9月に出会った山野草たちです。
メリケンムグラ(米利堅葎)。アカネ科オオフタバムグラ属の一年草。北米原産。1969年に岡山県で発見され、現在では関東以西の河原や湿り気のある場所に生息します。茎は地面を這い、横へと伸びていきます。花期は7-9月で、先端が4つに分かれた白い花を咲かせます。花弁には沢山の微毛があり、オシベは4本で、メシベの柱頭は深く2裂して、ともに糸状で花冠から突き出ています。花は一日花です。
メリケンムグラ(米利堅葎)。アカネ科オオフタバムグラ属の一年草。北米原産。1969年に岡山県で発見され、現在では関東以西の河原や湿り気のある場所に生息します。茎は地面を這い、横へと伸びていきます。花期は7-9月で、先端が4つに分かれた白い花を咲かせます。花弁には沢山の微毛があり、オシベは4本で、メシベの柱頭は深く2裂して、ともに糸状で花冠から突き出ています。花は一日花です。
茎は基部で分岐し四方に広がり、地面を這っています。メリケンムグラは、水位の変動によって乾湿を繰り返す斜面など、 在来種が定着できないような場所にうまく適応して生息しており、決して在来種を駆逐して繁茂するような植物ではないのですが‥
外来種というだけで、何故か良く思われない可哀想な植物です。メリケンムグラは、アカネ科特有の可愛い花なので在来種と協調しながら、上手く生き延びていって欲しいです。
ヒレタゴボウ(鰭田牛蒡)。アカバナ科チョウジタデ属の北米原産の一年草。いわゆる水田雑草の一つですが、水田雑草は総じて小さな花が多いのですが、ヒレタゴボウは比較的大きな花(直径約2.5㎝)を咲かせます。花期は8-10月で、花は葉腋に単生し、花弁は黄色の広倒卵形で4枚です。
茎は直立または斜上し、背丈は低いものは30cm程度から、高いものは150cmほどにもなります。田んぼの中ではイネを圧倒して良く目立っています。別名はアメリカ・ミズキンバイ(亜米利加水金梅)です。
ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)。タデ科イヌタデ属の一年草。葉は長三角形で、花は頭状に数個が枝の先に集まります。タデ科特有の花は、どれもピンク色で、とても可愛いです。継母(ままはは)が血のつながりのない継子(ままこ)の尻をこの植物で拭って、いじめたと云うのが名前の由来です。
ママコノシリヌグイには、赤い茎や葉柄にトゲがあり、別名はトゲソバ(棘蕎麦)と云います。バラも美しくてトゲがありますが、トゲを持っているという理由だけで、これほど凄まじく、気の毒な名前を付けられた植物も珍しいです。トゲソバの方が余程わかりやすく素直な名前なのに‥ね。
ポントクタデ(ぽんとく蓼、凡篤蓼)。タデ科イヌタデ属の一年草。本州以南の水辺や湿地に生えます。背丈は0.5-1m。茎頂や葉腋に穂状の総状花序をつけ、花は疎らに付き、先は垂れます。花被片は淡紅色で、長さ3mmほどです。
ポントクタデは、刺身のつまに使われるヤナギタデに似てはいるものの、辛味がなくて役に立たないので、ポンツク(愚鈍者)だと言う意味で、ポントクタデと呼ばれるようになりました。
アレチウリ(荒れ地瓜)。ウリ科アレチウリ属の一年草。北米原産。本州以南の河川敷などに生えます。花期は8-9月。雌雄同株・雌雄異花。雌花は淡緑色で直径約6mm、 雄花は黄白色で直径約10mm、長い枝の先に総状に咲きます。
アレチウリは、ツルのように巻き付きながら高木をも覆い尽くして枯死させること、成長・繁殖力が強いこと、根が残ると再生すること等から「まわりの固有在来種が根こそぎ駆逐されてしまう恐れがある」として、平成18年(2006)に駆除すべき「特定外来生物」に指定されました。日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されています。
アメリカタカサブロウ(亜米利加高三郎)。キク科タカサブロウ属の一年草。熱帯アメリカ原産の外来種。日本在来種の「タカサブロウ」に比べて、葉がより細長いです。高三郎と云う名前の由来はよくわかっていません。花期は9-10月、直径5-10mmほどの頭花をつけます。頭花は舌状花と筒状花からなっています。
★オトギリソウ科の花 その2
オトギリソウ(弟切草)。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。全国の日当たりの良い山野などに生えます。数あるオトギリソウの本家本元の花ですが、今年は出会いが9月と遅くなりましたので最後の出番となってしまいました。花期は6-9月頃までと長く、花は直径2cm程の黄色い5花弁で、一日花です。
草丈は20-80cm程。茎は直立し上部で分枝します。オトギリソウの葉は葉柄のない細長い葉が十字対生し、油点があるのが特徴です。
オトギリソウの茎や葉は、昔から止血などの薬草として重宝されてきました。弟切草の名前の由来は、平安時代、この秘伝の処方を他人にばらした弟を、兄が切り殺したと云う悲しい伝説に基づいています。
コケオトギリ(苔弟切)。オトギリソウ科オトギリソウ属の一年草。全国の湿原の周辺や湿地に生えます。背丈は低いですが、20cmを超えるものもあります。
花の直径は僅か5-7mmと小さく、午前中のみ開花するため、目立たず見落とされることが多いです。オシベは5-10個で、ヒメオトギリとの区別点となっています(ヒメオトギリのオシベは10-20個)。
コケオトギリは、秋には全草が真っ赤に紅葉し、とても美しいです(群生していると草紅葉となります)。写真では一部が早くも紅葉していました。晩秋には茎の頂芽が肉芽となって地面に落ち、翌年発根して生長し、栄養繁殖します。
外来種というだけで、何故か良く思われない可哀想な植物です。メリケンムグラは、アカネ科特有の可愛い花なので在来種と協調しながら、上手く生き延びていって欲しいです。
ヒレタゴボウ(鰭田牛蒡)。アカバナ科チョウジタデ属の北米原産の一年草。いわゆる水田雑草の一つですが、水田雑草は総じて小さな花が多いのですが、ヒレタゴボウは比較的大きな花(直径約2.5㎝)を咲かせます。花期は8-10月で、花は葉腋に単生し、花弁は黄色の広倒卵形で4枚です。
茎は直立または斜上し、背丈は低いものは30cm程度から、高いものは150cmほどにもなります。田んぼの中ではイネを圧倒して良く目立っています。別名はアメリカ・ミズキンバイ(亜米利加水金梅)です。
ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)。タデ科イヌタデ属の一年草。葉は長三角形で、花は頭状に数個が枝の先に集まります。タデ科特有の花は、どれもピンク色で、とても可愛いです。継母(ままはは)が血のつながりのない継子(ままこ)の尻をこの植物で拭って、いじめたと云うのが名前の由来です。
ママコノシリヌグイには、赤い茎や葉柄にトゲがあり、別名はトゲソバ(棘蕎麦)と云います。バラも美しくてトゲがありますが、トゲを持っているという理由だけで、これほど凄まじく、気の毒な名前を付けられた植物も珍しいです。トゲソバの方が余程わかりやすく素直な名前なのに‥ね。
ポントクタデ(ぽんとく蓼、凡篤蓼)。タデ科イヌタデ属の一年草。本州以南の水辺や湿地に生えます。背丈は0.5-1m。茎頂や葉腋に穂状の総状花序をつけ、花は疎らに付き、先は垂れます。花被片は淡紅色で、長さ3mmほどです。
ポントクタデは、刺身のつまに使われるヤナギタデに似てはいるものの、辛味がなくて役に立たないので、ポンツク(愚鈍者)だと言う意味で、ポントクタデと呼ばれるようになりました。
アレチウリ(荒れ地瓜)。ウリ科アレチウリ属の一年草。北米原産。本州以南の河川敷などに生えます。花期は8-9月。雌雄同株・雌雄異花。雌花は淡緑色で直径約6mm、 雄花は黄白色で直径約10mm、長い枝の先に総状に咲きます。
アレチウリは、ツルのように巻き付きながら高木をも覆い尽くして枯死させること、成長・繁殖力が強いこと、根が残ると再生すること等から「まわりの固有在来種が根こそぎ駆逐されてしまう恐れがある」として、平成18年(2006)に駆除すべき「特定外来生物」に指定されました。日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されています。
アメリカタカサブロウ(亜米利加高三郎)。キク科タカサブロウ属の一年草。熱帯アメリカ原産の外来種。日本在来種の「タカサブロウ」に比べて、葉がより細長いです。高三郎と云う名前の由来はよくわかっていません。花期は9-10月、直径5-10mmほどの頭花をつけます。頭花は舌状花と筒状花からなっています。
★オトギリソウ科の花 その2
オトギリソウ(弟切草)。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。全国の日当たりの良い山野などに生えます。数あるオトギリソウの本家本元の花ですが、今年は出会いが9月と遅くなりましたので最後の出番となってしまいました。花期は6-9月頃までと長く、花は直径2cm程の黄色い5花弁で、一日花です。
草丈は20-80cm程。茎は直立し上部で分枝します。オトギリソウの葉は葉柄のない細長い葉が十字対生し、油点があるのが特徴です。
オトギリソウの茎や葉は、昔から止血などの薬草として重宝されてきました。弟切草の名前の由来は、平安時代、この秘伝の処方を他人にばらした弟を、兄が切り殺したと云う悲しい伝説に基づいています。
コケオトギリ(苔弟切)。オトギリソウ科オトギリソウ属の一年草。全国の湿原の周辺や湿地に生えます。背丈は低いですが、20cmを超えるものもあります。
花の直径は僅か5-7mmと小さく、午前中のみ開花するため、目立たず見落とされることが多いです。オシベは5-10個で、ヒメオトギリとの区別点となっています(ヒメオトギリのオシベは10-20個)。
コケオトギリは、秋には全草が真っ赤に紅葉し、とても美しいです(群生していると草紅葉となります)。写真では一部が早くも紅葉していました。晩秋には茎の頂芽が肉芽となって地面に落ち、翌年発根して生長し、栄養繁殖します。
コメント
コメント一覧 (6)
コメント有難うございます。
キッピーフレンズ、懐かしい名前ですね。お互い、この頃には各々の地元の里や山を元気に歩いていましたね。今は体力衰退に加えて、思いもしない猛暑で、完全に自然活動が減ってしまいました。懐かしの山野草もだいぶ減りましたね。
メリケンムグラが今を盛りと咲いていますね。おっしゃるように可愛い花ですが、訪ねる植物がいた筈の場所にメリケンムグラが取って代わっていることが多く、ついついうらめしく思ってしまいます。
ヒレタゴボウは花姿も実も好きですが、ここ数年で爆発的に増えた印象があります。10年ぐらい前には見かけた覚えがないような・・。
コケオトギリの葉に宿った水玉が透明感があってとってもきれいですね!ナイスショット!
コメント有難うございます。
そちらのメリケンムグラは、たちが悪いと云いますか、逞しすぎますね。こちらは、見られる所が少なくなってきて、某河川敷内の水が溜まるような場所で、ある程度の集団となって生きながらえています。仰るように、ヒレタゴボウは「ここ数年で爆発的に増えた印象」があります。いままで多種多様な水田雑草が見られていたのですが、いまは殆どがヒレタゴボウ一色で、単調で面白くないです。コケオトギリが良く見られた湿原も、荒れ放題で大型の雑草が繁茂し、風前の灯状態です。
コメント有難うございます。
メリケンムグラは、乾燥しやすい場所では生き延びるのは難しいようですが、河川敷や海岸沿いではよく見られますね。水生植物と云ってもいいくらいで、一般の植物が進出しないような場所が合っているのでしょうね。