね。ツチアケビを啄む鳥の図など見たことがないのですが、研究の成果はすごいですね!
だから今まで見たことがなかった場所にも現れるのかと納得する思いです。
アキカラマツの涼しげ名姿がいいですね。好きな花なのですが、この頃ゆっくり会う機会がありません。
この時期シンテッポウユリが一斉蜂起するかのように野山のあちこちで見られるようになりました。これだけ無造作に咲いていると扱いがぞんざいになってしまいます(^^;
コメント有難うございます。
そういえば、ツチアケビの実が晩秋に真っ黒になったもの(焼け焦げたような姿になったもの)も見たのですが、中身までキチンとみたことがありませんでした。中身の写真が撮れたらアップさせていただきますね。
コメント有難うございます。
ツチアケビの実を鳥が食べている姿だけでなく、ツチアケビの傍にいる鳥さえも、見たことがないのですが、京大の研究発表なので信じるしかありませんね。アキカラマツは、葉っぱの姿も、涼しげなのがいいですね。近くの里山でもアキカラマツは見られる数が少なくなりました。毎年、味気ない里山になっていっているようで淋しいです。シンテッポウユリもタカサゴユリも、これだけあちこちで見られると有難味がないというか、花を愛でてみようとする気も薄れます。
コメント有難うございます。
仰るように、テッポウユリは春咲きですが、タカサゴユリとシンテッポウユリは共に夏咲きですね。またテッポウユリの葉幅は2-3cmほどありますが、タカサゴユリとシンテッポウユリは共に細い葉ですね。そのうちタカサゴユリとシンテッポウユリは交配が進み、お互い見分けがつかなくなりそうですね。