8-9月に出会った山野草です。
アケボノヤイトバナ(曙灸花)。アカネ科ヘクソカズラ属の多年草。ヘクソカズラ(ヤイトバナ、サオトメバナ)は葉や花の形状に関する変異品が品種登録されています。でも花色に関する品種は殆んど見当たらずです。私は昨年夏に、この花と出会いブログアップしましたが(こちら→https://bell3.blog.jp/archives/43310270.html)NETでヘクソカズラに関する情報を色々調べたものの、正体が掴めず「ヘクソカズラの赤花変種か?」としてアップした経緯があります。
アケボノヤイトバナ(曙灸花)。アカネ科ヘクソカズラ属の多年草。ヘクソカズラ(ヤイトバナ、サオトメバナ)は葉や花の形状に関する変異品が品種登録されています。でも花色に関する品種は殆んど見当たらずです。私は昨年夏に、この花と出会いブログアップしましたが(こちら→https://bell3.blog.jp/archives/43310270.html)NETでヘクソカズラに関する情報を色々調べたものの、正体が掴めず「ヘクソカズラの赤花変種か?」としてアップした経緯があります。
今年も昨年と同じ場所で同じ花が繁茂しているのを目にして、改めて YListで調べてみたら、アケボノヤイトバナという名で「ヘクソカズラの異分類」として新規にリストアップされていました。Whikipedeaでも再チェックしてみたら、「ヘクソカズラの変種・品種:アケボノヤイトバナ」と新規に載っていました。多分、これがこの花の正式名称だと確信し、アップさせていただきました。
ちなみに、従来からヘクソカズラの変種として挙げられてきたものは、葉の幅が通常のものより狭いとか、葉に毛があるとか、花筒が通常のものより長いと云う類(たぐい)のものが殆んどで‥
花色に関する変種は、昨年までは「ホシザキハマサオトメカズラ」と云う「花冠の中央の紅紫色が花冠の外側まで延び、星形に見えるもの」が1種だけありましたが、このアケボノヤイトバナは星形模様はなく「花冠の外側も内面同様に顕著な紅紫色になる」というものです。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)。キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。全国の山地の林縁や川の土手、田んぼの畦など日当たりの良い場所に生えます。花期は8-10月で、淡紫色の釣鐘形の花を下向きに咲かせます。萼片は糸状で鋸歯があり、花柱が花冠から突出しています。
よく似たサイヨウシャジンとの違いは、ツリガネは花冠の先端がやや裾広がり的なのに対し、サイヨウはやや狭まって壷状になること。それに、メシベの突出した部分の長さが、ツリガネは花冠の長さの半分以下に対し、サイヨウはほぼ花冠の長さと同じくらいで、メシベがとても長く突出しているそうです。
背丈は40cmくらいから、高いものは1mほどにもなります。草刈りに遭っても、すぐ地上部は回復して花径を伸ばします。
ホタルブクロ(蛍袋)。キキョウ科ホタルブクロ属の多年草。花色には赤紫のものと白とがあり、関東では赤紫が、関西では白が多いです。ホタルブクロの花期は、初夏から夏場ですが、今年は猛暑で夏場の散策が殆んど出来ず、9月になって近くの河川敷あたりを散策した時にホタルブクロに出会いました。暑さで花も咲くのが遅かったのかも‥。
アレチハナガサ(荒地花笠)。クマツヅラ科クマツヅラ属の多年草。南米原産。1957年頃から福岡県や神奈川県での定着が確認されており、現在では関東地方以西の市街地の道ばた、荒地や河川敷等で見られます。茎は直立して4稜があり、よく分岐して上部はなびき、高さ2mほどになります。花期は8-9月で、茎の頂で盛んに分岐して長さ2-3cmの穂状花穂を多数つけます。花冠は直径3mm、花色は淡紅紫色で萼の先端は5裂しています。
アレチハナガサは、ヤナギハナガサのように一度に沢山の花を咲かせることはなく、花序の先端付近にポツポツと花を咲かせますので、観賞価値は少ないようです。
ニラ(韮、韭)。ヒガンバナ科ネギ属の多年草。中国原産。畑で栽培されている一方で、野生として空き地や道路脇や畦道や河川敷などにも広く分布しています。花期は8-9月頃で、葉の間から30-40cmほどの1本の花茎を伸ばし、花茎の先端に、半球形の散形花序をつけ、径6-7mm の白い小さな花を20-40個も咲かせます。
花弁は3枚だが、苞が3枚あり、花弁が6枚あるように見えます。オシベは6本、子房は3室になっていて、花後に果実を結び、熟すと割れて中から6個の黒色の小さな種を散布します。
カンナ(美人蕉、羅)。カンナ科カンナ属の多年草。中南米の原種がヨーロッパで改良され、多様な品種があります。夏から秋にかけて長い花茎に、花弁のようなオシベを持つ独特の形をした花を咲かせます。カンナの花の形態はちょっと面白いです。6本あるオシベのうち5本が花びらになり(中には退化するものもあり)、残った1本のみが花粉を出す本来のオシベの機能を果たしています。
ハナトラノオ(花虎の尾)。シソ科ハナトラノオ属の多年草。北米原産。日本へは大正時代に渡来し、以来急速に広まり、とても丈夫で繁殖力が強いため、各地で野生化しています。花期は8-10月で、花穂は細長い四角錐で、花は四方に向かって規則正しく並んで咲きます。茎が四角なので、別名をカクトラノオ(角虎の尾)と云います。
トケイソウ(時計草)。トケイソウ科トケイソウ属のツル性多年草。花期は7-9月頃で、花色は白、赤、ピンク、黄色、紫、複色などがあります。英名は Passion flower (パッション・フラワー)で、「情熱の花」ではなく、「受難の花」と云う意味です。西欧人は、花姿からキリストが十字架に架けられたのを連想したのが名前の由来ですが、日本人は時計を連想したので、和名はトケイソウです。同じ仲間の パッション・フルーツ(果物時計草)の果実 とそっくりですが、観賞用の時計草は、実に毒のある品種もあるそうですから、口にするのは止めた方がよさそうです。
ウコン(鬱金)。ショウガ科ウコン属の多年草。インド原産。ウコンには春ウコンと紫ウコンなどがありますが、これは秋ウコンで、9-10月に、葉の間から高さ30cmほどの花茎を出し、大型の穂状花序をつけます。花穂は大きな淡緑色の苞葉が幾重にも重なり合い、頂点に向かって徐々に白色を帯びておおらかに広がり、先端がわずかに赤みを帯び、苞葉の間に2-4個の淡黄色の小さな花を順次開いていきます。
花序は夏~初秋に葉の間から現れ、苞葉が集まった姿をしています。上部の苞葉は白色、ときに淡紅色を帯びてよく目立ち、一見これが花弁のように見えますが、白く美しい部分は葉が変化したもので‥
下部の苞葉の間に覗いている黄色い部分が本当の花です。ちなみに、カレー粉の黄色は「ターメリック」と云うスパイスの色で、ウコンの根茎からつくられています。
ちなみに、従来からヘクソカズラの変種として挙げられてきたものは、葉の幅が通常のものより狭いとか、葉に毛があるとか、花筒が通常のものより長いと云う類(たぐい)のものが殆んどで‥
花色に関する変種は、昨年までは「ホシザキハマサオトメカズラ」と云う「花冠の中央の紅紫色が花冠の外側まで延び、星形に見えるもの」が1種だけありましたが、このアケボノヤイトバナは星形模様はなく「花冠の外側も内面同様に顕著な紅紫色になる」というものです。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)。キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草。全国の山地の林縁や川の土手、田んぼの畦など日当たりの良い場所に生えます。花期は8-10月で、淡紫色の釣鐘形の花を下向きに咲かせます。萼片は糸状で鋸歯があり、花柱が花冠から突出しています。
よく似たサイヨウシャジンとの違いは、ツリガネは花冠の先端がやや裾広がり的なのに対し、サイヨウはやや狭まって壷状になること。それに、メシベの突出した部分の長さが、ツリガネは花冠の長さの半分以下に対し、サイヨウはほぼ花冠の長さと同じくらいで、メシベがとても長く突出しているそうです。
背丈は40cmくらいから、高いものは1mほどにもなります。草刈りに遭っても、すぐ地上部は回復して花径を伸ばします。
ホタルブクロ(蛍袋)。キキョウ科ホタルブクロ属の多年草。花色には赤紫のものと白とがあり、関東では赤紫が、関西では白が多いです。ホタルブクロの花期は、初夏から夏場ですが、今年は猛暑で夏場の散策が殆んど出来ず、9月になって近くの河川敷あたりを散策した時にホタルブクロに出会いました。暑さで花も咲くのが遅かったのかも‥。
アレチハナガサ(荒地花笠)。クマツヅラ科クマツヅラ属の多年草。南米原産。1957年頃から福岡県や神奈川県での定着が確認されており、現在では関東地方以西の市街地の道ばた、荒地や河川敷等で見られます。茎は直立して4稜があり、よく分岐して上部はなびき、高さ2mほどになります。花期は8-9月で、茎の頂で盛んに分岐して長さ2-3cmの穂状花穂を多数つけます。花冠は直径3mm、花色は淡紅紫色で萼の先端は5裂しています。
アレチハナガサは、ヤナギハナガサのように一度に沢山の花を咲かせることはなく、花序の先端付近にポツポツと花を咲かせますので、観賞価値は少ないようです。
ニラ(韮、韭)。ヒガンバナ科ネギ属の多年草。中国原産。畑で栽培されている一方で、野生として空き地や道路脇や畦道や河川敷などにも広く分布しています。花期は8-9月頃で、葉の間から30-40cmほどの1本の花茎を伸ばし、花茎の先端に、半球形の散形花序をつけ、径6-7mm の白い小さな花を20-40個も咲かせます。
花弁は3枚だが、苞が3枚あり、花弁が6枚あるように見えます。オシベは6本、子房は3室になっていて、花後に果実を結び、熟すと割れて中から6個の黒色の小さな種を散布します。
カンナ(美人蕉、羅)。カンナ科カンナ属の多年草。中南米の原種がヨーロッパで改良され、多様な品種があります。夏から秋にかけて長い花茎に、花弁のようなオシベを持つ独特の形をした花を咲かせます。カンナの花の形態はちょっと面白いです。6本あるオシベのうち5本が花びらになり(中には退化するものもあり)、残った1本のみが花粉を出す本来のオシベの機能を果たしています。
ハナトラノオ(花虎の尾)。シソ科ハナトラノオ属の多年草。北米原産。日本へは大正時代に渡来し、以来急速に広まり、とても丈夫で繁殖力が強いため、各地で野生化しています。花期は8-10月で、花穂は細長い四角錐で、花は四方に向かって規則正しく並んで咲きます。茎が四角なので、別名をカクトラノオ(角虎の尾)と云います。
トケイソウ(時計草)。トケイソウ科トケイソウ属のツル性多年草。花期は7-9月頃で、花色は白、赤、ピンク、黄色、紫、複色などがあります。英名は Passion flower (パッション・フラワー)で、「情熱の花」ではなく、「受難の花」と云う意味です。西欧人は、花姿からキリストが十字架に架けられたのを連想したのが名前の由来ですが、日本人は時計を連想したので、和名はトケイソウです。同じ仲間の パッション・フルーツ(果物時計草)の果実 とそっくりですが、観賞用の時計草は、実に毒のある品種もあるそうですから、口にするのは止めた方がよさそうです。
ウコン(鬱金)。ショウガ科ウコン属の多年草。インド原産。ウコンには春ウコンと紫ウコンなどがありますが、これは秋ウコンで、9-10月に、葉の間から高さ30cmほどの花茎を出し、大型の穂状花序をつけます。花穂は大きな淡緑色の苞葉が幾重にも重なり合い、頂点に向かって徐々に白色を帯びておおらかに広がり、先端がわずかに赤みを帯び、苞葉の間に2-4個の淡黄色の小さな花を順次開いていきます。
花序は夏~初秋に葉の間から現れ、苞葉が集まった姿をしています。上部の苞葉は白色、ときに淡紅色を帯びてよく目立ち、一見これが花弁のように見えますが、白く美しい部分は葉が変化したもので‥
下部の苞葉の間に覗いている黄色い部分が本当の花です。ちなみに、カレー粉の黄色は「ターメリック」と云うスパイスの色で、ウコンの根茎からつくられています。
コメント
コメント一覧 (6)
昨年も見せて頂いた赤いヘクソカズラの正体は、アカバナヤイトバナという種だったのですね。
ちょっと赤みがかっているというレベルではありませんものね。
この個性的な花の名前が確定してよかったですね(^-^)
9月に咲いていたホタルブクロ・・健気ですね~。
話は全く違いますが、彼岸の頃に田園地帯を通ってもあの見慣れたヒガンバナが燃えるように咲く光景がほとんど見られず違和感を覚えたのですが、稲刈りの終わる今頃になってあちこちが赤く燃えるようになりました。猛暑は律儀なヒガンバナまで狂わせてしまったのですね。
コメント有難うございます。
そちらでも7月頃にこの花をブログアップされていましたね。私もそれを見て探しに行ったのですが、当地ではまだヘクソカズラは蕾も見られずでした。9月になって、ようやく赤花ヘクソカズラが咲き出したので、改めて調べてみたら、昨年とは状況が一変していて「アケボノヤイトバナ」としてリストアップされていました。名前がわかって良かったです。
コメント有難うございます。
2年越しに正体がわかりましたので、ブログアップしました。ここはヘクソカズラが大繁茂していた場所だったのですが、昨年、赤花が混じっていたのに気が付きました。多分、自然に生まれたように思われます。今年は赤花のほうが多く見られました。アケボノヘクソカズラと云う名前もわかって、一件落着でした。
コメント有難うございます。
昨年からの持ち越し課題だった「ヘクソカズラの赤花」でした。今年も見られるかなと思っていたら、昨年よりも増えていてビックリ。今年は兵庫県のブロ友様も名前不明のままアップされていましたので、改めて調べてみたら、昨年とは状況が一変していて「アケボノヤイトバナ」として、YListやWhikiでもリストアップされていてました。名前がわかって良かったです。今年は猛暑が長引き、9月半ばまで、里や里山では目ぼしい花も見られず雑草ばかりでした。ホタルブクロが今頃見られたのも気候のせいでしょうか。ヒガンバナ、仰るように、こちらでも開花が遅くて、今が真っ盛りです。期せずして猛暑もおさまり、入道雲が姿を消し、ウロコ雲が見られるようになりました。やっと秋が感じられるようになりましたね。